小石が家にやってきた話【ショートショート】
小学生の頃、よく石蹴りをしながら通学路を歩いたものだった。
脇道に逸れたり、草むらに入ってしまったりしながら学校まで蹴っていくのだ。
石はどんな形でもいいわけではなくて、石蹴りに適した石というのがあった。
まず大きすぎないこと、他の石とは違うんだぞと気合いが入っていること、そして蹴られてもいい準備ができている、分かりやすく言い換えれば、こちらにお尻を突き出している石であること。
そうした石こそが『蹴られるために生まれてきた石』といえる。
そんな石と目が合った日は暑かろうが雪が