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#古典がすき

古典がすきだと感じたエピソード、学習の記録、勉強法など、古典にまつわる投稿を募集します!

急上昇の記事一覧

私訳『菜根譚』⑩~蝸牛角上の争い

石火光中、爭長競短、幾何光陰。 蝸牛角上、較雌論雄、許大世界。 石火光中に、長を争い短を競う、幾何の光陰ぞ。 蝸牛角上に、雌を較べ雄を論ず、許大の世界ぞ。

令和源氏物語 宇治の恋華 第二百三十三話

 第二百三十三話 山風(十三) 「姉上、先日不思議な話をしてくれる者がありました。私の亡くしたとばかりに思っていた姫が生きているというのですよ」 「そうですか・・・。まことならば喜ばしいことですわね」 「ええ」 その張りつめた弟の表情に逡巡と躊躇いを見て取る中宮はじっと薫が自ら口を開くのを待つのでした。 その時間は短いようで中宮のように慈悲深く胆力のある女人でなければ耐えられぬもの。女人というものはたとい弟であっても殿方の自尊心を傷つけるような存在であってはならないのです

「過ぎたる」と「及ばざる」。どっちにも軍配を上げない孔子の価値基準とは―「中庸」

「中庸」の考え方がわかる、『論語』のある問答 かたらずほどよく、平凡普通でコンスタントなこと。それが「中庸(ちゅうよう)」。 いついかなるときでも、バランス感覚をもって対処できる。 それは孔子が理想とした生き方ですが、現代に生きる私たちにとっても、同じです。  孔子が『論語』で、「中庸」という言葉を述べているのは、1章句しかありません。そのうえ、そこには中庸がどういうことが述べられていないので、前回は『荀子(じゅんし)』で孔子が語っている「宥座(ゆうざ)の器」のエピソー

うつほ物語『嵯峨の院』

宮仕えをはじめた仲忠は、源正頼の息子である仲澄と仲良くなり、正頼邸に出入りするようになりました。何度も訪れるうちに、あて宮に仕える侍女と親しくなり、和歌をあて宮に渡してもらうように依頼します。 10月になり、東宮はあて宮の入内を源正頼に要請します。正頼は、妻の大宮や、長女の仁寿殿の女御(朱雀帝の女御)に、あて宮入内について相談します。大宮は、すでに東宮に入内している女君が大勢いるため、あて宮が東宮の寵愛を受けられず、つらい思いをするのではないかと心配しますが、仁寿殿の

『源氏物語』のいろいろ~源氏の君と若紫

ディベートを楽しむ女房たち 「光る君へ」第35回、中宮彰子さまの前で、女房たちが『源氏物語』の源氏の君と若紫について、あれこれ論じ合っていました。平安時代も、現代の読書会のようなことをおこなっていて、その雰囲気が伝わってきます。 『枕草子』79段には、『宇津保物語』に登場する、仲忠と涼の優劣を、中宮定子の前で女房たちが議論したと記されています。仲忠が、子どものころに母と木の洞(うつほ)で暮らしていたことを批判する人たちがいました。同210段には「仲忠の子ども時代のことを侮

『光る君へ』第35話を観て・・・※ネタバレあり

みなさん、こんにちは。 『令和源氏物語 宇治の恋華 第二百三十二話』は明日9月19日(木)に掲載させていただきます。 本日は『光る君へ』第35話の視聴感想を掲載させていただきます。 タイトルは「中宮の涙」でした。 近頃情緒を育まれた中宮が女として花開く場面ですね。  御岳詣で 道長(柄本さん)は中宮・彰子(見上愛さん)のご懐妊を祈念するために御岳詣でに出かけることにしました。 神がお住まいになる山に詣でて祈願をするという、険しい道のりを命がけで行く荒行のようなものでしょう

【漫画】『源氏物語』ってどんな話? ー 身代わりとして求められた少女・若紫 ー

『源氏物語』の女主人公とも言える紫の上。 少女の頃若紫と呼ばれた彼女は、藤壺の代わりとして連れられた、心細い立場の人でした。 源氏が若紫と出会ったのは18歳のとき。 この頃の源氏は、正妻・葵の上や六条の御息所ら恋人がいながら、義理の母・藤壺女御への叶わぬ恋に苦しんでおりました。 そうした中思いがけず発見した藤壺に似た少女・若紫に源氏は執着していきます。 10歳のときに源氏に見初められ、人生の大半を源氏と共に歩んだ若紫。 彼女の人生は源氏と出会ってどのように変化したのでしょ

