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#ナチュラル
72候【花鳥風月】霜降の候 2023
山から裾へ、北から南へ
霜がふる月、霜降り月をむかえる霜降の候。
気まぐれな秋時雨がとおりすぎると、大地に冷気が刻印され、水の循環とともに生命力を謳歌していた緑いっぱいの植物界は、しん...と、しずけさにつつまれます。
紅葉色に染まる地上世界は、北から南へ、山から裾野へ、ゆっくりと下降して、里にまでおりてくるとこんどはお山のふもとから頂上へ、そして天仙界へつながる道しるべとなって、冬将軍ご
72候【花鳥風月】小満の候 2023
言の葉いろめき、色彩みつる、とまらぬ顕現、空即是色
内側からぽんぽんと、はじけるようにいのちが顕われる小満の候。
花はつぎつぎと咲きほこり、河川の流水はしぶきをちらし、水をふくんだ風は木々の葉をやさしくゆらして、地上世界をf分の1ゆらぎで満たしてゆきます。
外気は本格的にあたたかくなり、湿度が急激に上昇して、水と光がであう地上世界は色とりどりに脚色され、カラフルに輝きます。
やすみなく顕現をく
72候【花鳥風月】立夏の候 2023
若葉萌え、薫風そよぎ、ひかりふる月
陽ざしがいよいよ夏らしくなり、若葉の緑も目にまぶしい季節がやってきます。
棚田のある地域では田に水が張られて、田毎にうつる月の美しさが自然界のギャラリーのようで、みごたえもたっぷり。
薫風の語源は「よいかおりをはこんでくる風」という意味ですが、もとは花の香をはこんでくる風だったという説もあります。
いまではすっかり初夏の青葉の香りを意味するようになりましたが
72候【花鳥風月】穀雨の候
百穀うるおすめぐみ雨、春眠三昧、春土用
春のおわりを告げる穀雨の候は、天からふりそそぐ滋養たっぷりの雨が、今年も植物界にもたらされる季節がやってくるよと、お知らせする季節。
百の穀物を生かす雨、雨生百穀ということばの力強さから、雨のめぐみをリスペクトしてきた古の人々の思いが伝わってきます。
天からふりそそぐ雨と、うけとる大地。
地球に浸透した雨は、植物をとおして気化もするし、川や海から蒸発して
72候【花鳥風月】清明の候
万物ここに至りて 皆 潔斎にして清明なり
花鳥風月もっとも清浄明潔なるころ。
水も大気も陽のひかりも、きよらかにして、あかるくやわらかく、爽やかな南東の風が心地よい季節です。
春分のころから大気をふるわせるようにポン、ぽん、タン、たんと芽吹いた植物たちが、そろそろと葉をひらき、自分が何者であるのか、名のりをあげて素性を清く明潔にあらわすころ。
日本ではやわらかい文化が花開いた平安時代に、たく
72候【花鳥風月】春分の候
春霖しとしと、春雷ごろごろ、初虹うきうき、蛙ぴょこぴょこ
まっさらな地球キャンバスに、まっさらな自分を配置して、あたらしい一年がはじまります。
春分の日は、古来より真東から昇る太陽を祝福し、真西に消えゆく光のその先に極楽浄土があると考え、あらゆる文明で祝祭の儀を催してきた日です。
太陽がダイレクトに地球にはたらきかける、特別な日と考えていた文化もあれば、四大精霊(火・風・水・土)たちが太陽の道
72候【花鳥風月】立春の候
芽張る、田を墾る、気も晴れる、立春大吉、初午稲荷
草木の芽がはりだし、2月8日の事始め(2023年旧暦計算では2月27日)に田畑の開墾がはじまり、天気も晴れる日がつづくようになる如月は、旧暦で見ると現在の3月にあたり、グレゴリオ暦にあてるのはちょっと微妙な感じもしますが…、さておき。
きさらぎには草木が更生する生更ぎ、陽気がよくなりはじめるので気更来、草木の芽が張りだすことから草木張月といった
72候【花鳥風月】大寒の候
冬の土用
大寒から次の立春までの15日間は、ちょうど冬の土用期間でもあります。
外気温がマイナスになる地域はとくに、おうちの中と外の温度差が10度以上になることもざらにあり、からだは10度以上の気温差を感じると自然と食欲がわくようにできているといいます。
厳しい寒さや冬眠にそなえて動物たちが食べものをあちこちに隠したりせっせと食べたりするのと同じ現象が、ヒトのからだにもおこるわけです。
冬眠し
72候【花鳥風月】小寒の候
ふる、ふれる、ふえて、ふくらむ、ふゆのたましい
ふゆの語源説に「殖ゆ」があります。
冬のあいだに行われる行事には「たまふり」から「ふる」「ふえる」という意味があり、御魂が殖えるので、ふゆとする説です。
それは威霊に触れることでもあり、盆暮れの生身魂祭から受け継がれてきた伝統が息づいているというお話は、
【ハーブ天然ものがたり】昆布 の記事にもご紹介いたしました。
「ふる」には「降る」と「振る