──なんという甘美だろう。深海のように茫洋とした夜空に星々が瞬いて、天はまさに二人の晴れ舞台だ。白昼の暑気をふり払う圧巻のミッドナイト・ブルーに魅せられた織姫は、追い風に羽衣を浮かべながら彼の人を想う。河岸のシルエットが揺らいだとき、幾久しい再会の蜜月の幕が開きはじめるのだ。