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シロと再会したけれど…冬のカナダでしんちゃん野宿?!カナダ横断鉄道の旅【第7回】
バルマウント駅までカナディアン号を追走し…
シロを迎えにいった野原一家!!
しかし…美人車掌キャサリンの機転でシロは反対方向の列車に頼んでジャスパー駅まで戻ってしまった!
120km離れたバルマウンドまで冬のカナダを大追跡した一家!
感動の再会…と思いきやまさかの新事件!?~
◆ ジャスパー駅でシロと再会!!
「シロォォォォォ!!」
ジャスパー駅に到着するなり野原一家は全速力で駅舎へ!!
と言っても…
つい4時間ほどまえジャスパー駅にいたのだが…
ひろしの判断ミスとVIAの美人車掌の咄嗟の判断で
シロは元のジャスパー駅へ送り返されていた…
「シロはいる!?」
「Excuse me! Our dog is on this station!(すみません! 私たちの犬がこの駅にいるはずです!)」
カウンターの案内係員さんが微笑みながら指をさした。
「Oh! You mean the little white dog?(あの小さな白い犬のことかい?)」
「Yes!?(そうです!?)」
係員さんが指をさした先には——
「……くぅ~ん……」
ベンチの上で小さな白い体が丸くなっていた。
「シロォォォォォォ!!!」
しんのすけは叫びながらシロに向かってダッシュ!
「くぅぅ~ん!!」
シロもすぐに気づき全力でしんのすけの胸に飛び込んだ!
「オラのバカぁぁぁ!! シロ、ごめんだゾォォ!!!」
しんのすけは涙をボロボロ流しながらシロをぎゅうぅぅっと抱きしめた。
「ワンワンワン!!!」
シロもしんのすけの顔をペロペロ舐めて喜びを爆発させる。
「よかったぁぁぁ!! シロ、本当に無事だったのね!!」
みさえも安堵の表情を浮かべ
ひろしは肩を落として座り込んだ。
係員さんが微笑みながら説明する。
「The train staff took good care of him.(列車のスタッフがちゃんと面倒を見てくれていましたよ)」
「Thank you so much!!(本当にありがとうございます!!)」
こうして
野原一家の往復240kmの大追跡は無事に幕を閉じたのだった。
……と思っいました?
このはなし…簡単にはおわらない——
新たな事件が発生!!!
◆ まさか!?宿がない!!
「さぁこれで落ち着いたわね! ホテルに行きましょ!」
みさえがスマホを確認しながら満足そうに言った。
そして——車で10分のジャスパーパークロッジに到着
「Excuse me, Mr. Nohara?(すみません、野原さん?)」
フロントのおにいさんが…少し申し訳なさそうに紙の束を手にして近づいてきた。
「There seems to be a problem with your hotel reservation…(お客様のホテル予約に問題があるようで…)」
「……問題?」
「Yes, apparently… you don’t have a reservation.(はい、どうやら予約が取れていないようです)」
「……」
「……」
「……なぁぁぁにぃぃぃ!!??」
みさえが慌ててスマホを取り出し予約メールを確認する。
予約内容:カナダ・フェアモント・ジャスパーパークロッジ…日付:?」
「……」
「……4日後。」
「4日後ぉぉぉ!?!?」
みさえ予約の日付を完全に間違えていた。
「ちょ、ちょっと!? 今から泊まれる部屋はないの!??」
「Sorry, the hotel is fully booked…(申し訳ありませんが、ホテルは満室です)」
「そんなぁぁぁ!!!」
ひろしが頭を抱える。
「じゃあ…どうするんだよ!? 今から別のホテル探すのか!?」
「え、えぇ…でもこの時期、どこのホテルも満室かと…」
「オラたち…もしかして……」
「ジャスパーで野宿ぅぅぅ!?!?」
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◆ 救いの手は、まさかのアレ!?
すると…おにいさんが「ちょっと待って」とスマホをチェックしながら言った。
「There’s a winter camping site available.(冬でも営業しているキャンプ場がありますよ)」
「えっ!? そんなのあるの!?」
「Yes! Whistlers Campground.(ウィスラーズ・キャンプグラウンドです)」
ジャスパー国立公園には、冬でも営業しているRV(キャンピングカー)サイトがある!
電源やトイレ設備も整っていて、
冬のアウトドアを楽しむ人たちが利用するらしい。
「これでオラたち、キャンピングカーに泊まれるゾ!」
「むしろホテルより快適だったりして…?」
「それはない!!」
ひろしの運転でジャスパー駅のAvisまで引き返し…
事情を話して…
思いっきり笑われたが…
最初の予約どおりのキャンピングカーと
ピックアップトラックを取り換えてもらった…
「雪の時期でなければキャンピングカーもすぐに別の借り手が
現れたらしいのでほんと救われたわね~」
みさえがホテルの予約を間違えなければ…
特に問題は起きなかったはずだが。
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◆ いざ買い出し!でも大雪で食材がない!?
「よし! キャンピングカーで泊まるなら…今夜の食料調達だ!」
しかし駅前のネスターズというスーパーマーケットに入ると……
「……ちょっと、なんか…ガラガラじゃない?」
店内の野菜コーナーがスッカラカン!!
「えぇぇぇぇ!? なんでこんなに何もないの!?」
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「Because of the heavy snow, no supply trucks arrived…(大雪のせいでどのお店も補給のトラックが来てないんです…)」
結果手に入ったのは——
冷凍のハンバーガーパティ
ソーセージ
ポテトチップス
マッシュポテト(粉末)
コーラ
野菜ジュース(唯一のビタミン源!)
無糖ヨーグルト(マヨネーズの代用品!?)
「むほほ~♪ なんかジャンクフードばっかりだゾ!」
「これじゃ栄養が偏るじゃない!!」
「ふっふっふ…こんな時のために
俺には生活の知恵がある!」
「まずはポテトチップスを砕いて…ハンバーグを余分にレンジで過熱!」
「野菜ジュースをスープのベースにして!」
「ヨーグルトに塩コショウを混ぜて即席マヨネーズ風ドレッシング!」
野菜の入っていないサラダ風の料理が完成した。
「意外といけるんじゃない!?」
「しんのすけ…さすがに移動疲れで寝てしまったか…」
キャンピングカーのソファーベットで
しんのすけとひまわり…シロがより重なって
夢を見ていた…
キャンピングカーの窓の薄いカーテンの隙間から
満点の星がしんのすけたちの寝顔を照らしていた。
こうしてカナダの極寒の夜
ジャスパーのキャンピングカーサイトでのサバイバルディナーは夫婦二人だけで満喫することになった!
次回、「しんちゃんジャスパーからの手紙!?」
お楽しみに!!
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