オルカンを学ぶ✨ 特色③:原則として、為替ヘッジはされない →為替相場の変動による影響も受ける💱 ✅ファミリーファンド方式:運用は主に外国株式・新興国株式・日本株式インデックスマザーファンド(MSCI~)への投資を通じて、日本を含む先進国および新興国の株式等に投資を行うこと🔖

日面仏月面仏。碧巖録。馬祖禅師が病気になった時のことです。ご機嫌伺いに対する答えが是です。寿命1800歳の日面仏だろうと、一日一夜の短命の月面仏であろうと我が本仏の本来の面目においては平等のもの。衆生心と同じき仏心は病であろうと無かろうと同じき平常心のままであるという事です。

大河ドラマ「光る君へ」第35回~和泉式部と惟規の和歌考察

こんばんは、もちまるです。 今回は「光る君へ」で、和歌が2首出てきました! 和歌マニアの私にとってワクワクの回。 早速考察していきます😊 和泉式部の和歌「ものをのみ…」考察 まず見ていくのは和泉式部の和歌。 最愛の敦道親王を亡くした時に詠まれたものです。 くしけずるとは、櫛で髪の毛をとかすということです。 どれだけ親王を亡くした悲しみが深いことだったでしょう。 和泉式部の和歌は、どこか和歌が艶やかなんですよね。 何だか、ドラマティックな情景が目の前に浮かん

先週特にスキを集めた#人事の仕事の記事に選んで頂きました

中国古典の啓発記事を#人事の仕事の数ある記事の中で選んで頂けました。 本当、ありがたいことです! 選んで頂けた記事はコチラ 実践的なスキルやノウハウが好まれる傾向の中にあって、リーダーにとって必要な本質的なことを内容にした記事を選んで頂けたことが嬉しいです。 中国古典は抽象的な精神論に捉えられがちですが、全くそんなことはなくて、極めて実践的な知恵です。だからこそ2000年以上の時間を経て今なお多くの方々に読み継がれているのでしょう。 変化の大きい時代であるからこそ、考

私訳『菜根譚』⑪~水清ければ魚棲まず

地之穢者多生物, 水之清者常無魚。 故君子當存含垢納汚之量, 不可持好潔獨行之操。 地の穢れたる者は多く物を生じ、 水の清き者は常に魚無し。 故に君子は当に垢を含み汚を納るるの量を存すべく、 潔を好み独り行うの操を持すべからず。

過不足やかたよりがない。バランスがとれた生き方を目指したい―「中庸」

かたらずほどよく、平凡普通でコンスタントなこと。 それが、孔子が説く考え方の基本の1つが「中庸(ちゅうよう)」です。 平たく言えば、いついかなるときでも、バランス感覚をもって対処することが大事ということです。 思い入れが強すぎると、やりすぎてしまいがち。 慎重すぎると、タイミングを失したり、やる気がないと周りから勘違いされたり。  人から信頼されるようになるには、一目置かれるようになるには、バランス感覚を備えていることが必要です。ただ、それは状況によってかわるところがあるの

【読書】『能の本』

 2024年9月、シテ方宝生流の能楽師、辰巳満次郎さんが監修した『能の本』を読みました(と言いつつ、4分の3くらい読んだところです。)  記録を残したいと思います。 ■本の概要・文  :村上ナッツ ・マンガ:つだゆみ ・監修 :辰巳満次郎(シテ方宝生流能楽師) ・発行日:2016年11月25日初版第一刷発行 ・発行所:西日本出版社 ■メモと感想(1)メモ  本の帯などから、本書の構成・特徴として、以下のような点が読み取れます。 能の入口として、「厳選20曲」 詞章が

「科挙」~死人が出る受験地獄

科挙の歴史科挙は、隋代に始まった官吏登用試験である。 その前の魏晋南北朝時代では、人物を9ランクに評価して各地方から中央に推挙する「九品官人法」が行われていた。しかし、これは主観的で情実が入りやすい選抜法であったため、門閥貴族によって上級官職が独占され世襲されるという結果を招いた。 隋の文帝に至って、中央集権的な官僚体制を打ち立てる必要から科挙の制度が実施された。 科挙は、「秀才」「明経」「明法」「明算」「明書」「進士」の6科に分けて試験が行われた。なかでも経書の学識

