マガジンのカバー画像

月刊SSマガジン

91
ショートショートを書きたい人と、ショートショートを読みたい人をつなぐためのマガジンです。noteに投稿された面白いショートショートを収集していきます! 月刊と名を打ってはいますが…
運営しているクリエイター

記事一覧

ヒゲ泥棒【ショートショート】

あれは僕が中学生の頃だったと思う。 ある事件が世間を騒がせた。 言わずと知れた「ヒゲ泥棒事…

みょめも
2か月前
54

ショートショート『クレーム対応@生配信中』

 【この通話は、下記URLで生配信させていただきます】  公式ホームページの問い合わせ窓口…

8

【ショートショート】死神

「おい、目を覚ませ」 その声で目を覚まして辺りを見回すと、そこには信じられない光景が広が…

びわっこ
2か月前
10

【ショートショート】無関心モード

 道路の向こうからタテカワがやってきた。  小中高と同じ学校で、同じ団地に住んでいるから…

深川岳志
2か月前
8

016『はなでんわ』ショートショート(392文字)

 祖母のスマホが鳴っていた。しばらく放っておいたが、祖母は困ったように、「ねぇ、どこを押…

きしよしき
2か月前
6

ショートショート|推しの手

 変わったアイドルがいるから、見に行こう。  友人に誘われて強引に連れ出されたのが、そも…

雨の日の水鉄砲の使い方 全編【ショートショート#44】

 雨の日、透明のビニール傘を差して街を歩いていた。僕は右手に持ったピストル型の水鉄砲で前を歩いている人のリュックや踵を狙って撃っていた。撃たれた人はなかなか気づかない。濡れた踵やズボンの裾を確認する人はいるけど、まさか後ろの人間が水鉄砲で撃っているとまでは考えず、傘の差し方や歩く歩幅を調節するくらいだった。  そうなると僕は調子にのって肩やお尻を撃ったりもするが、まだ一度もバレたことはない。  ある雨の日、毎度のように外に出て水鉄砲で前行く人を撃っていた。そのとき衝動が胸か

47.横顔【ショートショート】

 君の横顔を見つめている。  アイツに視線を向けている君の横顔を、気付かれないようにじっ…

pain
2か月前
10

【ショートショート】あまいね

静かな縁側。 夏の風にそっと押され、風鈴が鳴る。 その音色と共にひろがる、ほんのりとした…

物真似【ショートショート】

 あるところに真理という実に物真似の上手い娘がおりました。彼女はちょっと愚直ですけど、大…

あめだま
2か月前
56

【ショートショート】「リリスの家出」

朝の光が窓から柔らかく差し込む中、彼はいつものようにスマートフォンの通知音で目を覚ました…

あかいにじ
2か月前
36

ショートショート|パパが家を出ていった話

 その日、パパは帰ってこなかった。  子どもの僕にだって、わかる。女をつくって出ていった…

綺麗で、醜悪な子育て

「最近、勉強はどう?」 「順調だよ、母さん」  息子は笑顔でそう答えた。   私も優しく微…

【ショートショート】 『ゾンビの気持ち』

あぁ、今日も人間を食べちゃった。 別に好きでやってるわけなじゃない。僕だって元々は人間だったんだ。 でも、体が勝手に動いちゃうんだ。気づいた時には口の周りが血だらけさ。 美味しいのかって? 味覚が死んでるから、よくわからないんだよね。 本当は「逃げて!」とか言いたいよ。自分が化け物だってわかってるから。 残念だけど、必死で伝えようとしても、うめき声しか出ないんだ。 あっ、比較的綺麗なゾンビがいる。多分最近噛まれた新人だな。 「おーい。ようこそこっち側へ。」