波に揺れ、きしむ船内。 飲み水代わりのエールを積んだ樽の影で、何か動いた。 ネズミかとも思ったが… 「あんたしゃんも、密航でちか」 「港にいた子ね。確かシャルロッテとか」 そのとき、上のほうが騒がしくなった。 「海賊どもだ、乗り込んでくるぞ!」