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青森編

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#青森

【青森県青森市】謎の博物館「北のまほろば歴史館」は青森の歴史と北東北の海に生きる人々の博物館だった

【青森県青森市】謎の博物館「北のまほろば歴史館」は青森の歴史と北東北の海に生きる人々の博物館だった

 当ブログでは北東北の数多くのニッチな博物館を紹介してきた。
 特定分野に対して深く鋭く食い込んだニッチ博物館の数々は、切り口こそ小さいもののその内容は様々な分野にまたがるように非常に深く食い込んでおり非常に興味深いものばかりだった。

 さて、こういった博物館とは逆に、館名だけでは名前があまりにもふんわりしていてなんだかわからない博物館もある。
 その代表と言えるのが、青森市にある北のまほろば歴

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【青森県八戸市】全国朝市サミット2024の館鼻岸壁朝市はいつもに増してカオスだった

【青森県八戸市】全国朝市サミット2024の館鼻岸壁朝市はいつもに増してカオスだった

 青森県八戸市にて、毎週日曜日の早朝に行われている館鼻岸壁朝市は、日本最大規模の朝市と言われている。
 毎週行われていることもあり、天候がすぐれない日はすぐに店じまいする店や出店しない店舗も珍しくないことからその日の天候次第で客足は大きく変わるが、八戸市の人口が約22万人なのに対して毎週2万人程度の来場者があるという。
 全長約800mの区間におよそ300店が軒を連ねるこの朝市では八戸市やその周辺

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【青森県十和田市】馬のテーマパーク「駒っこランド」にある馬の博物館「称徳館」は馬好き必見スポットだった

【青森県十和田市】馬のテーマパーク「駒っこランド」にある馬の博物館「称徳館」は馬好き必見スポットだった

 以前、岩手県奥州市にある牛の博物館の記事で「北東北には各地に馬にまつわる文化や風習があるのに馬の博物館はないのだろうか」と書いた。
 記事を書いた際は調べ方が足りずに知らなかったのだが、該当する施設は青森県十和田市に存在していた。

 十和田市は奥入瀬渓流を郊外に有する上北地方の中核都市だ。
 現在も農業が盛んな街であることに加え、市街地近くには映画にもなった『犬部!』の舞台である、北里大学の獣

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八戸の館鼻岸壁朝市で買った謎の「ヤマモモ」と産直ならではの出会いを愛でる

八戸の館鼻岸壁朝市で買った謎の「ヤマモモ」と産直ならではの出会いを愛でる

 一般的にヤマモモというと、漢字で楊梅と書かれることが多い鮮やかな赤い果実をつける植物を指すと思う。

 しかし青森県の三八地方 (※)ではお盆明けの短い時期に、同じく「ヤマモモ」の名で呼ばれる謎の果実が売られていることがある。

※ 八戸市を中心に、階上町や五戸町などの青森県南東部の地域

 今回この「ヤマモモ」を購入したのは、青森県八戸市で行われている館鼻岸壁朝市だ。

 館鼻岸壁朝市は毎週日

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【青森県深浦町】日本海を望む「賽の河原」の絶景と消えゆく信仰

【青森県深浦町】日本海を望む「賽の河原」の絶景と消えゆく信仰

※今回紹介する場所は現在十分に整備されている場所とは言い難い状態です。経緯と現状を紹介したいと強く思った為に記事にしていますが、当記事は来訪をおすすめするものではありません

 北東北、特に青森県内には「賽の河原」の名を関する地名が数多くある。
 青森県内だけでも以前資料館を紹介した八甲田山行軍遭難事故の現場や、イタコで有名な五所川原市にある賽の河原地蔵尊、恐山の中にも賽の河原の名を冠する場所があ

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過去に記事で紹介した北東北のスポットまとめ&軽く紹介

過去に記事で紹介した北東北のスポットまとめ&軽く紹介

 気づけば昨年の8月末に始めたnoteももうすぐ一年。投稿した記事も100本を超えて久しい。節目ということで過去に紹介した博物館や資料館、観光スポットなどの記事をまとめてみた。
 どれも自分の趣味で行くような場所なので偏りが激しいものの、観光の参考などにご活用いただければ幸いである。
 なおオススメ度、アクセスについては以下の基準で、独断と偏見に基づいて評価している。

オススメ度
★⭐︎⭐︎⭐

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【育てて食べた】復活した青森の伝統野菜 糠塚きゅうりはデカくて甘くてジューシーで旨い

【育てて食べた】復活した青森の伝統野菜 糠塚きゅうりはデカくて甘くてジューシーで旨い

 日本全国には、伝統野菜として古くから栽培されてきた野菜が数々ある。

 各地域毎で長年に渡り品種改良が行われてきた作物たちはそれぞれ独自の性質を有している。その多様性は時に今現在広く栽培されている主力品種のベースとなり、日々様々な品種が作られては我々の食卓に登っている。
 例えば現在寒冷地で広く栽培されているニンニクの品種である福地ホワイト六片は、かつて青森県に存在した福地村 (現在は南郷村に編

