アルディッティのオーケストラ・プロ(8/29サントリー)。細川、マヌリの四重奏を含む作品も良かったが、今日はクセナキスが特に楽しめた。武満に捧げた「トゥオラケムス」、ヴァイオリン協奏曲風の「ドクス・オーク」、曲がりくねった異様な音のうねりに不思議な自由を感じた。ラブマン指揮都響。
アルディッティ弦楽四重奏団(8/25夜サントリー)。ファーニホウ、J.クラーク、レイノルズ、パレデス(北村朋幹ピアノ)、クセナキス。難しい手術に挑む心臓外科医のように、一瞬たりとも緊張の糸を緩めない演奏。謎と驚きに満ちた各作品を強靭な力で把握し徹底的に詰めていく。本物だけの輝き。
作曲家フィリップ・マヌリのオーケストラ・ポートレイト(8/23サントリー)。世界初演曲「プレザンス」は、不安の霧のような響きが忘れ難い。一度耳にしたら世界の風景が変わってしまうほどの音があった。8人の奏者がホールを去る最後も意味深。ブラッド・ラブマン指揮東京交響楽団も見事な演奏。
アルディッティ弦楽四重奏団(8/22サントリー)。武満「ア・ウェイ・ア・ローン」から容赦なく攻める。ピアノ北村朋幹を迎えた細川「オレクシス」は最も抒情的。音の冒険ではハーヴェイ第1番とラッヘンマン第3番「グリド」。知性と狂気、厳しさと愉悦。さすが現代音楽のレジェンドは格が違う。
第33回芥川也寸志サントリー作曲賞は向井航さんに決まりました。おめでとうございます。