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「父さんといっしょにいたくて、冒険を楽しんじゃう~『海のはてまで連れてって』~」【YA㊺】

『海のはてまで連れてって』 アレックス・シアラー 作 金原 瑞人 訳 ダイヤモンド社
                          2005.10.11読了

クライヴはぼくの双子の弟。
クライヴは顔も格好もみっともなくて、ぼくより5分遅れて生まれてきたのは間違いで、ぼくが横から割り込んだのがいけなくて、本当はクライヴが兄になるはずだったと自分で信じて疑わないんだ。
 
クライヴは弟だからとんでもなくバカなことをするし、兄のぼくはいつも彼がバカなことをやらないか、心配でハラハラしてなくちゃならない。
 
そんなぼくたちの父さんは大型豪華客船のシニア・スチュワードで、こよなく海を愛していてスチュワードという仕事も大好きだ。
もちろんそんな父さんのことをぼくたちもかっこいいと思っているし尊敬もしている。
 
ただ父さんが休暇を終え仕事に出発する日は別だ。
夏休みなんか特にそう。一度でいいから父さんの働く姿を見たいし、父さんから離れたくないし、客船にも乗ってみたいと痛切に思う。
でも父さんはゼッタイに連れてってくれないし、おばあちゃんの家にいつもぼくたちを置いていく。
 
でも今回は何としてでもついていくことに決めた!
だってもう父さんが海に行くのをこれで最後にするかもしれないからだ。
最後くらいいっしょに船で過ごしたい。でもぼくたちがいっしょに行くことを許してくれないなら、そう、“密航”するしかない!
そして、確実にぼくたちはその計画を実行に移した…。


これまでも2作品紹介したアレックス・シアラーの作品です。
安定のエンターテインメント作品で、読者をぐいぐい引き込む力はやはりすごいです。
 
ただ物語の設定や展開がどことなく、以前もご紹介した『魔法があるなら』に似ています。

共通のキーワードは「冒険」、「忍び込む」、「どろぼう」、「親子の絆」でしょうか。
しっかり者の兄と、無茶を平気でやってのける愛すべき弟。
その対比もよくあるパターンだけど、でもどこかそれをおもしろがってしまう私。
そして親子愛も欠かせません。
 
ドキドキ・ハラハラの物語の進行に、でも絶対最後は大団円に収まるよねと、安心して読んでしまうのです。
期待は裏切りませんけど、ついつい読み進めてしまうのなら本嫌いの子どもたちだって読んでしまうはずです。
 
読書初心者と言えるような中高生だったら、このくらいの本から始めた方が「本っておもしろ~い」と感じてくれるかもしれません。


ここからは報告です。
また事務局から受け取りました。

『海駆ける騎士の伝説』の記事に対していただきました。
これも訪れて読んでくださり、尚且つ“スキ”を押してくださった皆様のおかげだと思っております。
本当に感謝です。ありがとうございます。
これからも拙い文章ですが、かる~く読んでくださると嬉しいです。

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