マガジンのカバー画像

また読み返す創作大賞応募作品

290
応援したい2024年「創作大賞応募作品」をまとめています。①♡②コメント③感想文④note内で紹介 いずれかの方法であなたを応援しています。いっしょに創作大賞を盛り上げていきまし…
運営しているクリエイター

記事一覧

自分の強みをどう伸ばすか:凡人のための戦略的自己成長論

自分の強みをどう伸ばすか:凡人のための戦略的自己成長論

私のことをエリートと勘違いする方がいますが、九州の片田舎の公立中学校で内申点がオール3、高校で英検2級に落ち、大学のTOEICは400点というザ・凡人です。

アメリカのトップスクールや国際機関を目指すことになったのは大人になってからで、戦略的にならざるをえない状況でした。ライバルはみな中学生の頃から偏差値表のトップにいるような人たちや帰国子女ばかりでした。

戦略的な成長とは、自分の全ての能力を

もっとみる
『妻が怒りの赤鬼化』

『妻が怒りの赤鬼化』

『何やってんの!!』

『早くしなさい!!』

『自分でやりなさい!!』

そろそろ7才を迎える長女はいつも怒られてばかりだ。

子供が親から怒られる1番の時期かもしれない。

自分もそうだった様に思う。

当時の僕は、その奥に深い愛が存在していて、将来を思われているが故に怒られているとは考えもしない。

【ママ、こわ】

きっと長女もそうだろう。

先日、初めての授業参観が行われた。

仕事との

もっとみる
【創作漫画】枯れない愛は宙を舞う

【創作漫画】枯れない愛は宙を舞う

あらすじ
「サボテンの花言葉知ってる?」優里の質問を「知らないよそんなの」と一蹴する彼。その言葉に「あの人」とはちがうと安堵するが、ある日帰宅すると彼から意外な言葉をかけられ──。

インド民の代表的言い訳とその対応 ①

インド民の代表的言い訳とその対応 ①

インド民はとにかく何かにつけて「言い訳」を唱えてくる。まず、インドに着任してイライラするのはこのインド民のコミュニケーションモードである。これはインド民の自己防衛本能の一種であるが、実際に部下や取引相手として対峙した場合にはなかなか手ごわい。その結果、彼らとの議論が面倒臭くなり、適当にやり過ごし、こちらが相手の主張を飲み込んでしまった場合、インド民は、「やはり俺が正しかった」と本気で思いこむ。よっ

もっとみる
【note創作大賞2024/漫画原作部門】天界食堂の調査官 第一話

【note創作大賞2024/漫画原作部門】天界食堂の調査官 第一話

※この話は「2023 週刊少年マガジン原作大賞」の企画書部門にて中間選考を通過した下記企画書作品を加筆修正し小説化したものです。

第一話 1日3回食事をするとして、80年間で8万7600回食事をするらしい━━。
 最後の食事、その時自分は何を食べたいと思うだろうか。


 真白歩(ましろあゆむ)は徹夜続きの体を引きずって歩いていた。
 時刻は深夜3時。夜の住宅街はとうに寝静まり、街灯だけがポツ

もっとみる

「お見合いが嫌なのでギャルのふりをしたら、相手が初恋の人でチョベリバでチョベリグでテンサゲでテンアゲ↑↑」第1話

《あらすじ》
淑子はギャルだ。普段から、ギャル語を話し、キラキラしたネイルに童貞を殺すセクシーな服、髪は勿論、盛りに盛っている。
嘘である。
不仲な叔父に強制されたお見合いをぶっ壊すために、ギャルのふりをしただけであった。
だが、なんと、お見合い相手は高校時代の後輩で、初恋の人でもある行永だった。
事情を説明しようとしたものの、行永がギャルが好きだと言い出し、つい、このまま演技続行することにしてし

もっとみる
フラワーシンドローム 第一話 治療代わりのファーストキス【創作大賞2024 漫画原作部門】

フラワーシンドローム 第一話 治療代わりのファーストキス【創作大賞2024 漫画原作部門】



■ あらすじ

平凡な高校生すずはある日、自分の身体の異変に気づく。
汗が花びらに変わり、胸には見覚えのない花の形をした痣。
それはフローラシンドロームの「フローラ」の症状だった。

フローラシンドローム、必ずペアで発症する病。
全身に花を咲かせて死に至ってしまう「フローラ」フローラの特効薬になれる「アピス」
フローラを救うためには、
定期的にアピスがキスをすることが必要!?

