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空想お散歩紀行 物語の道

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空想の世界の日常を自由に描いています。
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2022年2月の記事一覧

空想お散歩紀行 異世界ダブルワーク

空想お散歩紀行 異世界ダブルワーク

世界に必要なのは、正義でも悪でもなかった。
世界が存続するために最も必要なもの、それはバランスだった。
どんなに良いものとされることで、そちら側に傾き過ぎれば全てが根本から崩れることになる。
そうならないよう、世界のバランスを保つ者、それが調律者と呼ばれる者たちだ。
『世界』という存在が産み出した、人の姿をしているが、人ではない者。
人でないが故に人を超えた力を行使できる者。その力で、世界にバラン

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空想お散歩紀行 異世界ライフハック 睡魔との付き合い方

空想お散歩紀行 異世界ライフハック 睡魔との付き合い方

皆さん、睡眠はしっかり取っていますか?
睡眠は全ての健康の要です。
そこで今回のライフハックは、寝つきが悪い、眠りが浅くて夜中に何度も目が覚めるといった悩みを持っている方におススメの上手な睡眠の取り方です。
注目するのは妖魔です。世の中には様々な妖魔がいます。
当然上級のものになると、特定の地域にしかいなかったり、封印されていたりするので今回のハックには全く使えないのですが、低級の妖魔はそこら中に

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空想お散歩紀行 最後の一かけらをめぐって

空想お散歩紀行 最後の一かけらをめぐって

俺がトレジャーハンターになったのは、金が目当てというわけではない。いや、それももちろんあるが、それ以上に大きなものがある。
それは賞賛である。
難解な暗号を解き、過酷な環境に挑んで、その報酬を取ってくる。
それに対する人々の賞賛はすさまじい。
自分ができないことをやってのける人間というものに対する羨望はいつの時代も変わらない。
そのために俺は世界中を駆け巡り、お宝を探すわけだ。
だが、ここに来て人

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空想お散歩紀行 寿命チップ

空想お散歩紀行 寿命チップ

「おめでとうございます!」
華やかなライトが俺の周りを包み、歓声がホール中にこだまする。
こんな時に限って、ということが今までの人生で幾度となくやってきた。いや、俺の人生はほとんどそれだったのではないかと思えるほどだ。
金が欲しいと思っているときに限って金はなく、むしろ減り続ける。
俺は死にたいと思っていた。
あらゆる絶望が俺を襲い、地獄の口がゆっくりと開いた時、不思議な場所へと導かれた。
そこは

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空想お散歩紀行 異世界ライフハック あえて無駄を

空想お散歩紀行 異世界ライフハック あえて無駄を

さて、記念すべき第一回となります。
少しでも人々の生活を向上させるためにと始まったのがこの企画です。
生活の向上と言っても、何も特別なことをする必要はありません。
大金を用意しなければならない、時間に余裕がないとできない、なんてものは本当の意味での充実した生活とは言えません。
大切なのは、今あるものを見直すこと。
当たり前だと思っていたことを再度考え直すことなのです。
では私たちの生活で、当たり前

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空想お散歩紀行 禁娯法

空想お散歩紀行 禁娯法

昼間だというのに、あまり日が入り込んでこない路地裏。
繁華街のはずなのに、その喧騒の一枚裏にある妙な静けさがその場を覆っていた。
一人の男が狭い道に立っている。
既に表から隠れるような場所にいるというのに、さらに周囲を警戒して、周りの建物の室外機や無造作に積んである何かの箱の影に隠れるようにしていた。
その時、別の男が音も立てずに近づいてきた。
帽子を目深にかぶり、その表情はよく分からない。帽子か

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空想お散歩紀行 戦争特化生物、神の苦悩

空想お散歩紀行 戦争特化生物、神の苦悩

世界を作るというのは並大抵のことではない。
今ある世界が出来上がるまでに実は何度もトライ&エラーを繰り返しているのだ。その周期が何万年という膨大な時間なので、だれもそのことに気付いていないだけなのだ。
それをもはや数えることができないほどの時間と回数を繰り返し行ってきたのが、いわゆる神と呼ばれる存在だ。
「うーーむ」
その神でさえ、時に行き詰ることもある。
その悩みの原因は神自身が作り出した人間と

