はむたろ

ほんの出来心 20才

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記事一覧

横須賀ルポ「皇国興廃在此一戦」

《日本海海戦》 時は1905年5月27日。前年の2月に開戦した日露戦争も終局に差し掛かりつつあったこの日、戦史に残る大きな一戦が繰り広げられた。日露戦争は日清戦争よりも…

はむたろ
8か月前
1

海を見に行くことと、感情的吃音のこと②

感情的吃音感情はいつも遅れてやってくる。心の琴線に触れようとするなにかと相対しても、そこに生まれた感情の足音はまだ小さく、遠い。結局私がそれを言葉で表現するまで…

はむたろ
11か月前

うんち💩

実は別のアカウントを使ってnoteで月10万の収益を上げているこの私が、飛ぶように売れるタイトルの秘訣を教えて上げようと思うので漏らさずきくように。 ○まず何を伝えた…

はむたろ
1年前

ハロー絶望!小学生からやり直した方がいいんじゃない?

昨日ふと思った。あれ、俺ってこんなに幼かったっけ?ハロー絶望!こんなはずじゃなかったよ〜泣泣見た目はハタチ、頭脳は子供。その名も迷探偵はむたろ。ワトスン君、私の…

はむたろ
1年前
5

緩やかな希死念慮、前向きな自殺願望

厳しい冬の寒さが息を潜めて、眠たくなるような春の陽気が顔を出す。だがもはやコンクリートに敷き詰められた都会のなかで春を感じる手段といえば、春物セールをうたう電車…

はむたろ
1年前
2

凡庸であることと、そうでないことと。

「情けないことに、これこそ過度の文明の生む不幸なのである。教育などを受けると、青年は二十歳で心のゆとりを失ってしまう。ところが、心のゆとりがなければ、恋愛は往々…

はむたろ
2年前
18

コウメ太夫の毛穴の性別

ある朝のこと。コーヒーを飲んでいると、ふとある疑問が浮かんできた。 ”コウメ太夫の毛穴はオスなんだろうか、それともメスなんだろうか?” チッキショ――!!! い…

はむたろ
2年前
5

空白

はむたろ
2年前
2

わたしが風になるよろこび

土田隆生『風韻』ー箱根彫刻の森美術館で出会った一つの作品。わたしの記憶の一隅にこびりついて離れない、たったひとつの独りよがりな箱根ルポ。 風はどこに…

はむたろ
2年前
2

ふと海を見に行くことと、感情的吃音のこと。

ときどき感じること。すべてをなげうって現実感覚から切り離された空間に身を置きたくなる。そんな青い衝動に駆られて海を見にいくことがある。海はいい。人間関係や大学の…

はむたろ
2年前
8

今日みた夢②《帰還》

列車はなおも走り続ける。薄明かりの漏れていたプラットフォームがはるか後方へと消えてしまってからは、車内はすっかり暗くなってしまってお互いの姿すらはっきりとは見え…

はむたろ
2年前
3

今日みた夢① 《邂逅》

二日酔いで見たわけのわからない夢 気がつくと、不自然なほどおびただしい数のプラットフォームがどこまでもどこまでもならんでいるのが見える。どこか都心の地下鉄らしい…

はむたろ
2年前
6

19歳の『罪と罰』

僕はナポレオンでも、カエサルでも、劉邦でもない。語る言葉は他の誰かの辿った地口、新しいことを言う力もない。そんな人間に、非凡な生が許されるか?革命の血を啜り、旧…

はむたろ
2年前
7

「監獄」を考える。

今日のテーマは「監獄」。脛に傷持たぬ読者諸君には無縁なものであるはずなので、その概念的輪郭はぼんやりとしているだろう。そこで本稿は「監獄」という文脈で語られる作…

はむたろ
2年前
7
横須賀ルポ「皇国興廃在此一戦」

横須賀ルポ「皇国興廃在此一戦」

《日本海海戦》

時は1905年5月27日。前年の2月に開戦した日露戦争も終局に差し掛かりつつあったこの日、戦史に残る大きな一戦が繰り広げられた。日露戦争は日清戦争よりも大規模に展開され、総力戦の様相を呈していた。ロシア帝国の内政混乱もあり、戦局は大日本帝国軍の優勢であったが、当時の大日本帝国にこれ以上戦争の長期化に耐えうるほどの力はなかったように思える。そんな頃合いであった。

明朝5時過ぎ、五

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海を見に行くことと、感情的吃音のこと②

海を見に行くことと、感情的吃音のこと②

感情的吃音感情はいつも遅れてやってくる。心の琴線に触れようとするなにかと相対しても、そこに生まれた感情の足音はまだ小さく、遠い。結局私がそれを言葉で表現するまでは、その情動のかたちを捉えることはかなわない。私はそれを感情的吃音と呼んでいる。私をとりまく内面的世界の時間は、外側の時間と若干の時差をおきながらゆっくりと流れている。しかし、私の人生のうちにはそれら二つの世界がなめらかに接続し、即時的な感

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うんち💩

実は別のアカウントを使ってnoteで月10万の収益を上げているこの私が、飛ぶように売れるタイトルの秘訣を教えて上げようと思うので漏らさずきくように。

○まず何を伝えたいのかを一言で表す

タイトルはやはり記事の内容を簡便かつ正確に反映していなくてはならない。タイトル詐欺なんかして記事を売ったりした日には読者が怒ってしまうだろう。そういう時はTwitterで謝罪して水に流してもらおう。

○視覚的

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ハロー絶望!小学生からやり直した方がいいんじゃない?

ハロー絶望!小学生からやり直した方がいいんじゃない?

