今こそ彼にいてほしい~中村勘三郎丈の十三回忌に寄せて~
「この方がいま生きていたら」と思う方が数人います。溢れるばかりの才能で、他の誰にも真似できないものを作り出し、風のように去ってしまった方々。同時代の天才たる彼らがいまこの世にいたとしたら、どんなものを生み出したことだろう。その中の筆頭格と言える十八世中村勘三郎丈の、今年ははや十三回忌。いつの間にかそんな月日が流れたのですね。
私が歌舞伎にハマって足繁く通っていた頃は、彼はちょうど脂の乗り切った全盛期。幸いなことに、いろいろなお役を拝見することができました。
舞台に登場