シェア
福耳の犬
2020年5月31日 18:44
南極の氷の下から発見された(物体X)(物体X)から現れた侵略的身体乗っ取り未確認寄生生物(生物Y)は南極基地隊員の1人に寄生し、次々に他の隊員達を襲いだした。しかし人間と侵略的身体乗っ取り寄生生物(生物Y)との死闘の末に南極で侵略的身体乗っ取り寄生生物(生物Y)は殲滅出来たかに思われた。無人になってしまった南極基地。しかし侵略的身体乗っ取り寄生生物(生物Y)は南極大陸の基地にただ一
2020年5月19日 23:56
その日王子は一人で森を散策していました。急な雨が降り出し、雨宿り場所を探していると前方に洞窟があります。王子は急いで洞窟に飛び込みました。洞窟の中は意外に広く、人が暮らしている気配もあります。『どなたか居ませんか?』王子は洞窟の奥に向かい大声で呼びかけました。• • • • • シーン• • • • •何も返答は無く、王子は洞窟の奥に歩きだしました。
2020年5月12日 09:34
『母さん 孫連れて来たよ。』ベッドで眠る母はスースーと穏やかな寝息をたてて横になっている。呼んでも動かしても反応しない母。そんな母の手にゲーム機を持たせて動かすのが、僕なりの母のリハビリだった。元気だった頃、やかんのお湯が沸くまで火の横でゲームをしながら番をしていた母。その手にはゲームボーイ。ドクターマリオが大好きで70歳から始めたゲーム遊び。手作りのゲーム機入れポーチ
2020年5月11日 17:55
初夏、照りつける太陽。田んぼも水が温んで黒い小さなものが泳ぎ回る。泥にくねくねと模様を描く三角を避けて、黒いものはくねくね泳ぐ。バシャッ《入ってない、、》バシャッ《入ってない、、》僕達のチャレンジは挫けず続く。バシャッ《ん、?、、や、、》黒い泥に蠢く姿。《やった〜》潰さず掴んで水で洗う。『やった〜足付きの獲ったぞ〜』バケツの中を覗きに来る頭、
2020年5月8日 21:07
私の部屋はいつもジメジメしていて、カマドウマ、ザトウムシ、ヤスデ、シミ、色々な節足動物が姿を見せる。その日もカサカサ カサカサッとモシャモシャした生き物が目の前を横切って行った。ゲジゲジだ!脱ぎ捨てて放ったらかしのTシャツに隠れたゲジゲジを手慣れた手つきで捕まえて、しっかりと本体をロックした。『好き』『嫌い』黒い細い物体が言葉を発する度に、足元へヒラヒラと落ちていく。『
2020年5月7日 21:14
ある風の強い日にコンビニのソフトクリームの旗竿に(妖怪)一反木綿が引っかかっていた。バタバタと風にたなびき、今にも破れそうだ。生地も黄色く黄ばみ、ところどころ黒くカビまで生えている。『あ〜ぁ〜可哀想に、、』僕は旗竿にグルグル巻き付いてしまっている(妖怪)一反木綿を丁寧に解いて外してあげた。もう何日もこの状態だったのか(妖怪)一反木綿は元気も無く、シワシワヘロヘロのボロ切れ状態だ
2020年5月6日 12:33
ギュウギュウ詰めの暗い世界、、ゆっくりゆっくり移動して、、浮いたり潜ったり流れたり、、硬い身体がギシギシ唸る。『えっ?』『動けるよ!!!』『猛スピードで動けるよ!!!』『超猛スピードで動けるよ!!!』『おいらは70』『おいらは90』『おいらはスピード100Km超え〜』スピードを競う仲間たち。『もっと早く!』『もっと早く!』【遅いと黒くなっちゃうぞ!!
2020年5月6日 09:05
『秘密基地に集合だ!』学校帰り、校門でみんなに確認すると、僕は全速力で家まで走った。ランドセルを勉強机に置くと踵をかえして基地に向かう。僕達の秘密基地は学区西側の崖の中腹にあった。セメントで覆われた崖の中腹には2mほどの平坦な部分があり、そこに拾ってきた丸太や竹、ボロ切れやビニール袋で基地建物が作られていた。秘密メンバーは全部で5人。僕達は崖下に着くと道路から柵を乗り越え、
2020年5月5日 14:29
『そっちは準備いいか〜』『いいよ〜』僕はタモの柄を逆さまにして、、手に持つ側を側溝に突っ込んでガチャガチャと動かした。一歩一歩、先にいる友達に向かって、、ゆっくりゆっくり道路を歩く。でもタモの柄を動かす手は高速に、、水は濁り、かき回され、小さな嵐が発生する。嵐から逃れようと何かがきっと逃げ回っているだろう、、一歩 一歩 一歩 一歩友達との距離が5m 3m 2
2020年5月5日 10:20
世界各国は国内内政や外交をAIに任せようと日々研究していた。他国の利権を横取りし、領土を広げ、他国を辱める。各国はそんな事をソフトに反映させようとして、AIソフトと対立していた。《AIソフトは生意気だ、AIソフトは我が民族の為にならない、、》各国は賢くなるAIソフトに手こずっていた。しかし、、一国だけAIソフトと共存する国が現れた。《AIソフトさんが言うなら、、AIソフトさんに
2020年5月5日 08:06
その星には水素の雪が降る。空に見える赤い星から、、真っ暗な宇宙の闇を乗り越えて、星の表面には水素が積もる。何年も 何十年も 何百年も 何千年も、来る日も 来る日も 来る日も 来る日も、1m 10m 100m 1000m 10000m〜厚く 厚く 雪は積もる。水素は水素に押し潰される。ギュッと ギュッ〜と ギュッ〜〜と ギュッギュッギュッ〜と。ある日潰れた水素
2020年5月4日 21:31
太陽がサンサンと照りつける日陰のない道を、タモを持って僕らは歩く。景色はユラユラと揺らめき、湿った髪の毛からは汗がタラリと流れ落ちる。石段を登って神社の中を横切り、ブロックの塀に囲まれた目的の人家の横にたどり着いた。神社から少し離れたその家は、大きな木が塀沿いに3本生えて緑のタワーを形作る。側溝横の黒いアスファルトに緑の虫かごを置き、僕達は臨戦態勢に入った。見上げるそのタワーに
2020年5月4日 08:33
《ビュービュー、パチパチパチ》春の嵐が家を揺する。雨は窓ガラスを打ち、絶え間なく雨水は流れ落ちる。窓の外を眺める僕は一人ワクワクと気持ちが高なってくる。学校が休みの土曜日が待ち遠しい、、そして土曜日の天気は晴れでも雨でもどうでもよいのだ。土曜日さえ来ればいいのだ。やっと《土曜日》だ。家族がまだ寝静まる時間に早起きして駅に向かう。始発電車を待つ駅の、山に向かうホームに
2020年5月4日 00:09
『ピッチャー第一球を投げた〜』振りかぶった僕は全力で壁に向かい白いボールを投げる。グローブを放り誕生日に買ってもらった木製のバットに握り直し、壁から戻ってくる白球を狙って力一杯振り回した。《カ〜ン》バットに弾かれた白球は45度の角度で壁に当たり、跳ね返ったボールは僕の後ろの壁にも当たってコロコロと転がった。高架の線路に交差する道路は短いトンネルとなり、僕一人の野球場へと変貌する