昨日ふと思った。あれ、俺ってこんなに幼かったっけ?ハロー絶望!こんなはずじゃなかったよ〜泣泣見た目はハタチ、頭脳は子供。その名も迷探偵はむたろ。ワトスン君、私のオムツを替えてくれたまえ。

幼いハタチ「ありがとう」と「ごめんなさい」の言えない子

もうハタチだぞ、俺。「ごめんなさい」と「ありがとう」が言える、ってのは多分小学生の通信簿の評価項目にすらなってない。そんなん学校で教えることと違うから。

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緩やかな希死念慮、前向きな自殺願望

緩やかな希死念慮、前向きな自殺願望

厳しい冬の寒さが息を潜めて、眠たくなるような春の陽気が顔を出す。だがもはやコンクリートに敷き詰められた都会のなかで春を感じる手段といえば、春物セールをうたう電車の吊り下げ広告とか、街ゆく人が着ている薄手のワンピースとか、そういう無機的なものぐらいになってしまった。季節はもうすでに僕らが積極的にそこにあることを確かめない限り、存在を許されない可哀想なものに成り下がってしまった。いや、あるいはむしろ、

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凡庸であることと、そうでないことと。

凡庸であることと、そうでないことと。

「情けないことに、これこそ過度の文明の生む不幸なのである。教育などを受けると、青年は二十歳で心のゆとりを失ってしまう。ところが、心のゆとりがなければ、恋愛は往々にしておよそわずらわしい義務に過ぎなくなる」

ースタンダール『赤と黒』ー

プロト・タイプ大衆音楽を聴き、娯楽小説を読み、陳腐なメロドラマに感動する。観たって観なくたって何も変わらないような有象無象のYouTubeを観て安物の酒をあおり、

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コウメ太夫の毛穴の性別

コウメ太夫の毛穴の性別

ある朝のこと。コーヒーを飲んでいると、ふとある疑問が浮かんできた。

”コウメ太夫の毛穴はオスなんだろうか、それともメスなんだろうか?”

チッキショ――!!!
いくら考えてもわからない。

コウメ太夫本体はオスなんだから、毛穴もオスなんだろうか。でもコウメ太夫がオスだからといって毛穴までオスである必然性はないように思えてきた。そもそも、毛穴の性別という非成立な命題を思考している時点で常識的な語の

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わたしが風になるよろこび

わたしが風になるよろこび

土田隆生『風韻』ー箱根彫刻の森美術館で出会った一つの作品。わたしの記憶の一隅にこびりついて離れない、たったひとつの独りよがりな箱根ルポ。

風はどこにある?風は確としてそこにある。だが見ることも触れることもかなわない。心がからだのどこにあるのかその精確な場所がわからないように、風はただその存在の痕跡をみとめることしかできない。そういう意味では、風は心みたいなものだ。わたしたち

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ふと海を見に行くことと、感情的吃音のこと。

ふと海を見に行くことと、感情的吃音のこと。

ときどき感じること。すべてをなげうって現実感覚から切り離された空間に身を置きたくなる。そんな青い衝動に駆られて海を見にいくことがある。海はいい。人間関係や大学の課題といったありとあらゆる煩わしさが、青黒くぬれてかがやくあの水面に吸い込まれてすべての意味を失い、つかの間の安寧が訪れる。このかりそめの平穏。私の大切な時間。

だがそれは常に一種の拭いがたい違和感と表裏一体であるということを言わなければ

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今日みた夢②《帰還》

今日みた夢②《帰還》

列車はなおも走り続ける。薄明かりの漏れていたプラットフォームがはるか後方へと消えてしまってからは、車内はすっかり暗くなってしまってお互いの姿すらはっきりとは見えない。出入り口の非常灯が不気味に明滅を繰り返していたかと思うと、突然ぱったり光らなくなってしまった。Kは暗闇の向こうでおし黙っている。わたしは何か話しかけようと話題を探ったが、どれもふさわしくないように思われたのでわたしはKの言ったことを心

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今日みた夢① 《邂逅》

今日みた夢① 《邂逅》

二日酔いで見たわけのわからない夢

気がつくと、不自然なほどおびただしい数のプラットフォームがどこまでもどこまでもならんでいるのが見える。どこか都心の地下鉄らしい。しかし都心の駅としてもあまりに多い数の線路が敷かれていて、平行に並んだレールと天井とが遠くの薄暗い地平線で一緒くたになっている。あたり一帯は人影もなく、瓦礫が散乱していてもはや駅としての機能は喪われているようだ。不思議な空間だ、とわたし

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19歳の『罪と罰』

19歳の『罪と罰』

僕はナポレオンでも、カエサルでも、劉邦でもない。語る言葉は他の誰かの辿った地口、新しいことを言う力もない。そんな人間に、非凡な生が許されるか?革命の血を啜り、旧態の屍の上に立つ資格があるか?これは大学生の僕が読む『罪と罰』(ドストエフスキー)である。

あらすじ主人公のラスコーリニコフはペテルブルクで孤独に口を糊する法科大学生である。
ある日、彼は金貸しの老婆アリョーナ・イワーノヴナとその妹リザヴ

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「監獄」を考える。

「監獄」を考える。

今日のテーマは「監獄」。脛に傷持たぬ読者諸君には無縁なものであるはずなので、その概念的輪郭はぼんやりとしているだろう。そこで本稿は「監獄」という文脈で語られる作品に触れながら、「監獄」という概念に立体感を与えてみようという危なっかしい(笑)試みをしていく。

監獄とは何かそもそも監獄とは一体何なのだろうか。概念を把握するには、先ず言葉の定義を明らかにすることが肝要だ。下の引用はコトバンクからのもの

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