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テュル活マガジン

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テュル活とは、テュルク的活動のこと。「日常に、ほんの少しテュルクがあると、少しだけ幸福感が増す。」という趣旨でやっている、趣味と実益を兼ねたライフスタイルともいえましょう。 こ…
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2022年12月の記事一覧

2022年の書き納め

2022年の書き納め

年末年始は、引き続きアゼルバイジャン語の教材作成をぼちぼち進めることになりそうです。それにしても、毎年の12月があっという間に過ぎ去るように感じてしまうのは当然のことながら私だけではないようでして、この月をして「師走」とはよく言うたものだなと思います。

むろん私、師と呼ばれるに値するほど立派な存在には到底程遠いのでございますが(師は自分を「全裸中年男性」とは称さない)、語学あるいはことばについて

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「その他」を盛り上げようぜ

「その他」を盛り上げようぜ

愛すべき地元、長崎にいてちょっと寂しいことの一つは、大型の書店が少ないことです。もともと小さな街ではありまして、それゆえにというべきなのか大手の新刊を扱う書店も比較的小規模なのです。

それに比例するかのように、語学コーナーに一応足を運んでは新刊をチェックしよう…と思うも、トルコ語ほか、中東・コーカサス、あるいはユーラシアの諸言語が含まれる「その他の外国語」コーナーはいつも寂しい品揃えになっている

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来年はタタール語をちゃんとやる可能性がた…多々…

ということで、界隈で絶賛話題をさらいまくっているタタール語ですが、

今日は最初の数課ぶんの音声を聴いてみるなどしています。初見(いや、初聴というべき?)で音声だけ聞いても、わかるところは一部だけだなという印象です。当然ですが、わからないところがかなり多いです。

で、解説をみて、そうかбик が「とても」の 意味なのか、トルコ語でいうとçokとだいたい同義か?(調べないとわからないが)とか、「遠

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今年の雑文執筆活動成績が出ました

今年はなんだかんだ言いながら、イベントが盛り沢山な1年だったことが幸いしたでしょうか。先日、今年のnoteの成績というか、記録が出ていますよということで以下の通り当該ページを見てみたのですが、

改めてみてみますと、我ながら数字がけっこうすごいというか、好成績な気がします。半ばお願いするように「スキしてみて」とリクエストするという反則技も1度使ったということはありますが、それを差し引いても6668

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年末ですが、練習問題を改良しよう

年末ですが、練習問題を改良しよう

そんなわけで絶賛語学書作成中の2022年年末となりましたが、今こうやって夏に使ったアゼルバイジャン語教科書の練習問題を見ると、ちょっと工夫がないなと我ながら反省してしまいます。

「次の文をアゼルバイジャン語に直しなさい」とか、その逆で「以下のアゼルバイジャン語を和訳しなさい」とか。時間の制約があったので仕方なかったとはいえ、今後同教科書をほかの人にも使ってもらおうということであれば、今のうちに手

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タタール語にアクセスする「迂回路」を教えてさしあげましょう

タタール語にアクセスする「迂回路」を教えてさしあげましょう

連日SNSでも話題に上がる(すくなくとも界隈周辺で)『ニューエクスプレスプラス タタール語』ですが、学習案内のところで辞書はどういったものをお勧めしていらっしゃるのかと思って見てみると、紙・オンラインともにタタール語-ロシア語、ロシア語-タタール語のものが紹介されているようですね。

なるほどさすがロシア連邦内のテュルク語だけのことはあります。語学書も、文献的には圧倒的にロシア語で書かれたものが多

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教材を完成させるまでが研修です

教材を完成させるまでが研修です

最近ここで雑文を書く以外に何をしてるかといいますと、アゼルバイジャン語の教材を作っています。そうです、今年の夏に研修をやったでしょう。東京のみなさまおなじみ、府中の森のそのさらに奥にあるといわれる、あの施設でです。

上記リンク先の報告書は先日書き上げておりまして、すでに提出した文章です。よって、文責は私吉村にあるということでよいのです。が、問題はそこではなくてですね…まだやらないといけない仕事が

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【2023年白水社課金のすゝめ】俺たち、どうやら来年はタタール語をやるべきだな?

