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seiji_arita
2024年9月20日 11:20
「彼女はレゲエしか聴かない」一晩中降り続いた雨が何も無かった様に止んだ朝近づいて行く様で遠ざかる夢色褪せた目の前の景色でさえ愛して行くと誓うから 僕は声に出してそう言った誰に わからない 遠い記憶の中の自分に言ったのかもしれない何処からか聴いた事のあるレゲエミュージックが聴こえて来たグラマラスな彼女は「秘密の花園」と言う詩を書いて僕に朗読してくれ
2024年9月18日 22:35
「モンブラン」ひとつの生き方を提示する様に月の周りに虹の様な輪が見えた何年も前からの夏の幻影を見ている様だった無価値で道徳心の欠片も無い侮蔑された夜に月暈とは…今夜は幸運が降り注いで来る予感がした僕等は車のトランクにバールとハンマーを入れて目的の場所に向かっているヒールのかかとが取れかかっていた新しいヒールが欲しいと言っていた彼女は 靴屋に行って
2024年9月16日 19:24
「STAY GOLD」僕等は夢の中で生きているいつも どんな時でも一緒だった本当に不器用だよな お前は わかってるよ機械的に暗記された即効性と功利性志向に塗り固められた壁が押し寄せて来る其処には数値化された結果重視の硬直性が澱み無く立ち塞がる熟成した社会における例外は致命的な悲劇であるかの様に評価され其の人間固有の抱える構造的な欠陥であり社会構造内に
2024年9月15日 20:05
「スリム•シェイディ」本物のスリム•シェイディは立ち上がってくれよなごく普通の俺なんて誰も見たくないだろうだから俺は奴を創り出したんだ 偽物なんかじゃ無いぜ本物のスリム•シェイディさ模倣するのはやめてくれ赤い口紅が唇からはみ出してる 其処のお前お前が最初にフェラした男の名前を教えろよサイコパスとかジャンキーだとか窓の無い部屋だとか毎日 薬の数だ
2024年9月10日 22:24
「魔法使いと詐欺師」幻滅 其処には何か間違ったもの正しく無いものが含まれている健全な想像力が失われて僕等の心には後味の悪い失望感だけが残りかつて掲げられた正しきスローガンや美しいメッセージすら今は その正しさや美しさを支えるだけの魂の力が欠落している全ては空虚な言葉の羅列に過ぎない僕の表現する事柄や発する言葉がおそらく同じ様な種類の人々に受け入れられて
2024年9月9日 18:29
「トルストイと犬」戦争と平和とかアンナ•カレーニナとか随分前に読んだ気がする どんな内容だったのかはもう 覚えてないけど 歳下の女の子 18歳くらいの少女がトルストイを連れて来た流れ進むのは我々であって時では無いねぇ 声が聴こえるでしょう合唱隊がふたりに祝福を与える様に歌声を響かせているねぇ 聴こえるでしょう本当の物語は此処にあるの私の部屋のリ
2024年9月4日 17:02
「黄泉国」また夢を見た辛い夢を 其れが少女からの最後のメッセージだったただ意識を集中する イメージが自律的に動き始める妄想的な暴力性が暴走を始め混沌の中に深く沈み込む身体と意識が壁を抜けて行く既存のメディア認識により成立した世界で即席的なロマンチック•ラブが大量生産されているインスタントな愛の営みと欲求と快楽本質的なロマンチシズムに性的関係はあって
2024年9月4日 00:22
「自己治療」全ての事柄は一般的な興味に合わせて形成されている其処には本質的な答えなど無い青春とか純愛とか正義だとか其れとは全く異なる趣旨を持つ自己治療に似た行為が僕に言葉を綴らせる僕の前を車が通り過ぎる君の住む街のナンバーだったなんだか其れだけで少し嬉しくなったその景色の背後にある内面的なイメージが僕に幸せなストーリーを語りかける課題も無く物語は景
2024年8月31日 19:19
「箱庭」自然に流れる思考水路 幾つかの可能性を示唆し僕自身を導く焦点をひとつに定め鋭く意識を其処に集中させるだからと言って簡潔に要を得ている物語が降りて来る訳では無い色々な外部的価値にはたいした意味は無く想いの全てを言語化する必要も無い僕は意識と現実の中間にある箱庭に居るかつては其処にあった体制に向かい反体制の旗を掲げる事が出来たが辿り着いた場所
2024年8月30日 14:11
「選ばれし者の試練」好むと好まざるとにかかわらず何事にも支払うべき代償は付き纏ういずれにせよ 負けた人間は多くを語らない何を言っても泣き事とか言い訳にしか聞こえない其の勝負の鉄則を守り僕等は皆 黙り込む此の場所は流刑囚により開拓された街だ凶悪な暴行犯や殺人犯 何度も犯行を積み重ねた札付きだ囚人の多くは刑期を終える事無く此の場所に骨を埋めた僕等は此
2024年8月26日 00:51
「虚飾に満ちた街の空白」不調和な思想の中で僕はぼんやりとした不明確な空白を抱えていたそしてまた彼女も別の空白の中に居る薄っぺらな虚飾に満ちた街の中何処にも居場所を見つけられないでいる君を見たなんとなく僕には其れがわかった僕等は二十一世紀的では無いまわりくどい会話を交わした僕等の抱えた空白を静かに重ね合わせる事が出来たなら少なくとも僕は其れを望んでいたし
2024年8月23日 13:57
「第三世界の七面鳥」太陽が奇妙な世紀末的な紫煙に包まれている第三世界の始まりと 紫炎の暴動僕は貝殻に耳を寄せ波の音を聴きながら眠る朝が来たら出かけなくちゃいけない七面鳥の五つ目の顔はインテリジェントな眼鏡をかけていて綺麗に髭を剃り整髪しているダークな色合いのスーツに真っ白な襟をしたシャツを着ていた六つ目の顔はトレーニングウェアを着て朝の太陽の下でジョギ
2024年8月20日 18:39
「ZOO」まだ眠たげな瞳の新しい太陽だけが空にある 雲ひとつない作り損ないの風景に剥き出しになった自我を意識の中に見た深い孤立のうちに時が過ぎた特殊な大陸の様だ世界で一番古い魔法を使う毒蛇と進化の過程で太陽の炎に焼かれて孤絶した人々の影が揺れていた中華街にあるレストランでは趣味に合わない服を着せられて無理に引っ張り出された様な不機嫌なウェイトレスをク
2024年8月19日 17:30
「無色の遺書」僕等の街には太陽の光が惜しげも無く降り注ぎ緑の丘の斜面には朝霧がたなびく透けて見える様な薄い雲が空には幾つか浮かんでいた人生の指導者と呼ばれる人がよくとおる声でしっかりとした語尾で何かを話している僕はぼんやりと芝生に降る紫外線の筋を見ていた人々は自分をすり減らす術を集団で探求し指導者の言葉に相槌を打つ彼等は皆 無口だった きっと自分