即心是仏。伝心法要。この心とは仏心のことです。感情のままに浮き沈みする喜怒哀楽のことではありません。仏心とは慈悲心や不動心のことです。心には善悪両方あるのです。心のままに生きるのは極めて危険です。人心危うく道心微かなりです。善を勧め悪を懲らす勇猛心こそ本物の仏心だと思うのです。

古典が苦手だった私が楽しめた、おすすめの本:『物語』編

学生の頃、私は古典が苦手だった。でもいつの間にか、国語便覧に大きく掲載されている有名作をほぼ読破した。私にとって、読みやすくて親しみのある古典本(電子書籍版)を紹介。 おすすめの古典は全部で15作品。文字数と熱量が多くなったため、4回に分けて投稿する予定。 第3回目の今日は、『物語』編。タイトルに『物語』がついた作品を紹介。 第1回 第2回 🍁伊勢物語伊勢物語とは? 主人公の在原業平が様々な恋愛と旅をして、自分の生き方や人との関わり合いを見つめていく物語。恋愛がメ

THE男の涙!決断! 陸魯望「離別」。

またまた「中国古典名言辞典」より。 只今、「古文真宝」のところ。 「泣くな!男だろ!」 って言葉よくあるねー。 歌とか多そう。調べたら面白い。 昔ほどその傾向が強そうな。 今なら、 時代錯誤的? そんな価値観の中で 生きてきたから、 もう泣き方分らんくなったな笑 あと「決断」ね。 ズバッ!とね。 難しいね。 ちな「決断」の語源は、 昔の中国での洪水対策で、堤防を壊し、 どこかの村を犠牲にさせることを決めたことかららしい。 サクリファイス。 やっぱ、 何かを得るには

歳時記を旅する54〔西鶴忌〕中*灯火親し句集に栞る葉書かな

 佐野  聰 (平成三年四年作、『春日』) 一六七五年、西鶴は三十四歳で、結婚して十年近くともに生活をしてきた九歳年下の妻を疱瘡(天然痘)で亡くす。  この年に「脈のあがる手を合してよほととぎす」から始まる千句近い俳諧を詠んで、大坂俳壇の俳諧師の追善句も加えた『独吟一日千句』を刊行し、妻に手向けた。 句は、読み続けた句集に手を止めたところ。栞にする葉書もまた読み返したくなる。涼しく、長くなった秋の夜。 (岡田 耕) (俳句雑誌『風友』令和六年九月号「風の軌跡

陰徳。善を為し人の知るを求めざるを陰徳と言う。陰隲録。人は陰徳を行えば天は必ずそれを見ていて福を降ろし、悪事をすれば凶報があるという思想で中国の明の時代の袁了凡が唱え、日本の中江藤樹、広瀬淡窓、も影響を受け、安岡正篤の著作もあります。人のやる事は全て天がお見通しなのです。

『光る君へ』第34話を観て・・・※ネタバレあり

みなさん、こんにちは。 『令和源氏物語 宇治の恋華』第二百二十八話は、明日掲載させていただきます。 本日は『光る君へ』第34話を視聴した感想を掲載させていただきます。 タイトルは「目覚め」でしたね。 「彰子目覚める」でしょうか、「紫式部覚醒」でしょうか? それとも両方???  定澄の強訴 なんともふてぶてしい興福寺別当・定澄(赤星昇一郎さん)でしたね~。 まさに適役でございます。 それにしても藤原氏の氏寺である興福寺が幅を利かせていたというのが今回よくわかった回でした。

中国古典インターネット講義【第21回】通俗小説③~『紅楼夢』と『儒林外史』

曹雪芹と『紅楼夢』清代の長編小説『紅楼夢』は、絢爛豪華な貴族の家庭を舞台に繰り広げられる貴公子と少女たちの情愛物語です。 作者は曹霑、号は雪芹、清朝の乾隆年間の人です。南京屈指の名家に生まれ、豪奢な環境の中で少年時代を送りました。 祖父曹寅は官僚として康熙帝の信任篤く、帝は南巡の際、四度その家を行在所としました。 ところが、のち帝位継承に伴う紛争の余波を受けて、雍正帝の時代になると、家産を没収され、北京郊外に移住し、貧窮の生活を送りました。 晩年の約十年間、小説『

