雨の日の水鉄砲の使い方 全編【ショートショート#44】
雨の日、透明のビニール傘を差して街を歩いていた。僕は右手に持ったピストル型の水鉄砲で前を歩いている人のリュックや踵を狙って撃っていた。撃たれた人はなかなか気づかない。濡れた踵やズボンの裾を確認する人はいるけど、まさか後ろの人間が水鉄砲で撃っているとまでは考えず、傘の差し方や歩く歩幅を調節するくらいだった。
そうなると僕は調子にのって肩やお尻を撃ったりもするが、まだ一度もバレたことはない。
ある雨の日、毎度のように外に出て水鉄砲で前行く人を撃っていた。そのとき衝動が胸か