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【青森県おいらせ町】青森で育つバナナ、パパイヤ、ジャボチカバ!?アグリの里おいらせは「食える」植物園

【青森県おいらせ町】青森で育つバナナ、パパイヤ、ジャボチカバ!?アグリの里おいらせは「食える」植物園

 幼少時代、植物園に行った経験のある人は多いと思う。特に北国生まれ北国育ちの自分にとって、個性的で見たこともない様々な植物の姿はとても魅力的に見えていた。
 そしてそれら植物の中でも、特にこの一文を持つ植物に心惹かれた。

「—現地では食用」

 こんな見たこともない植物も、世界のどこかでは誰かの腹を満たしている。そんな遠くで暮らす人々の生活に想いを馳せ、彼らも、自分たちが当たり前に食べる山菜を前

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【青森県新郷村】60年目のキリスト祭に行ってきて感じた、胡乱と真摯と伝統の最前線

【青森県新郷村】60年目のキリスト祭に行ってきて感じた、胡乱と真摯と伝統の最前線

 世の中に奇祭は数あれど、その中には観光客を呼び込むために当初から「奇妙である」ことを目的に作れたものも少なくない。
 そういった奇祭は面白みに欠ける、と感じる人もきっと多いだろう。
 しかしそれが60年もの間続いているとなればどうだろうか。

 当noteでも度々言及している青森県新郷村は「キリストの墓」なるもので村おこしを行っている村だ。

 今から90年ほど前に、当時の村の有力者たちが周辺地

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【青森県田舎館村】元祖田んぼアートと東北の弥生文化の意外な関係

【青森県田舎館村】元祖田んぼアートと東北の弥生文化の意外な関係

 水田に色の違う複数品種の稲を植えて絵を作り出す田んぼアート。
 今でこそ全国各地どころか海外でも行われている田んぼアートだが、その発祥は青森県にある田舎館村とされている。

 田舎館村は津軽平野の南部に位置し、弘前市に隣接する小さな村だ。
 1993年に村おこしの一環として、村役場の裏の田んぼに3種類の稲を用いて文字やイラストを作ったのが始まりだという。

 6月に植えられた稲は10月に収穫され

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【青森県横浜町】横浜観光も青森で

【青森県横浜町】横浜観光も青森で

 青森で横浜といえば世界に誇る神奈川県の県庁所在地、横浜市ではない。
 下北半島と本州の中間部に位置する、上北郡に属する小さな町、横浜町だ。

 横浜町の人口は約4千人。横浜市の人口376万人と比べるとあまりにも小さな町だ。
 というかそもそも青森県の人口は120万人、岩手県の人口は116万人、秋田県の人口は91万人なので、実は横浜市の人口だけで北東北3県の人口を合わせたよりも多い。
 とはいえこ

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【青森県青森市】なぜ悲劇は起きたのか 「八甲田山雪中行軍遭難資料館」

【青森県青森市】なぜ悲劇は起きたのか 「八甲田山雪中行軍遭難資料館」

 1904年1月23日、青森歩兵第五連隊の210名が青森連隊駐屯地を出発した。
 予定は1泊2日。行軍距離は片道20km。行き先は田代新湯。
 後に「八甲田雪中行軍遭難事故」として知られることになるこの行軍は、現代でも悲劇として語り継がれている。

 恐らく周辺地域に住んでいる人以外や山に詳しくない人でも、1971年に出版された新田次郎の『八甲田山死の彷徨』 やそれを原作に制作され1977年に公開

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花見といえば団子より桜餅よりカニ。そんな文化が青森にある。

花見といえば団子より桜餅よりカニ。そんな文化が青森にある。

 2024年。4月も半ばの今、北東北は桜の盛りを迎えている。
 花見の定番といえば、間違いなく団子と桜餅だろう。桜の名所と名高い青森県の弘前公園でも、桜祭りの季節には有名な花より焼き団子などが売られ、コンビニやスーパーでも関東風・関西風問わず様々な桜餅が売られている。

 しかし青森では、団子や桜餅と並んで一風変わったものが花見の定番としてこの時期にもてはやされている。
 それがタイトルにもある通

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【青森県八戸市】ウミネコの街の小さな水族館 水産科学館マリエント

【青森県八戸市】ウミネコの街の小さな水族館 水産科学館マリエント

 北東北にある水族館といえば、大きいものであれば青森県青森市の浅虫水族館や、記事にもした秋田県男鹿市の男鹿水族館GAO。比較的小さなものであればこちらも以前記事にした岩手県久慈市にあるもぐらんぴあなどがある。

 もぐらんぴあの記事でも触れたが、もぐらんぴあとよりも更に小さな水族館が青森県の 八戸市に存在する。
 その名も水産科学館マリエント。
 ウミネコの繁殖地として有名な蕪島と目と鼻の先にある

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