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平安時代に浸る日々

こんにちは、なつめです。 わたしには毎週欠かさず観ているドラマがあります。 それは大河ドラマ『光る君へ』です。 主人公は『源氏物語』を書いた紫式部。 書くことが好きなわたしにとって、書くことに長けた彼女の物語というのは非常に興味がありました。 そして、ドラマを観ているうちに、平安時代という時代背景にも興味を持ちました。 今回のnoteでは、平安時代について楽しく学べるコンテンツをご紹介します。 ◼️ぬり絵『はじめての源氏物語 ぬりえBOOK』 最近の放送でようやく

私訳『菜根譚』⑨~相手のレベルに合わせて

攻人之惡,毋太嚴,要思其堪受。 教人以善,毋過高,當使其可從。 人の悪を攻むるには、太だしくは厳なること毋かれ、 要ず其の受くるに堪うることを思うべし。 人に教うるに善を以てするには、高きに過ぐること毋かれ、 当に其れをして従うべからしむべし。

日本の古典に興味がある人「のみ」、読んでほしい記事まとめ

私は古典が大好き。怪しい自己啓発やスピリチュアルにハマる前に出会いたかった。 これまで私が書いて、人にもっと読んでもらいたい記事リンクをまとめた。古典は親しみと学びがある作品だって伝えたい(微力だけど)。 今日の記事は、そんな私の下心しかないです。 読む人の時間を無駄にしないために、古典に興味がある人のみ読み進めてほしいです。 🔶🔶 古典苦手な人におすすめしたい古典が苦手だった私が、自信を持って古典初心者さんにおすすめできる15作品。 それぞれの記事のアイキャッチ

賈宝玉と林黛玉~『紅楼夢』の貴公子と悲劇のヒロイン

清代の長編小説『紅楼夢』は、絢爛豪華な貴族の家庭を舞台に繰り広げられる貴公子と少女たちの情愛物語です。 『紅楼夢』については、先日記事をアップしました。↓↓↓ 今回は、主人公である貴公子賈宝玉と悲劇のヒロインである美少女林黛玉について少し詳しく触れたいと思います。 賈宝玉賈宝玉は、大貴族賈家の次男として生まれます。通霊宝玉を口に含んで生まれたため「宝玉」と名付けられました。 賈宝玉は、祖母史太君に溺愛されて育ちます。繊細で優しい顔立ちの美少年で、『紅楼夢』の物語ではま

伊勢物語を原文でさらに読み進めた(3)

伊勢物語、二四 梓弓」まで来たよ。 ふむふむ、案外、読めるなあ。 男と女の、互いの思う心の入れ違い。どちらへも同情してしまう。 片田舎から仕事で京へ行って三年留守にしてた間に、女は別の男に求婚されて、なんとなくオッケーしてしまったんだねえ。あることよね。 そこへ男が帰ってきたんよね。男は、辛かったけど、女のことを思って、あきらめたんよね。最後に一言、さよなら、幸せにね、と言って立ち去ったんよね。 そしたら、女は、男への今までたまってた思いがあふれて出してきて、男を追いかけ

【要約③】「世界エネルギー展望 2023」概要と主な調査結果について💚:World Energy Outlook 2023 No.17【最終回】

エネルギー業界は、私たちの日常生活に 欠かせない電気やガソリンなどの エネルギーを供給する産業です🌟 この産業は、石油や天然ガス、再生可能 エネルギーなど多様なエネルギー源を利用し 発電所やガソリンスタンドなどで エネルギーを生産・供給しています。 さまざまな技術革新や環境配慮の動きが あり、今後も変化が続く業界と言えますね👀 私も新たに始まる今後のキャリアにおいて エネルギー業界でグローバルに活躍できる人間を 志していきたいと考えていますので、このような アウトプット

『孫子の兵法』に学ぶnote戦略⑮(最終回)

