マガジンのカバー画像

社会派ネタの話

34
運営しているクリエイター

記事一覧

ドイツ人たちに移民・難民問題について聞いてみた

ドイツ人たちに移民・難民問題について聞いてみた

ドイツ人同僚
「私の家の近くに難民キャンプができることになったの。うちは親戚がむかしから移民・難民に対するボランティア活動をしていて、私もなにか力になれないかなって思って。だから自分の服や夫の靴を寄付するために、いま選り分けているところ。あの小さな街に難民が600人も入ってくるから、街の雰囲気は間違いなく変わるわねー。でも地元では前向きに考えている人が多いと思う」

さて、みなさんはドイツでの移民

もっとみる
バングラデシュ人が自国について語ってくれた

バングラデシュ人が自国について語ってくれた

バングラデシュではここ数ヶ月にわたって反政府デモが起こり、デモに対して警察が発砲するなどして数百人の死者が出ていることがニュースになっていた。その結果、15年の長期政権に就いていたハシナ首相がついに先日辞任して、国外へ脱出。政治的な転機を迎えた。

今回のデモのきっかけは、1971年のパキスタンからの独立戦争に参加した兵士の家族などが有していた、公務員採用の優遇枠の是非に関すること。ここではその背

もっとみる
ブレグジットの経緯を聞いて太平洋戦争に思いを馳せた

ブレグジットの経緯を聞いて太平洋戦争に思いを馳せた

今年もやってきた「この季節」。8月の上旬から中旬にかけて、日本では太平洋戦争および終戦にまつわるニュースやドキュメンタリーが増える。

僕自身は特段の政治的・民族的な主義主張はないんだけれど、太平洋戦争に関わるドキュメンタリーをときどき見るようにしている。戦争について頭だけで考えず、現実に何が起こるのかを定期的に心に沁み込ませることって必要だと思って。

で、ずっと昔にNHKのとあるドキュメンタリ

もっとみる
イタリアの農業について聞いてみた

イタリアの農業について聞いてみた

イタリアで食べるイタリア料理は、とにかくおいしい。ピザとかよりも、伝統的で地域色の豊かなイタリア料理が。

今まで旅行した各国で現地料理を食べた中では、自分にとってのダントツ一位がイタリア料理。少なくとも僕にとっては飛びぬけた料理の実力を持っている国。しかもそれぞれの地方によっても料理が全然違っていて、バラエティーが豊富。

イタリアを車で走ると、そんなイタリア料理を支える農作物をつくるための広大

もっとみる
ブレグジット賛成派のイギリス人に話を聞いてみた

ブレグジット賛成派のイギリス人に話を聞いてみた

ちょうど先日イギリスで総選挙が実施されたので、そこからの連想でブレグジットについてイギリス人から聞いた話を書いてみる。

ブレグジットは、この10年弱の間に起こった歴史的な一連の出来事。僕がドイツで生活している間に、ブレグジットが決定され、実行に向けて欧州を挙げて準備が進められ、そして現実に離脱が実行された。

これらは最初から最後まで、文字どおり「歴史」といえる大きな動きだったわけで、僕はドイツ

もっとみる
そのリアクションは想像していなかった

そのリアクションは想像していなかった


「ということで、この不正問題を起こした会社は社長が責任を取って辞任しました。不正問題は会社を揺るがす事態に発展することがありますので、注意喚起させて頂きました」

むかし僕がドイツで働いていた時に、仕事の一つとしてコンプライアンス関連を担当した時期があった。

今回の記事は、ある不正問題を起こした日本の会社に関して、当時僕が働いていた会社の全社ミーティングでプレゼンした後の余波について。その時

もっとみる
ブラジル人の人生の優先順位について聞いてみた

ブラジル人の人生の優先順位について聞いてみた

むかしドイツで働いていた時、同じ職場にブラジル人の同僚が入社してきた。僕はブラジルへ行ったことがなく、またブラジル人の友人もいなかったので、知らない国の人に興味津々。

ということでブラジル人について知りたくて、彼とお昼ご飯を一緒に食べながらブラジル人の国民性について聞いてみた。

具体的に何を聞いたかと言うと、国民性を理解するのに役立つ僕のお決まりの質問、「ブラジル人の人生の中の優先順位は?」と

もっとみる
あなたはどんな会話を好む人ですか?