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空想お散歩紀行 訳あり星

空想お散歩紀行 訳あり星

「さあ、行きますわよ」
「はい、お嬢様」
随分レトロな服装に身を包んだ小柄な少女と、その後ろには、こちらもまたレトロなシャツやジャケットをピシっと着こんだ女性がつき従っていた。
どちらも、地球の古代ファッションのようだった。
そんな一見時代錯誤のように見えるが、妙に高貴な雰囲気をまとっている二人がいるのは、宇宙中の品、生活用品から高級品まで、ここに無い物は無いとまで言われている、一人暮らしの大学生

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空想お散歩紀行 地獄2.0

空想お散歩紀行 地獄2.0

その日、彼はかつてない緊張に包まれていた。
幼い頃から憧れて入った職場。そこで働くこと10年。ようやく自分の企画が通り、紆余曲折を経たが、今日その初お披露目となる。
(緊張する。上手くいかなかったらどうしよう)
もう何日前から同じことを考えていたか。目が開いている時間はずっと頭の隅に自分の成功と失敗のイメージが交互に何度も何度も繰り返し現れては流れていった。
(しっかりしろ。できる限りのことはやっ

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空想お散歩紀行 複数人格所持社会

空想お散歩紀行 複数人格所持社会

小さなライブハウスの中が今や、世界の中心でもあるかのような熱い空気で覆われていた。
ステージの上にいるのは4人組の少女たち。ギターを持ったボーカルの少女が声の限りに歌を叫んでいた。
他のメンバーも自分の楽器に己の力を注ぎ込んでいる。
それにつられて観客の熱も上がり、それがまたバンドメンバーに力を与える。
今ここにある魂は全てが本物だった。
だが、少しだけ真実ではないものが混ざっている。
かつて世界

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空想お散歩紀行 ペンギンカフェ

空想お散歩紀行 ペンギンカフェ

カランカランと小気味いい音が店内に鳴り渡る。
「いらっしゃい」
カウンターの中にいるのは一人だけ。このカフェはこのマスターが一人で切り盛りしている小さな店だ。
「こんなところに店があったなんて知らなかったな」
入ってきた客は白い体に白い翼をもつハトだった。
「どのお客さんもそう言いますよ」
マスターは黒と白の二色の体に固そうな嘴。目の上には凛々しく伸びた羽毛が眉のように顔を引き締めている。
マスタ

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空想お散歩紀行 死神ブラック

空想お散歩紀行 死神ブラック

今週の週刊魔界にとある特集が取り上げられ、意外な反響を呼んでいた。
それは、死神たちのブラック労働環境の記事だった。
死神たちと言えば、人間界で死んだ人間や動物などの生物の魂を収集し運ぶのが役割だ。
その起源は古くからあり、最も古い仕事の一つに数えられる。
しかし、その昔から当たり前にある、ということが人々から問題意識を起こさせなくなっていたのだ。
先述した通り、死神は死んだ者の魂を運ぶ。しかし死

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空想お散歩紀行 スクリーンのこちらとあちら

空想お散歩紀行 スクリーンのこちらとあちら

この世界と異世界との境界は意外にも至るところにある。
それは橋だったり、扉だったりする。
至る所で簡単にこちらとあちらが結びつく。
そしてそこから色々なものが、あちらに行くこともあれば、こちらに来ることもあるのだ。
その中には良いこともあるにはあるが、得てして厄介ごとの方が大勢である。
「アラート反応!レベル3!場所はスクリーン5、ゲート展開まで160秒!」
けたたましい電子音声が携帯端末から流れ

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空想お散歩紀行 スクリーンの中の世界

空想お散歩紀行 スクリーンの中の世界

「マスター、私ずっと気になってることがあるんですけど・・・」
「ん?」
「あの部屋って結局何なんです?」
とある都市の中にある映画館。背の高い建物の中に隠れるようにひっそりと建ち、レトロな雰囲気を醸し出している。
家族連れやカップルが行くような大型商業施設の中の映画館とは異なり、話題作や人気作はほとんど上映していない。国内国外問わず、どこのだれが作ったかも分からないような映画が上映されている、本当

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