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【劇評368】藤井隆、入野自由が人間の愛を問う『消失』。
ケラリーノ・サンドロヴィッチの世界に生きる藤井隆を観た。
今回、KERA CROSSで上演された『消失』(KERA作 河原雅彦演出)は、KERAの主宰するナイロン100℃公演のために、二○○四年に書かれ、一五年に再演されている。劇団員の大倉孝二、みのすけ、犬山イヌコ、三宅弘城、松永玲子に、八嶋智人が客演している。どちらも同一キャストで上演されている。KERAにとって知り尽くした劇団員の技術、
【劇評352】苛酷な現実に向かい合う演劇の想像力。『Someone Who`ll Watch Over Me〜私を見守ってくれる人〜』。
世界の現実を見つめる
ウクライナやガザ地区での紛争を受けて、苛酷な状況にいる人々を私たちは、映像や報道を通じて毎日見ている。双方の陣営に少なからぬ捕虜がいて、その救出は家族にとって、どれほど重大な問題であることか。
捕虜の今、置かれている状況は、どれほど残酷なものなのか。理念としては理解していても、私たちは、その現実から目をそらしてはいないか。
一九九二年にフランク・マクギネスによって