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脳に楽をさせてはいけない? 小さな幸せに気づき自己肯定感を上げる工夫(フォー・グッド・シングス)

「なるほど、脳は楽のし過ぎで、放っておくと『気づかなくなる』…。意図的に気づく工夫が必要ということか。」

最近、いろんな本を読んでいると人間の脳について何度も目にするフレーズがあります。「脳はなるべくエネルギーを消費しないように楽をする」そして「人間は変化を嫌う」ということ。

こうした傾向を踏まえて、改めて我々の脳はどんな特性を持っているのか、それを理解した上で、日々を自己肯定感高く幸せに生きていくための工夫について考えます。

脳は楽をしたがる

我々は1日に約2,000kcalのエネルギーを消費します。 このうち脳が消費されるのは約2割の400kcal。脳は器官としては非常に小さな器官ですが、非常に大きなカロリーを消費していることがわかりますね。

そんな膨大なエネルギーを消費する脳ですが、それだけ膨大な情報を処理しているということです。その情報ソースの入り口になるのが五感です。触覚、味覚、聴覚、視覚、嗅覚の五感は、外からくる情報を自分の中で処理するためのセンサーということですね。

これら五感を通して得た情報を、脳は処理していくのですが、その際に「学習してパターン化」しようと働きます。

例えば、道路を走る車を見て、「これは何だ?」と思わないですよね。過去に何度も車という乗り物を見て学習しているので、例えばヘッドランプの一部を見ても「これは車だ」と理解できます。過去知り得た情報をパターン化し、その経験から、少ない情報で足りない情報を補完していく。脳って賢い器官ですよね。

同じ情報に何度も触れることで、完全に自動的に処理していくようになっていく。結果、脳をそれほど使わなくても情報を処理できるようになる=楽をしていくということ。それを我々は「習慣」と言ったりしますね。

習慣化とは「脳をそれほど使わずに行うこと」とも言えるということです。習慣化ってとてもポジティブな印象を持っていませんか?私もそう思ってます。でも、その裏には省エネが故に「脳を使っていない」という側面があることも分かっておいた方が良さそうです。

楽をすると「なぜ?」が消える

脳が楽をしたがっている、ということを理解しやすい事例として「なぜ?」という問いが挙げられます。

例えば子供を見ていると、知らないことばかりで、親になぜなぜ攻撃を毎日繰り返しますよね。「なぜやっちゃいけないの?」「どーしてそうなるの?」。こうした疑問が次々溢れてきます。

一方で大人になるとどうなるでしょうか?この「なぜ?」という問いがなくなっていきます。車が走っているのを見ても「どうして車は高速で走れるの?」「なぜ車は左側を走るの?」こうした素朴な疑問を考えなくなります。

それは過去に学んだり、経験したことをパターン化し、それらの情報を自動的に処理し、無意識下で「わかった」こととして処理してしまいます。

頭の中で理解していない情報までも「知っている」「当たり前」に変わってしまい、脳がエネルギーをかけて「問う」ことを回避してしまうのです。しかも自動的に。

つまり我々は経験が増えれば増えるほど自動的に「知った気」になってしまうということ。これって結構怖いことだと思いませんか?

ホメオスタシスが「気づき」を遠ざける

人はそもそも変化をすごく嫌う生き物です。これは人間に限らず生物は基本的に変化を嫌います。なぜなら変化はストレスでありリスクだからです。

そして、我々の脳は楽をしたがりますので、もちろん「変化」をすごく嫌うことになります。この傾向を説明するのが人間に備わっているホメオスタシスという特性。「恒常性維持機能」とも言います。ある変化がある時に元通りに戻ろうとする働きのこと。

例えば「今日から毎朝ランニングをしよう」と新習慣にチャレンジする時、これまでやって来なかった行動なので、それを排除しようと脳が働きます。布団に入ってぬくぬくしている方が楽なのです。

こうしたコンフォートゾーンとも言われる「楽なところに居続けようとする」傾向が我々の本能として備わっているということです。

そして思考にも同じことが言えます。脳は「変化を嫌う」ということは「変化に気づこうとしない」とも言えます。これは実は自己肯定感を高める上でマイナスに影響する可能性があります。

スリー・グッド・シングス

日々を自己肯定感高く生きていく上で有効な手法に「スリー・グッド・シングス」という手法があります。これはアメリカの心理学者のマーティン・セリグマン教授が提唱している手法。セリグマン教授はポジティブ心理学という分野を創った世界的権威と言われる方です。

スリーグッドシングスのやり方は極めてシンプルです。

「今日あった良いこと3つ書き出す」これだけです。

一日の終わりに、今日あった嬉しかったこと、感謝したこと、幸運に思ったことなど、とにかく「good」なことを3つ書き出します。内容はどんな小さな事でも良いです。

•ランチで行った店が美味しかった。
•苦手な人と会話できた。
•好きなお菓子を店頭で見つけた。
•本を読む時間を持てた。
•計画していた勉強が進んだ。
•面白そうな映画を教えてもらった。
•掃除洗濯がちゃんとできた。

などなど、些細なことで良いです。毎日コツコツ書き溜めていく事で自己肯定感が高まっていきます。

変化に気づきにくい脳を持っている我々は、意図的に意識して「良い変化」に気づいてあげることが大切ですね。

進化版「フォー・グッド・シングス」とは

スリー・グッド・シングスをさらに進化させた「フォー・グッド・シングス」という手法もあります。オックスフォード大学のエレーヌ・フォックス博士が考案した手法です。

この手法のポイントは「日常の小さな幸福」に目を向けていくということ。「ん?それってスリー・グッド・シングスと同じでは?」と思いそうですが、その違いがポジティブな出来事だけでなくネガティブの出来事にも目を向けるということです。

やり方は次の手順で行います。

1、その日あったネガティブな出来事を一つだけ日記に書く。
2、その日あったポジティブな出来事を4つ日記に書く。

つまり、ネガとポジを1:4のバランスで書き出していくということです。

あえて1つネガなことを書くことで良い事がより引き立って来ます。さながらスイカにかける塩のようなもの。甘さがより引き立つようになります。そうやって、変化に気づかない脳に、より鮮明に変化を認識させる手法ということですね。

まとめ

脳は変化が嫌いなので「変化に気づきにくい」ものです。毎日生活をしていると目の前の日常は「代わり映えのしない毎日…」に見えるかもしれません。しかしそれは、脳が省エネモードに入っていて、気づこうとしていないだけかもしれません。

そんな生活に、良いところを目を向け、自己肯定感や幸福感を意図的に感じる手法がスリー・グッド・シングスです。さらに、その小さな変化に大きな意味を見出す手法としてフォー・グッド・シングスは有効な手法だと感じます。

毎日当たり前のように暮らしている「家」も、地震や台風が来ると、「雨風がしのげる家があってよかった」とその有難みを感じます。健康もそうですね。不健康になってから健康の有難みを感じたりします。

つまり我々は落差がある時に、その「幅」で物事を評価します。

日々の小さな幸せも、放っておくと脳は拾おうとしません。そこを「有り難い」と感じて丁寧に拾っていくことが、日々を幸せに生きる工夫なのではないかと思います。

「今日はこんな嫌なことがあったけど、4つも良い事があった。だから私は今日も幸せだ」

そう思えると、毎日を楽しくHappyに過ごせるのかなと思います。

スイカをおいしく演出する塩のように、嫌な出来事も人生という長い目で見ると味わい深くさせるちょっとしたスパイスです。

ネガティブなことにも目を向け、その日の良かったことの「良さ」をより際立たせて日々を充実した毎日にしていけると良いですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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