【2023年白水社課金のすゝめ】俺たち、どうやら来年はタタール語をやるべきだな?

年の瀬が近づいてまいりまして、アドヴェントカレンダーも終盤に差し掛かってきました。このタイミングで、テュル活民垂涎のあの本が届いたというこの喜びを書かないわけにはいきますまい。

年の瀬の大ニュースでしょう。『ニューエクスプレスプラス タタール語』がついに登場。で、最初に書いておきます。みなさま、テュル活民ならもちろん、そうでなくてもこの本は「買い」でっせ。

なぜ買いの一択か、以下その理由を列挙

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再びのテレビ離れ

再びのテレビ離れ

今長崎の実家にて両親、祖母と空間を共有することが増えたのですが、彼らを見ていて思うのは、「テレビホント好っきゃなあ」ということです。とりわけ夕食以降から、曜日によっては食い入るように見ている。「そんなにテレビ面白い?」と聞くのですが、毎週楽しみにしている番組がいくつかあるのだそうで。

私もまったく見ないわけでもないですが、彼らほどではない…ということで、世代差なのかはたまたバックグラウンドの違い

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オレ的「テュルク」との付き合い方:雑多な話を混ぜながら

オレ的「テュルク」との付き合い方:雑多な話を混ぜながら

私含めた「テュルク」に関心のある人間はとかく「テュルク諸語」ということで、ある意味ではとても無邪気にこれらの諸言語に向き合おうとしていることが多いよな、と最近よく思います。すなわち、トルコ語やアゼルバイジャン語、トルクメン語から中央アジアはウズベク語やキルギス語カザフ語、シベリアのほうではタタール語にバシキール語、チュヴァシュ語にアルタイ語、トゥヴァ語、サハ語…と、大きな一つの諸言語からなる言語グ

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北の大地とのご縁、けっこうアルタイ?(といった風情がありますよね…)

北の大地とのご縁、けっこうアルタイ?(といった風情がありますよね…)

言語学界隈ではなにかと話題の(たぶん)北海道。長崎出身、青年期を大阪で過ごした私ではございますが、ほんのわずかながら縁があります。それこそ今開催中の「本家」アドヴェント・カレンダー主催者たるまつーらさんはずいぶん以前から北海道に拠点を構えておられて、ツイッターつながりの研究会などを積極的に開催しておられました。TwiFULLとかねえ!懐かしい響きがしますね?(まだやってるかもしれないから懐かしいと

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辞書、偉大すぎるな?

辞書、偉大すぎるな?

先日カラチャイ・バルカル語の『星の王子さま』を、注釈じみたものを書き加えながら訳してみて改めて思ったのは、辞書の存在のありがたさでありました。辞書がないと、わからないところは全然わかりませんでしたからね。

たとえば、冒頭で「ボア大蛇」の説明のくだりがありましたが、訳本では訳者がカッコ書きで「ロシア語でulav、ラテン語でBoa constrictor, таучаで"buuġan jilyan"

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「読める、読めるぞ」は比較的身近に体感できる

「読める、読めるぞ」は比較的身近に体感できる

それまで、どんな読み方をするのかまったく見当のつかなかった文字体系が読めるようになるときの気分の良さというか、爽快感というものはあるように思います。ていうか、ありますよね。ないことがあろうか。いやない。

昨日、半日を要して書き上げたカラチャイ・バルカル語(もっともその労力の割にはあまりウケなかった件)はじめ、旧ソ連時代のアゼルバイジャン語や、キルギス語、タタール語といったテュルク諸語では、正書法

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『星の王子さま』からカラチャイ・バルカル語を見てみようのコーナー

『星の王子さま』からカラチャイ・バルカル語を見てみようのコーナー

さてさて、アドヴェンター10日目の本日はテュルク諸語の一つ、カラチャイ・バルカル語を見てみましょう。

カラチャイ・バルカル語についてのおさらい

カラチャイ・バルカル語の『星の王子さま』、入手していたのをよもや忘れていたとは言わせへんで…と、今朝突然本棚が私に話しかけてきた気がしたのです。

忘れなどしますものですか。これでもテュル活民の端くれなのですから!

以前、カラチャイ・バルカル語につい

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