あかいにじ

あかみね と にじぐち の創作活動広場です。2024年7月10日より運用開始。

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あかみね と にじぐち の創作活動広場です。2024年7月10日より運用開始。

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  • にじぐち's Works

    にじぐちの作品です。 Weaving together the voices of emotions that shine through the gaps of everyday life.

  • ”あかみね” 集めました

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最近の記事

《詩》時のかたち

誰かのための一秒も 自分のための一秒も 同じ長さ だけど どこか違う 全力の一秒も 何もしない一秒も やっぱり同じ だけど やっぱり違う 「時間を大切に」と言うけれど 私たちは何かを大切にしている 何もしないときも 休息を尊ぶときも 誰かを想うときも だから 焦る必要はない 自然を眺め 心を癒やすとき あなたと笑い 元気になるとき 大切な人に会う前の 永遠のようなひととき 涙を分かち合い 気持ちを共にするとき そのすべてが 長さではなく 重さと 深さと 広がりを持つ

    • 【詩】「雨は突然に」

      晴れた空に油断して 窓を開けて外に出た でも、急に悪くなる、空の機嫌 雨粒がどんどん入って、濡れる床 びしょ濡れの道、走るわたし 仕方ない、家へ急ぐ 人生もそう 予測なんて、できないよね (あかみね)

      • 《詩》気分の彩り

        画面越しの知らない誰かの話題 騒がしい街のニュースが響いても 私の気分はその波に飲まれないと 静かに自分に言い聞かせる 窓の向こうの空も街路樹も 私の気分にほんのり色をつける けれど晴れがいいとか青空がいいとか 簡単には決めたくない 雨音はカフェのBGMになり 曇り空はそっと包む布になる 咲く花も好きだけど 枯れて土に還る姿も愛しい あたたかいコーヒー大好きなパン 私の気分は小さな積み重ね 大きな幸せだけを待つんじゃなく ほんの少し心を満たすような 小さなプレゼントが毎日

        • 【詩】「マグのぬくもり」

          温かさが、指に伝わる お気に入りのマグのふち スープの湯気が、ゆらりと揺れて 寒さもどこかへ飛んでいく ひと口ごとに、心もほぐれて 忙しさも、ふわりと溶けていく (あかみね)

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          136本
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        記事

          《詩》窓越しの交差点

          窓を開けると 痛いほどの日差しは遠ざかり 涼しい風に心が和む季節を越えて また今 寒いくらいの風が 家の温もりを運んでくる たった一枚のガラス 時に私を包み 時に遠ざけ 外と内を分かつ境界線 守り手であり 私と外を結ぶ架け橋 窓を開けなければ 気づかないこともある いつもの景色が変わらない安心 気まぐれな天気に慌てて窓を閉めたり 雨のあとに窓を開けた瞬間 虹の秘密を知るのは私だけの特権 窓を開けば 私の心も広がっていく (にじぐち)

          《詩》窓越しの交差点

          【ショートショート】「選択の彼方」

          田中悠斗は、ごく普通の会社員だ。仕事は安定しており、家庭も特に問題はない。しかし、彼は日々の生活にどこか物足りなさを感じていた。毎日繰り返される同じルーチン、同じ駅、同じ自販機、そして同じコーヒー。その安定感が安心感を与える一方で、彼の心の奥底には、小さな不満の種が芽生えていた。 ある日、仕事帰りにいつも通り、駅前の自販機に立ち寄った。悠斗にとって、この自販機は長年通い続けてきた駅のランドマークのような存在だった。カラフルな缶やペットボトルが整然と並び、選択肢は豊富だったが

          【ショートショート】「選択の彼方」

          《詩》ためらいの先で

          「次こそは」と 繰り返しているけれど 次はいつ来るんだろう 困っているあの人に 声をかければよかったな 何かすればよかった 私って その繰り返し 助けてもらっているのに 知らない誰かを助けられないのは なぜ 私だったら助けてもらいたいのに 次こそはのボトルに 一滴ずつ水がたまったら いつか満たされて あふれ出すその時 新しい私になれるかな 動けなかった足が 一歩前に出て 出せなかった言葉が 最初の一言を話せて 何かできるようになるだろうか あの日 困っていた人 あの日 