いつも私の記事をご覧くださり、誠にありがとうございます。 久々に、『孫子の兵法』のポイント解説に戻ってまいりました……! 実は、孫子の本編解説は終わっており、残すところは、note戦略編とX戦略線がそれぞれあと僅かなのです……🌸 今回は、『孫子の兵法』をnote戦略に生かしたらどうなるか?のオリジナル記事第15弾となります🌟 これにて、note戦略編は完結!! わーい!! 長かったですが、無事に完成出来て良かったです😭🌟 皆様におかれましては、大変長期に渡り、ゆ

¥100

令和源氏物語 宇治の恋華 第二百三十一話

 第二百三十一話 山風(十一) 何とも重い荷を引き受けたものである、と小宰相は深い溜息をつきましたが、姫君が生きておられることを知れば薫君を自責の念から解放できるに違いないと己を叱咤するのです。 しかしながら訳知り顔で遠慮なく君の心に踏み込むことは憚られるので、あくまで慎重に切り出さねば、と気を張っております。 ほどなくして薫がやはり来られたのを複雑な面持ちで迎える小宰相の君なのでした。 「小宰相、久しぶりだね。こんな趣深い宵にはあなたと話がしたくなるよ」 「薫さま、そう

【読書記録】方丈記 現代語訳付き/鴨長明(角川ソフィア文庫)

本のこと感想下鴨神社の次男という名家で生まれた鴨長明ですが、出世争いに負け、大災害や人災を5回も経験し、その後に和歌で評価されて後鳥羽院から見いだされるも、また出世争いに敗北。そこから隠居生活を送ります。 方丈記は主に、出家前と出家後の2部構成になっています。 前半の災害や人の描写はあまりにリアルで驚かされます。 スマホもなかった当時に、どうやってそんな詳しくリサーチしたのかなと思うほどです。 また後半パートは、「隠居生活めちゃくちゃ良いよ!」パートです。 災害を経

令和源氏物語 宇治の恋華 第二百三十二話

 第二百三十二話 山風(十二) 中宮が宇治の山里に妖しの者があるというお話を持ち出されたのはこういうことであったかよ、と薫は動悸を抑えられません。 先刻はっきりと仰らなかったのはある程度の事情を察していられたからであろう。 きっと浮舟と匂宮のこともご存知で気まずく思召されたに違いない。 薫は浮舟の為にも世に漏れ出るべきではない秘事を今でも苦々しく、尊敬する姉上に知られたのも居心地の悪い気がするのです。 浮舟が生きていたことを嬉しく感じていたものが、もしや匂宮も姫の生存を知

有文舎だより#0 「有文舎だより」を発行しました

有文舎とは…有松遼一エッセイ#0 "0のはじまり、1のはじまり" 有文舎から通信を出すことになった。  あるジャズピアニストの方と知り合ったとき、一色刷りの、公演予定がダダダッと書いてあるDMを頂いて、静かな強い衝撃を食らった。手書きで、勢いがあって、思わず各々の手帳を開かせる力があった。  いいな、真似しよう、と思った。せっかくなら有文舎のブランドコンセプトに沿って、デザインや、内容にもこだわって作ってみよう。  そう思っているうち、やがて月日は流れ、いよいよ億劫

花虹源氏覚書~第二帖帚木(四)

昔々その昔、帝の御子に光る君と呼ばれるお方がおられました。 源の姓を賜り臣下となられましたが、三人のお子様は、お一人は帝に お一人は皇后に お一人は人臣の位を極められたそうな。 そのお血筋の末の末、千年を経た世のとある姫さまに教育係の女房が語る光源氏の君の物語 帚木(その一)はこちら 帚木その四むかしがたりをいたしましょう 降り続いた雨が上がり、宿直の夜も明けました 帝の御物忌を口実に内裏に居続けた光る君も、さすがに左大臣に憚って退出し、三条の大殿を訪れました 光る君

古典が苦手だった私が楽しめた、おすすめの本:『日記』編

学生の頃、私は古典が苦手だった。でもいつの間にか、国語便覧に大きく掲載されている有名作をほぼ読破した。私にとって、読みやすくて親しみのある古典本(電子書籍版)を紹介。 おすすめの古典は全部で15作品。文字数と熱量が多くなったため、4回に分けて投稿。 ラストとなる第4回目は、『日記編』。タイトルに『日記』がつく作品と、おまけで『大鏡』も紹介。 第1回 第2回 第3回 ❄蜻蛉日記 藤原道綱母蜻蛉日記とは? セレブ妻の暴露本。藤原道綱母が、夫との「すれ違い結婚生活」が

