幸福の4つの因子とは? 自分で自分を幸福に導く工夫
「なるほど、幸せになる要素は4つの事を心掛けると良いのか」
幸福学研究の研究者である慶應義塾大学大学院の前野隆司教授は幸福につながる因子を分析されています。
この「幸せの因子」を日々意識して行動を変えることで自分を幸福な自分に導くことができます。
その因子を整理してみます。
幸福にまつわるファクト
幸福の因子の前に、まず国内外の幸福に関する研究から導き出されたファクトを見てみましょう。
•GDPが増えても日本人は幸せになっていない。
•収入の高さに伴い人生の満足度は向上する一方で感情の幸福度は一定の収入額で頭打ちになる。
•自由時間が短いほど幸福を感じやすい。
•所得などの地位財による幸福は長続きしない。一方で健康などの非地位財による幸福は長続きする。
•幸福との相関が高いと言われているのは「健康」「信仰」「結婚」。
お金があれば幸せ、社会的地位があれば幸せ、というかつての価値観は今や様変わりしています。健康や愛情や自由がもたらす幸せを多くの人が望むようになっています。これはコロナの影響も少なからずあるでしょう。
ちょっと意外なのは自由時間と幸福度の関係。自由時間が短いほど幸福というのは少しピンと来ませんが、これは相対的な時間の価値が関係しているのかもしれません。毎日忙しく自由な時間がなかなか取れない人ほど、その貴重な自由時間を有意義に過ごそうと考えます。その方が時間の価値が上がるのかもしれません。
また、非地位財による幸福が長続きするということを考えると、「誰かの目を意識した欲求」からなるべく距離を置く事が大切ということです。誰かと比較して感じるものではなく、自分のモノサシで測れるモノに価値を感じるのが良いのかも知れません。
幸せの4つの因子
前野教授は心的特性に関する1500人規模の調査を行い、因子分析をされてます。その結果から4つの因子を体系化されています。
1.自己実現と成長
夢や目標、やりがいを持って、それらを実現しようと成長していくということ。自己実現の目標は地位や金銭のようなものではなく、あくまで自分にとって「やりたい、なりたい」を叶えていくということです。
2.つながりと感謝
人を喜ばせ、愛情に満ちた関係、親切な行為によるもの。つながりについてはいろんな職業、年齢、性格の人とつながっている人の方がより幸福度が高い傾向があります。気の合う仲間とだけではなく、多様な価値観を持つ人と関わりを持つことで自分の様々な役割に気付けます。そして、行動し感謝される。他者の幸せを自分ごと化できる人がより幸福感を感じやすい傾向にあります。
3.前向きと楽観
自己肯定感が高く、いつも楽しく笑顔でいられること。外向的でどんな状況でも「何とかなる」と考えられる方が幸福感を感じやすいです。逆に内向的で神経質な人は細かいことが気になってしまい幸せな感情から遠のきやすいです。完璧を求めすぎず、そこそこで良しとする寛容さを持つことも大切です。
4.独立とマイペース
他人と比較せずに自分らしくやっていけること。周りの目を気にしすぎずに、自分の立てた目標に向かって自分のやり方で淡々と前に進める人が幸せを感じやすい傾向にあります。好きな気持ちに正直でいることが大切です。恥ずかしいという気持ちよりも、楽しむ、面白がる気持ちと行動で自分らしさを確立していけます。
これら4つ全てを持ち合わせているとベストですが、なかなかそうもいかないと思います。一方で、今の自分を振り返って4つの因子のレーダーチャートをイメージしてみると足りない因子が見えてくるのではないでしょうか。
どれか一つでも意識して行動していくことで、幸福感をより感じられる方向へ自分を導くことができます。
運動と幸福感
この因子分解を見てもう一つ感じるのは健康と幸福の関係です。健康は非地位財による幸福の一つ。健康な人が幸せなのか、幸せな人が健康なのか、鶏と卵の関係のように思いますが、国内外の研究でもこの二つには相関があるとされています。
運動は心身の健康に寄与しますが、運動を継続することで体の免疫機能は高まり、心のストレスを低減します。
また健康な体を持つことは「やりたいことができる」という自由な生き方を選択できる土台となります。だからこそ、日々続けられる運動やスポーツの習慣を持つことは大切です。
私が最近はじめて気に入っているのがロードバイクです。今回まとめた幸福感の因子にもマッチしたとても優れたスポーツなのではないかと感じます。ランニングよりも行動範囲が広がり、自分の体でこんなにも遠くまで気軽に移動できるのかと驚きます。
また日常生活では感じられないスピード感や風を感じることでリフレッシュ効果はとても高いです。
先日、1日の時間をより豊かに長く感じる手法について考えました。
この中に「ディテールに注目する」「広い空間に身を置くこと」がありました。
サイクリングで自然に飛び出して、目の前を流れる街並みを観察することで沢山の刺激を得ることができます。サイクリングに出かけた日はとても充実感を感じます。何歳からでもはじめられ、使うエネルギーは自分の中のエネルギーだけですのでとてもエコかつクリーンで、さらに健康的なアクティビティです。おすすめです。
noteと幸福感
毎日noteを投稿することは幸福の因子を高める活動なのではないかと気づきました。日々noteと向き合うことは、自己成長を重ね、人との関係の中で感謝し合うということ。また、楽観的な気持ちで、マイペースに続けるのがnoteを続ける秘訣です。
そう考えると4つ因子いずれの要素も含まれており、改めてnoteの価値を感じます。noteで創作活動を続ける事は自分を幸福に近づける活動だと思えると、よりモチベーションが上がるのではないでしょうか。
まとめ
幸福の研究では4つの因子が幸福感を構成していることがわかりました。いずれの因子も、言われてみると「確かに…」と納得してしまいますが、日々の生活ではそこまで意識していなかったりします。
改めて自分の今の状態がどうなのか、4つの因子で欠けている要素が何かを考え、そこを埋める意識と行動を取ることが、幸せな生活への近道のように思います。
幸せの価値観も時代とともに変わっています。お金や地位•名誉などの地位財ではなく、健康や自分のモノサシで測れる非地位財を持つ方が、幸福感は長続きします。
自分が何に幸福感を感じるのか、今一度考えてみるのも良いのではないでしょうか。非地位財として自分がこれから大切にしていくものをはっきりとイメージしておく事は、自分の中の幸福感を長続きさせる工夫と言えます。
「独立とマイペース」の精神で、自分だけの幸せを探して行きたいものですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。