          《詩》ためらいの先で

          【詩】「ゆらめく境界」

          水面に映る、わたし 風に揺られて、ぼやけると わたしの輪郭は、消えてゆく どこまでが、わたしで どこからが、空なんだろう (あかみね)

          【詩】「ゆらめく境界」

          《詩》ベーカリー物語~フォカッチャのシンプルライフ

          私は知っている 難しく考えるほうが簡単で シンプルでいることが 一番難しいことを かっこつけるほうが自然になって そのままの自分が遠くなる だけどあなたは違う 小麦粉とオイル 少しの塩 それだけで微笑む どうしてそれだけでいいのか 私は不思議に思っていた 誰かが具材をのせても あなたはそのまま受け入れる 変えようとはしない 静かに支えている あなたがいるからこそ 周りが引き立つ 長い歴史をもつのに それを誇示することもない それが自信だと 私は知っている 火で焼

          《詩》ベーカリー物語~フォカッチャのシンプルライフ

          【詩】「スマホ忘れた」

          かばんが軽くて、ちょっと不安 「仕方ない」って、肩をすぼめて 街路樹見ながら歩く、癖が戻る 駅の近くには、知らない顔のにぎやかさ 心が震えるこの感じ 通知じゃないけど、本物だ (あかみね)

          【詩】「スマホ忘れた」

          《詩》アンサーソングの日々

          いつも手に取るカップに書かれた文字 ふと目が留まる Keep it up! その調子って 私に言ってくれている? そのままの自分でいいんだって 背中を押してもらったからには そのまま やってみるよ 暗い景色にポツンと光る 夜明け前の街角の灯り まるで地上の星みたいだね 遠いスターを目指すより 今の背丈でいいよって 私に教えてくれている? そうだね 手に届く幸せと 少しの背伸びで届く頑張りを 私は大事にしていくことにするよ 勝手な解釈でも 盛大な勘違いでも 私を応援してくれ

          《詩》アンサーソングの日々

          【詩】「お賽銭」

          硬貨がチャリンと 箱に跳ね 祈りは みんな箱の底で眠る 聞かれる祈りは 誰の願いか 誰の涙か (あかみね)

          【詩】「お賽銭」

          《詩》一歩とその先へ

          根拠なんてなくていい うまくいくなんて思わなくていい 誰かの言葉が背中を押して それでも怖かった この小さな一歩が こんなにも偉大で遠い一歩だと 思ったことがあっただろうか 「決めることは切ることだ」 旅人がそう言った 切って終わるから決めるのだと 彼はすべてを切ってきたように見えた でも本当は切れない過去や 終われない気持ちをたくさん抱えて それでも一歩 また一歩 ここまで進んできたのだろう 私は今 一歩踏み出すだろうか 今までの世界を 切るだろうか その後やめてもいい

          《詩》一歩とその先へ

          【詩】「夕暮れの癒やし」

          夕暮れ時、帰り道 知らない誰かが奏でる、ピアノの音 窓辺から流れ、風に溶け 疲れた町を、そっと癒す (あかみね)

          【詩】「夕暮れの癒やし」

          《詩》つかみとるひらめき

          見る 目の前で何かがふいに弾けて 皮膚に触れた瞬間 はっと目覚めた記憶も すぐに 霞んで消えてゆく 気づけば 忘れたことさえ 忘れている 考える 脳裏で灯る光 ふと浮かんだ気付きは 使い道の分からない道具みたいに ただ 引き出しの奥へしまい込む つかむ それは私だけの手応え 一度つかんだら もう離れない 体中に響きわたり 走り 創り出し 壊し また始める つかんだ瞬間に 世界が変わり 私も変わる 誰にも気づかれなくても その瞬間だけは 自分の中に永遠に刻まれる (にじぐ

          《詩》つかみとるひらめき

          【詩】「新しい風の朝」

          朝、窓を開けた瞬間 冷たい風が頬をなでる 新しい一日が 静かに、わたしの心に下りてくる 昨日のわたしには、手を振って 今日は、新しいわたしになる (あかみね)

          【詩】「新しい風の朝」