「その他」を盛り上げようぜ
愛すべき地元、長崎にいてちょっと寂しいことの一つは、大型の書店が少ないことです。もともと小さな街ではありまして、それゆえにというべきなのか大手の新刊を扱う書店も比較的小規模なのです。
それに比例するかのように、語学コーナーに一応足を運んでは新刊をチェックしよう…と思うも、トルコ語ほか、中東・コーカサス、あるいはユーラシアの諸言語が含まれる「その他の外国語」コーナーはいつも寂しい品揃えになっている。トルコ語の語学書などがあろうものなら、おおっ珍しい、トルコ語置いてくれてるやん…と、他の方の著した本でもわがことのように喜んでしまったりもしながら。
まあ長崎だからなあ~…と思いながら、ばらばらに、かつ細々と置かれてあるニューエクシリーズを見ては、それでもこの辺の言語のが置いてあるだけまだいいか、などと言いつつ地元での生活を送っています。
「その他」の言語が置かれている状況は、相変わらずなかなか厳しいなと思います。
トルコ語などはまだまだいいほうです。結構需要があるなというのは実際に語学の仕事に携わっていて感じることですし(もちろん、今以上に需要がもっとあってもいいのよ?)。ただ、今年は同じくテュルク系、アゼルバイジャン語の仕事にも関わるという幸運は得ましたが、今年度運よくいただいた関連する各種お仕事も、一段落したその後は果たしてどうなるやら。
同じくテュルク系の言語ですと、ごく最近上述のニューエクシリーズにタタール語が出たのは喜ぶべきことですが、テュルク系でもトルコ語、ウズベク語、タタール語、あとはウイグル語あたりはまだいいとしても、やはり全体としてはなかなか人気、知名度、需要と様々な点で厳しい状況であることには変わりなさそうだなと個人的には感じています。
あとは個人的に細々と勉強をしている、エスペラント、ペルシア語、ロシア語あたり…このあたりでも、おそらく状況はトルコ語と似たり寄ったりでしょう。ロシア語はともかくとしても、書店で「その他」で一緒くたにされる言語というものはとにかく肩身が狭いというのはおそらく今後もそう変わりないのだろうと思います。教育機関からも、どんどん場所を奪われつつあるというニュースも耳にします。さびしい話です。選択肢が減らされていくというのは、少なくとも「その他」扱いされる側から見るととてもさびしい。
それでももがき続けるしかないのだろうなと開き直って、その時その時のいただいた仕事にとりかかるしか自分にはできないわけですが、なにも今に始まった話でもないですしね…。
ここでの執筆も含めてSNSで必死に「テュル活」だトルコ語だ、テュルク諸語だとアピールをしている動機というのは、(もちろん自己顕示欲も含まれていることは認めますが)公的に言うなら「こういう世界もあるんですよ」という一つの選択肢の提供ということに尽きるのかな、と考えています。
自分一人でできることなどは本当に微々たるものですが、ありがたいことにnoteもフォロワーが増えてきていますし、Twitterのほうも相変わらず元気にやれていますし(Twitter世界、治安こそあまりよくないが)。
語学ガチ勢の輪に入れるように、または語学コンテンツの作り手の端くれとして少しでも認知してもらえるように、その時その時の仕事と勉強に向き合っていくというところでは、今年も来年もやることは変わらないだろうと思っています。
まあそうですね…アゼルバイジャン語の語学コンテンツ作成が喫緊のタスクなのですが、それが一段落したら研究のほうもぼちぼち再開しないといけません…来年2023年、あえて目標を追加するとすれば、「研究を忘れない」ということくらいでしょうか。研究、大事。
ともあれ、「その他の言語(外国語というよりは言語としておきましょう)」界隈を盛り上げていけるように。ぜひみなさまも来年、この動きにいっしょに一枚嚙んでみません?ツイッターでも書きましたが、とりわけ「英語もできないのにX語(任意の言語を入れてください)なんて」と思っていらっしゃるそこのあなた。あなたです。
よかけん英語ば少し横に置いて、さわりだけでも見てみらんですか。そしてしばらくしてからまた英語の勉強に戻ってみてください?思わぬプラスの効果、意外にあったりするとですよ…
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