あなたはどんな会話を好む人ですか?

みなさん、日常で家族や職場の人などと、いろんな話題について会話しているでしょう。

その話題というものは、無限にある話題の中から、あなた自身が自分の意思をもって選び出しているもの。

ただし。「意思を持って話題を選び出している」とは言っても、現実に話題の選び方というものは、その人の育った文化によって大きく影響を受けるもの。

では具体的に、文化からどんな影響を受けているのか?

今回はそんな話題を

もっとみる
ドイツ人と日本人の思考回路の違い

ドイツ人と日本人の思考回路の違い

日頃から僕のnoteの記事では、ドイツ人と日本人の文化の違いを切り口とした記事を書いている。この2つの国は、気候・風土や歴史・地理などが大きく違っていて、それゆえにそれぞれの国の文化が違ってくるのは当然のこと。

そして、思考回路も大きく違っている。

「思考回路が違う」と一言でいっても、果たしてどのように違うのか?

今回はそれを考えてみてみよう。

切り口はコロナへの政府の対応思考回路の違いを

もっとみる
フランス人と「権利を守る」という意識

フランス人と「権利を守る」という意識


「え”!あの借りていた機材が行方不明になったって!?」

という悪いニュースが飛び込んできたのは、ずっと前にドイツで働いていた当時のこと。

僕の働いていたドイツの会社が、ある会社から大事な機材を貸してもらった。その機材をうちのフランス支店で利用させて頂きたい、と。

こちらのお願いが受け入れられ、フランス支店で機材を利用させてもらって、無事に用件は終了。次に、その会社の指示に従って機材を返却

もっとみる
もしも世界を2つに分類するならば

もしも世界を2つに分類するならば

インド人同僚
「私の考えでは、世界は大きく2つの種類に分類できると思うんですよ」

という彼の持論を聞いたのは、ずっと昔にドイツで働いていた当時のこと。その会社の同僚たちと出張に行って、出張先でみんなで夕食を食べている席の会話だった。

話している彼は、若くてお話し好きのインド人。他にもドイツ人やらロシア人やら多国籍な同僚メンバー。どういう会話の流れだったかは思い出せないけど、そんな多国籍な同僚た

もっとみる
北欧のビールの価格を通じて、望む国について考える

北欧のビールの価格を通じて、望む国について考える


「この夏休みは家族で北欧旅行に行ったんだけどね。ビックリしたよ、レストランやバーで飲むビール一杯が、最低でも10ユーロ近く。本当に高かったな〜」

この会話をしていたのは、10年近く前のこと。当時はドイツで働いていて、お昼ご飯を同僚たちと食べながら、夏休みの旅行の話題になった。10ユーロといえば今の為替レートで1,500円程度。ビール一杯がそれくらいの価格だった。

さて、このコメントを受けて

もっとみる
ベルリンの壁が崩壊しても解決しなかった問題

ベルリンの壁が崩壊しても解決しなかった問題

ベルリンの壁が崩壊してから、先日で34年を迎えた。

当時、壁が崩壊してから数ヶ月の間に欧州の社会主義体制が次々と連鎖的に崩壊。これによって東西冷戦も終結。世界史に刻まれる大きな出来事だった。

でもいま振り返って考えると、壁は崩壊したものの、だからといって壁が建設されたそもそもの原因が解決した訳ではなかった。

「そもそもの原因」とは何か?

それは、人というものは「富の格差」に不満を持つもので

もっとみる
身近にある「国際社会」

身近にある「国際社会」

今回は、イスラエルとパレスチナの紛争のニュースを読んでいて思い出したことについて。

以前ドイツに住んでいた当時は、街の中で頻繁に「デモ」を目にした。

分かりやすいキャッチワードを書いたプラカードを掲げて、シュプレヒコールをあげながら。いろんな主張の、いろんな雰囲気の、いろんな熱量のデモを目にしてきた。

ここで興味深いのが、明らかにドイツ人ではないグループがデモを実施しているケースが多かったこ

もっとみる