第二種販売:保安管理技術💚 ✅LPガス燃焼器は、災害を予防する見地から、製造する段階から各方面の法規等による規制があり、様々な企画や基準が整備されている📝 ✅てんぷら油火災防止機能は、油温が自然発火する温度約370℃に達する前の約250℃に上昇すると自動的にガスの通路を閉じる👍

仕事ができる人はどんな難問・要求にも「ノー」とは言わない―『論語』

無茶ぶりの要求がきたらどう対応するのか  教科書、マニュアル、ビジネスのテキストには、正解や解決法がわかりやすく示されていて、そのアドバイス、指示通りにやれば、スムーズにいくことが多いです。  ChatGPTは未体験ですが、対話型の解決ツールなら、知りたいことや政界の近くにまで導いてくれます。公開されている情報や知識には、それなりの検索スキルがあれば、かなりの精度でアクセスできるといっていいかもしれません。  しかし、世の中の事象をみてみると、予測不能のこともあれば、対応

古典が苦手だった私が楽しめた、おすすめの本:古事記と和歌編

学生の頃、私は古典が苦手だった。でもいつの間にか、国語便覧に大きく掲載されている有名作をほぼ読破した。私にとって、読みやすくて親しみのある古典本(電子書籍版)を紹介。 おすすめの古典は全部で15作品。文字数と熱量が多くなったため、4回に分けて投稿する予定。 第2回目の今日は、和歌と古事記編。昨日は、「日本三大随筆編」を書いた。 🌻万葉集万葉集とは? 奈良時代の様々な人々が歌った和歌を集めた日本最古の歌集。貴族から庶民までが詠んでいる。SNSの「つぶやき」が集まった感じ

古典が苦手だった私が楽しめた、おすすめの本:日本三大随筆編

学生の頃、私は古典が苦手だった。でもいつの間にか、国語便覧に大きく掲載されている有名作をほぼ読破した。私にとって、読みやすくて親しみのある古典本(電子書籍版)を紹介。 おすすめの古典は全部で15作品。文字数と熱量が多くなったため、4回に分けて投稿する予定。 第1回目の今日は、日本三大随筆編。 🌸枕草子 清少納言枕草子とは? 平安時代の宮廷生活、四季折々の風景や日常を綴ったエッセイ。清少納言の優れた洞察力には、「あるある」と思わず頷きたくなる。 『本日もいとをかし!!

朝聞夕死...朝に人としての真実の道を聞いて悟ることができれば…

子曰(のたま)わく、朝(あした)に道を聞けば、夕(ゆうべ)に死すとも可なり。(里仁第四、仮名論語四一頁) 先師(孔子)が言われた。 「朝に人としての真実の道を聞いて悟ることができれば、夕方に死んでも悔いはない」 コロナ禍の昨年一月、一処不住の禅僧が亡くなった。 村上光照老師、八十七歳であった。 戦争で父を亡くしたが、 名古屋大学理学部へ進み理論物理学の道を択んだ。 その後、京都大学大学院の ノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士の下で 素粒子論を学んだ。 在学中に名僧澤木興道

出会いがあれば別れもある。これは仕方ない事。別れる相手がますます幸せになるためなら笑顔で。病気などだと悲しい。また元気になって戻ってきてほしい。 歳を重ねると別れることが多くなってきた気がする。 一合一会の心で

再生

【YouTube】動画公開しました!

