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美味しい北東北

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北東北の食に関する記事やつぶやきまとめ
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#岩手県

三陸の春の味覚の海藻「あかはた」で「もち」を作る。そして「ベーコン味」なのか確かめる

三陸の春の味覚の海藻「あかはた」で「もち」を作る。そして「ベーコン味」なのか確かめる

 北三陸の港町では、春の味覚として「あかはた」が親しまれている。八戸市の沿岸部では「あかっぱ」とも呼ばれるこれは魚のアカハタではなく、和名をアカバギンナンソウという北太平洋に生える海藻の一種のことだ。
「あかはた」という呼び名こそ用いられないものの、北海道でも稚内市を中心とした宗谷地方では「仏の耳」や「耳こ」、「銀杏草」などと呼ばれ、味噌汁の具材などとして親しまれている。

 柔らかく特有の旨味が

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バレンタインが近いのでベアレンの「ドライチョコレートスタウト」を飲んでみた

バレンタインが近いのでベアレンの「ドライチョコレートスタウト」を飲んでみた

 この記事が投稿されている予定の日の翌週、2月14日はバレンタインデー。
 この時期は各地の百貨店の催事場に世界のチョコレートが並ぶことは言うまでもなく、甘いものが苦手な人向けということでプレゼント向けの酒の販売も盛んな時期である。
 まさにこの時期にぴったりのビールとしておすすめしたいビールがある。ベアレンのチョコレートスタウトである。

 ベアレン醸造所は岩手県盛岡市のクラフトビールメーカーだ

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【岩手県盛岡市】盛岡冷麺の名店「もりしげ」の冷麺に感動とロジックを見る

【岩手県盛岡市】盛岡冷麺の名店「もりしげ」の冷麺に感動とロジックを見る

 盛岡冷麺の有名店といえば、ぴょんぴょん舎やヤマトの名が上がるだろう。
 味の美味しさは勿論のこと、盛岡市内に複数の店舗を構え岩手県外にも出店しているおかげでアクセスもしやすい。自分も遠くから盛岡に観光に来る人に対しておすすめの店を聞かれたならば、これらの店の名前を挙げるだろう。
 一方で一番美味しいと思う盛岡冷麺の店を問われれば、自分は別の店の名前をあげるだろう。その名ももりしげ。40年以上に渡

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【岩手県北上市】鬼の町の名店「トロイカ」が最高だと語らせてほしい

【岩手県北上市】鬼の町の名店「トロイカ」が最高だと語らせてほしい

 岩手県北上市は、岩手県南部にある町だ。
 鬼剣舞で知られる「鬼の町」であり、郊外には鬼専門の博物館鬼の館を有することでも知られているほか、岩手県内各地の古民家が集まるみちのく民俗村など興味深いスポットに事欠かない。

 最近ではポケモンSVのDLC『碧の仮面』の舞台であるキタカミの里のモデルが恐らくこの町であるほか、呪術廻戦でも非常に印象的なシーンで大きく取り上げられた。
 さらには来年2025

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【岩手県雫石町】岩手を代表する観光地「小岩井農場まきば園」で五感で自然と歴史に触れる

【岩手県雫石町】岩手を代表する観光地「小岩井農場まきば園」で五感で自然と歴史に触れる

 おそらくこの記事をご覧の皆さんの近所のスーパーの乳製品売り場にも、小岩井乳業の商品が並んでいることだろう。
 中でもチーズやヨーグルト、そして発酵バターは他の大手メーカーと比較すると少しお値段は張るがその価格分以上に品質も良く自分も大好きだ。

 さて、岩手県雫石町にある小岩井農場まきば園は、そんな小岩井乳業の牧場の一部などが見学できる観光農場だ。
 驚くべきはその面積、観光エリアであるまきば園

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農林水産省お墨付き「二子さといも」の食感に悶える

農林水産省お墨付き「二子さといも」の食感に悶える

 日本全国各地に存在する多彩な農林水産物。それらの中には地元で愛され続けているローカルなものもあれば、日本全国のこだわりの店で愛され、更には日本を飛び出し海外へも進出しているものもある。
 日本或いは世界の農林水産物を相手に渡り合う際に特にその個性と品質で勝負するとなると、その商品ならではの特徴や品質などを保証することは、1つのブランドとして成り立たせるための重要なポイントである。

 さて、この

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【岩手県花巻市】「Wildcat House 山猫軒」で宮沢賢治の世界を味わう

【岩手県花巻市】「Wildcat House 山猫軒」で宮沢賢治の世界を味わう

“二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。

「ぜんたい、ここらの山は怪しからんね。鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなあ。」
「鹿の黄いろな横っ腹なんぞに、二三発お見舞いもうしたら、ずいぶ

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岩手県奥州市伝統の精進料理、くるみ豆腐は「くるみ味」

岩手県奥州市伝統の精進料理、くるみ豆腐は「くるみ味」

「醍醐味」という言葉がある。
 至上の美味さを意味する言葉であり、そこから転じて物事の中でも特に味わい深い部分を指す言葉であるが、その由来はその名もずばり醍醐と言うかつて存在していた乳製品を指す。

 これと似たような例として、岩手県の一部の方言では「非常に美味しい味」という意味で「くるみ味」や「くるみの味」という表現を用いる。
 そんな岩手県では数々のクルミを使った郷土料理が存在するが、その中で

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【岩手県九戸村】ふるさと創造館で初めての囲炉裏料理〜カネ餅と串もちを焼いて食べる

【岩手県九戸村】ふるさと創造館で初めての囲炉裏料理〜カネ餅と串もちを焼いて食べる

 北東北には数多くの伝統料理があるが、それらの中には今まさに失われつつある料理も数多い。
 その理由は数あれど、嗜好や健康意識の変化以外にも、生活形態の変化で昔のように作ることが非常に困難になった料理もある。その代表的な料理は囲炉裏を使った料理だろう。
 かつては各家庭に必ずのようにあった囲炉裏だが、一般の家庭で現在も囲炉裏が残っている場所はまずないだろう。

 そもそも自分は、囲炉裏を使ったこと

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生のウニを乗せた「ウニ丼」もいいですが、ウニの炊き込みご飯「うにめし」も捨てがたい。見た目こそ地味ながら、一口食べればウニの香りを存分に味わえる料理ということがわかるはず。それにつけても、加熱で甘味が増したウニの旨さよ。
写真は岩手県久慈市の小袖海女センターにて購入したもの。

「山のきぶどう」と改めて向き合う

「山のきぶどう」と改めて向き合う

「山のきぶどう」という、清涼飲料水と健康食品の中間のような飲み物が主に北東北……というか岩手県と青森県の一部にある。個人的には高齢の方が農作業の合間に飲む、というイメージがある。
 製造地である岩手県内ではこれを使ったゼリーが土産物屋に並んでいるので、そちらで知っている人も多いかもしれない。
 これは「ヤマブドウ」という日本在来のブドウの仲間の100%ジュースであり、北東北であればスーパーや道の駅

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