フローラになっ

もっとみる

「死、のち殺人」第1話

あらすじ

主人公は目覚めると別人に憑依していた。記憶はなく、自分が死んだことしか知らない。体の持ち主であるバンドマンとして徐々に生活に順応していくが、十日後に突然風俗嬢に憑依してしまう。実は主人公のような死者は別人への憑依を一定期間ごとに四回繰り返し、その間に生前の未練を晴らさなければ悪霊化して殺人を犯してしまうのだった。
主人公は自分の生前の未練が何かを探り、晴らそうとするが――

第1話 

もっとみる
完璧な家族 首縊りの家

完璧な家族 首縊りの家

あらすじプロローグ 鷹村 翔太

 その空き家は、丁字路の突き当たりに門を構える、平屋の一軒家だった。

 屋根付きの門には蔦の代わりに虎ロープが張り巡らされている。壊れた扉は半開きで、ロープの効果はなさそうだ。

 長い間、風雨に晒されて、黒く腐った柱は緑色に染まり苔むしている。

 空き家を囲む高いブロック塀から、鬱蒼とした枝葉がはみ出して、蔓性植物が巻き付き、いよいよ野放図に生い茂っている。

もっとみる
大阪城は五センチ《 8 》 【創作大賞2024】

大阪城は五センチ《 8 》 【創作大賞2024】

《1》《2》《3》《4》《5》《6》
《7》《8》《9》《10》《11》《最終話》
<back                  next>

土曜の昼間だというのに、駅舎前は無人だった。

道路をまたいで架かる、白いペンキを塗りつけたべニアで作られたアーチの「歓迎」の文字が、薄曇りの空にはっきりと赤い。立ち止まって写真を撮ると、シャッター音があまりに駅前にひびいたので、思わずスマホのマイクを指で

もっとみる
見えても見えなくても

見えても見えなくても

週末、ピアノジャズをBGMにゆっくりポテトチップをつまみにワインを飲む。娘が小さい頃は夫と定期的に楽しんでいた。この数年、そこに娘が加わるようになった。
娘はお茶、私と夫はワインでポテトチップを囲むのをいつからか「ポテチ会」と名付けられた。私と娘のどちらかが話始め、のんびりと夫がそれに答える。話したい人が話したいことを話す。日常の夕食での会話ではなかなかできない話題になることが多い。
将来のことを

もっとみる
大阪城は五センチ《 1 》 【創作大賞2024】

大阪城は五センチ《 1 》 【創作大賞2024】



脱いでいた服を身につけた後は、宇治のそばにいる資格をすっかり剥奪されたような気持ちになる。

バスルームに水の音が響くのを聞きながら鏡台の前に立ち、クリーニングしたてのスラックスをしっかり引き上げ、新品のセーターの裾を整えた。申し訳程度に眉を書き足し、色付きの薬用リップを塗っただけのささやかな顔が、鏡の中から心配そうにこちらを見つめ返してくる。励ますようにショルダータイプのスマホケースを肩から

もっとみる
いつか、青果売り場で売られる梨を見て泣く日がやって来る

いつか、青果売り場で売られる梨を見て泣く日がやって来る

実家で暮らす犬の好物は沢山あるが、その中でも一等好きなのが梨だ。林檎ではなく、梨だ。

林檎であれば一年を通してスーパーなどで購入出来るものの、季節の果物の梨となればそうもいかない。それに、林檎と比べれば梨は高価な果物でもある。そんな人間の懐事情もあって、可能であれば、ほんと出来る範囲内で構わないからこちらも好物として頂いて…といった具合にカットした林檎の提供を試みたこともあったのだが、ふんっと嘲

もっとみる
青いセーターと、父の話。

青いセーターと、父の話。

「あのさ。こんどお義父さんに、セーターを贈るのはどうかなあ?」

息子と手をつないで休日のショッピングモールを歩いていたら、思い出したように夫が言った。
もうすぐわたしの父の誕生日なのだ。

そういえば、誕生日も父の日も夏の時期だからか、これまで父に贈るものは半袖のシャツやハーフパンツのような夏物ばかりだった。

「セーターかぁ。いいんだけど、あれがあるよ。ほら、あの青いセーター。」

「うん。で

もっとみる