今回のテーマは、「人に振り回されるストレスからぬけるには?」です! 人間関係って、付き合う人を選べる環境ばかりではありません。 時には、振り回されることもあるでしょう。 そんな時に寄り添ってくれる言葉を紹介しました。

【歌舞伎】夏祭浪花鑑

 2024年9月7日(土)、新国立劇場・中劇場で、歌舞伎の『夏祭浪花鑑』を鑑賞しました。記録を残します。 ■本作について 自分の文章で書いてみようかと思ったのですが、そこは感想の部分に回して、国立劇場のプログラムから引用させて頂きました。 ■感想(1)全体を通して  私は『夏祭浪花鑑』を文楽で観たことはあったのですが、歌舞伎で観たのは今回初めてでした。  感想を結論からいうと、本作には、(後述しますが)舅を殺す場面など生々しい場面もあり、人間が演じることにより、実感とし

道不属知、不属不知。無門関。道とは如何なるものかについて南禅禅師の言葉です。知っているか知らないかという二項対立では道に生きることはできません。知性と知識では通用しないのです。結局、平常心是道で即ち、知を超越しているのです。何も知らないのでもなく知っているのでもないのです。

日本画「邂逅」(竹取物語)制作過程

大きめの日本画をひとつ描きました。 京都芸術大学(通信)日本画コースの卒業制作イヤーの課題です。100号目安の卒業制作に向け、年度前半のうちに40号の自由制作に臨むことになっています。 期間や時間、手間をかけた作品なので、制作プロセスを振り返っておこうと思います。 題材選定当初、「自由」という枠組みのなさに困惑しました。「描けるもの」「描きやすいもの」で無難に描き上げる選択肢もありましたが、結局、わざわざ己の人生の時間を費やすのだから、心底「描きたいもの」を選ぼうと腹を

うつほ物語『俊蔭』あらすじ3

俊蔭の死後、俊蔭の娘は財産もなく、亡くなった乳母に仕えていた従者だけが娘の世話をしていました。屋敷は誰も住んでいないと思われて寝殿を残して壊され、雑草が野原のように屋敷を埋めました。俊蔭の娘は一人で歌を詠みます。 8月のある日、太政大臣の一行が賀茂神社に参詣する途中、太政大臣の若小君(藤原兼雅)は、荒れた屋敷の中にいる俊蔭の娘を見ました。参詣の帰り道、若小君は俊蔭の娘と契りを交わします。 若小君の父の太政大臣は、若小君をこの上なく可愛がっており、若小君がいなくな

現代に通じる「明清小品集」⑮~徒党を組みたがる人たち

絕好看的,戲場姉妹們變臉。 最可咲的,世事朋友家結盟。 こよなく綺麗なのは、芝居小屋の女役者が見違えるばかりに化粧した顔。 もっとも馬鹿馬鹿しく笑止千万なのは、世間の男連中が結びたがる徒党。 ――明・呉從先『小窓自記』 【現代社会】 「派閥解体」の欺瞞 職場で徒党を組む人たち

日本の古典文学がおもしろい。ということに気づいた。

本を読みたくてもその時間がない。というのは忙しい現代人の共通の悩みかもしれません。 *通勤時間に本を読む → 車通勤なので無理 *昼休みに読む → 職場では落ち着かないので無理 *朝早起きして読む → 起きれないから無理 *寝る前に読む → 興奮して寝れなくなるから無理 休日は休日で何かと忙しい。 うーむ、読めない理由しか浮かんできません。 オマケに自分は遅読なもので、長編小説に手を出すと相当な時間がかかってしまいます。 ですので明らかに分厚い本や、上下巻に分かれている

【読書】10分でおもしろい源氏物語

 2024年9月2日(月)、『10分でおもしろい源氏物語』を読了しました。記録を残します。 ■はじめに 本書は、世界文化社から、2023年12月15日に発行された本です。著者は時海結以さん、監修は山本淳子さんです。  源氏物語54帖が、6つの章に分けられ、それぞれの章が10分程度で読めるぐらいに要約されています。いわゆる入門書で、本の帯にも「小学校高学年からの古典入門」と記載されています。  2024年は『源氏物語』の年と思い、私も荻原規子さんの現代語訳を手にとっていまし

【読書記録】100分de名著 徒然草

本のこと感想先の読めない世の中。 何かと生きにくい時代になりました。 すぐに他人と比べてしまう今の世の中で大切なのは、いかに「一人になるか」じゃないかと私は思います。 一人になりたくてもなれない。 どこにいても情報は飛び込んできて、知りたくもない噂や悪口、自慢が降り掛かってきます。 意識的に一人の時間を作り出し、何かに没頭し、自分にとって大切なのものを見定める。 それができれば、少し世界は生きやすくなると思います。 人と比べず、驕ることも卑下することもなく、ただ自分が美しいと