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---✂︎カセットboy ✂︎---
2022年5月25日 15:49
「サバイバー」チャック・パラニューク (著)まずは出版社の紹介文。上空で燃料が底をつき、エンジンが一基ずつ停止を始めた航空機のコクピット。ただ独り残ったハイジャック犯である僕は、ブラックボックスに自身の半生を物語る。カルト教団で過ごした過去。外の世界での奉仕活動。とある電話を通じて狂い始める日常。集団自殺で崩壊した教団の生き残りとしてメディアから持て囃される狂騒。それら全てが最悪の方向へ転んでし
2022年5月28日 11:39
「嘘の木」フランシス・ハーディング (著)児童文学、ファンタジー小説ということで躊躇してたが、帯の推薦文の宮部みゆき氏の文に惹かれて購入。「児童文学の枠に収まりきらない傑作であって、個人的には今年のベスト1だった。終盤の母娘の会話に、私は涙してしまいました。宮部みゆき(2017年11月26日読売新聞書評欄より)」内容としては、19世紀末のイギリスを舞台とした少女の成長物語だ。司祭
2022年5月31日 08:46
「気狂いピエロ」ライオネル・ホワイト (著)まずは出版社の紹介文。ノワール文学史上もっとも美しい〝運命の女〟への妄執――。ゴダール名作映画の原作となった犯罪ノワール。本邦初訳!ニューヨーク郊外に暮らす38歳のシナリオライター、コンラッド。妻との仲は冷え切り、職も失い、鬱々とした生活を送っていた。ある夜、ベビーシッターの若い娘アリーを自宅へ送ったところ酔った勢いで一夜を共にしてしまい、目覚め
2022年5月18日 10:00
蟻の棲み家 望月 諒子 (著)書店の平積みから選んで購入。相変わらず、帯の「煽り」が凄い(苦笑)新潮文庫だから信用して買ったけど、他の出版元であれば、この帯を見ただけで、買うのをやめただろう。で、読み始めたのだが、いいっ!文章が重厚かつ硬派。ミステリーではなく、文学作品の趣があり、50頁ほど読んだだけで、次の作品が読みたくなってamazonに注文したくらいだ。根底にあるのは貧困
2022年5月14日 09:01
「プエルトリコ行き477便」ジュリー・クラーク (著)いやぁ、面白かった!これぞ読書の愉悦!!DV夫から逃げるセレブ妻、麻薬カルテルから逃げる女性。ジョンFケネディ空港で、この二人が入れ替わる。うまく逃れられると思っていたのだが、歯車が狂いだし……「巻き込まれ型小説」とも言えるし、ノンストップサスペンスとも言えるし、#metoo運動に象徴される女性の権利、自立の物語でもある。ハ
2022年5月15日 15:00
自由研究には向かない殺人ホリー・ジャクソン (著)これもamazonや読書メーターなどで超高評価の作品。イギリスの小さな町に住む女子高生が、夏休みの自由研究の課題として、5年前に町で起こった殺人事件の『再調査』をするという内容。600頁近い作品だけど、1日で読み終えた。それだけ、読みやすく、内容も面白いということ。先日、今の小説作品はAIでも書けるのではと指摘したし、いろんな作品を
2022年5月12日 07:00
「誰かがこの町で」佐野広実(著)音楽(楽曲)は、11しかない音階(半音含め)の組み合わせ(プラスリズムパターン)なので、大概の曲は「いつかどこかで聞いた」ような曲になるのは仕方ない。今のポピュラーミュージックは、それまで3コードを中心に組み立てられていたアメリカのロックンロールやブルースをビートルズによって、マイナーコードや多様なコード進行を用い、確率されたものの延長といって過言で
2022年5月3日 07:04
「黒き荒野の果て」S・A コスビー (著)2021年アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞、3冠!の惹句にひかれ購入。いやぁ〜久しぶりに面白い本を読んだ!!内容はクライムノヴェル(犯罪小説)で、この小説を表現するキーワードとしては、カーチェイス、強盗、ギャング(マフィア)、米の黒人問題、家族などあるだろうが、根底にあるのは「父性」ということ。犯罪者を父にもつ主人公。自らも
2022年5月8日 18:52
他の書評(や感想文)では見かけない程に評価が高い本。「プロジェクト・ヘイル・メアリー」アンディ・ウィアー (著)SFということ、上下巻でかなり長いこと、価格が高いこと等から避けていたのだが、思い切って購入。そして上巻を読み終えた。う〜む…..物理や科学のことはあまり知らなくとも、読み進めることは出来る。思ったほど、難しく(ややこしく)もない。けれど、いまいち、物語世界に没入出