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#読書感想
「誰の身にもいずれ来る問題に善と悪をからませる~『ロスト・ケア』~」
『ロスト・ケア』 葉真中顕 著 (光文社) 2013.5読了
前記事ががん予防に貢献する物語となって話題になりましたが、今回取り上げる作品は現代の社会問題である、介護問題に焦点を当てています。
介護する人と介護される人、介護を助けてくれる人、その中で生じた問題が転じて犯罪になったときそれを取り締まる人、裁く人、介護を金儲けにする人。
善と悪が入り乱れての複雑な社会構図が人間の尊厳とは何か
「タイトルに騙されないで純粋に読んだら心をふるわせた~『君の膵臓をたべたい』~」
『君の膵臓をたべたい』住野よる 著 (双葉社)2015.7読了
今ではすっかり泣ける恋愛小説のド定番として有名になった本作。
最初の印象は、タイトルがちょっとキワモノ過ぎて一旦手が出ませんでした。
しかしタイトルのインパクトとは裏腹に表紙絵はとてもやわらかなので、これはいったい…?と思わせるところがミソ。
周囲(当時の職場)が「まずあなたが読んでみて!おもしろかったら次に読むわ」と、なかば押し
「人々の叡智を集結して赤字解消だ!~『ローカル線で行こう!』~」
『ローカル線で行こう!』 真保裕一 著 (講談社)
すう~っと胸のすくようなお話でした。
全国どこにでもありそうな、赤字路線をかかえる自治体。
この物語を読めばどこかしら参考にできそうな部分もあり、まだまだがんばれることがあるんじゃないか?と勇気をくれる1冊です。
まあ物語ですから、こんなに上手くいくはずない!と言われればそれまでなんだけど…。
それでもこの本にあるように、地域やその鉄道を
「昭和のオシャレ最前線を語りつくす~『オリーブの罠』~」
『オリーブの罠』 酒井順子 著 (講談社現代新書)
かつて…’80年代に少女だった女子たちがファッションやライフスタイルのお手本とした、いわゆる女の子のためのバイブルと言われた雑誌『オリーブ』の中で、ちょっとしたコラムを書いていた酒井順子さんの本です。
少女からは思いっきり卒業したはずの年齢だった私は、この『オリーブ』という少女向け雑誌の前に、すでに『アンアン』『ノンノ』『クロワッサン』な