Noraneko⁠

おいしいものと、ワインと旅が好き。 すこし繊細な息子との日々のことなど。 出版社勤務→2024年からフリーランス

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おいしいものと、ワインと旅が好き。 すこし繊細な息子との日々のことなど。 出版社勤務→2024年からフリーランス

最近の記事

70代になった両親との小さな変化。

「わたしが運転するよ」 いつものようにそう言ったら、この日は母が 「お父さん、お願いしたら?」と父の顔を見た。 父が少し逡巡したのち、素直に車のキーを渡してきた。 先週末、久しぶりに両親と出かけた、2024年11月17日のことである。 わたしは心の中でこの日を「ハンドル記念日」と名付けた。 実は長い間ずっと、心のどこかで気になっていた。 年老いた両親と、寄りかかる側、そして寄りかかられる側の役割をバトンタッチするのは一体いつなのだろう。と。 ここでいう役割というの

    • 子どもに「早く寝なさい」は、もう言わない。

      フリーランスで受けてる書籍の仕事で色々しわ寄せがあって、この3週間ほぼ外に出ていない。 ダイニングテーブルの片隅でパソコンだけを見つめて生きているわたしに、夫が声をかけてくれた。 「結婚式をあげた10月の週末は、軽井沢にいこう」 10年前の先週末、わたしたちは軽井沢で結婚式をあげた。秋晴れの美しい日に挙式したいと願ったのはわたし。 小さな頃から、秋が一番好きだった。 久しぶりに外に出たら、夏との空気の違いに驚いてしまう。 思わず背すじが伸びるような清潔感。 きのこ、どん

      • 人は死んだらどうなるの?怖がる7歳に伝えたこと。

        先日テレビを見ていたら、ドキュメンタリーのような番組で一家のお母さんが涙を流しているシーンがあった。 それを見た息子は驚いたように、「大人でも、泣くことってあるんだね」といった。 「ぼく、パパが泣いたの見たことない。でも、ママは1回あるよ」 「えっ」 どきっ、とした。 いつだろう。子どもの前で泣くようなことが、あっただろうか。 「ぼくが、お誕生日にお手紙あげたとき」 ああ、……そうだ。そうでした。 少し前のことだけど、わたしの誕生日に息子がくれた絵と手紙を読んで

        • 最高の夏休み、旅先3週目の変化。

          ※※夏休みの1ヶ月半、7歳の息子とオーストラリアで過ごしています。春に退職しフリーランスになったことで実現した、はじめての長い夏休みの話。 ※※ 現在オーストラリアのQLD州では、この8月から半年間、トラムや電車、バスなどの公共交通機関がどこまで乗っても片道50セント。しかも子どもは無料! 旅行者にとっても大変ありがたい制度。 というわけでサマースクールが終わった後半は、連日電車やらトラムに乗ってあちこち行ってるのだけど、この週末は2日連続ゴールドコーストでパシフィック

          7歳息子との夏休み:親子留学体験

          今年の夏休みは8月末まで、息子とオーストラリアで過ごす予定になっている。 オーストラリアに来て半月以上が経つけれど、こちらはさわやかで涼しい気候。わたしも息子も日本から引きずってきた夏バテと疲労を回復し、毎日のなにもかもを新鮮に感じて心地よく過ごしてる。 わたしは前に来たときも同じことを思ったのだけど、これが初海外の息子も生き生きとしてる気がする。水が合うって、こういうことを言うんだろうか。 今回、息子が2週間のジュニアキャンプに通うあいだ自分も語学学校の大人のコースを

          7歳息子との夏休み:親子留学体験

          青いセーターと、父の話。

          「あのさ。こんどお義父さんに、セーターを贈るのはどうかなあ?」 息子と手をつないで休日のショッピングモールを歩いていたら、思い出したように夫が言った。 もうすぐわたしの父の誕生日なのだ。 そういえば、誕生日も父の日も夏の時期だからか、これまで父に贈るものは半袖のシャツやハーフパンツのような夏物ばかりだった。 「セーターかぁ。いいんだけど、あれがあるよ。ほら、あの青いセーター。」 「うん。でももう一着あってもいいんじゃない」 「でも、あれ似合ってるからなぁ。最近買った

          青いセーターと、父の話。

          旅の準備を、少しずつ。

          仕事が立て込んでた日々がようやく終わり、 気づくと7月になっていた。 新しいスマホをネットで買ったものの、なんやかんやでその開封すらできずに2週間。 はじめからこうなることは分かっていたのだ。 締切が重なっていたし、そもそも「厳しいと思うから、気にせず断ってほしい」という依頼だった。 でも、ひと晩悩んでから、受けてみることに決めた。 まだこのフリーランスとしては駆け出しでどのくらいの量をこなせるのか知りたい気持ちがあったし、これまでやったことのない内容に少し興味もあった

          旅の準備を、少しずつ。

          息子と冒険するため、会社員をやめてフリーランスになった。

          1月に、今年の抱負についてこんな記事を書いたのです。 「生き方を少しずつ、変えてみる。」 実は春をすぎて、その一歩をおそるおそる踏み出してみました。  わたしはもう会社員じゃなくなった。 フリーランス、ということになるんだろう。 会社をやめても、仕事はありがたいことに引き続き以前の編集部から案件ごとの外注という形でいただいている。 コロナ禍に思い切って買ったiPadproがようやく陽の目をみることになった。 場所や時間にとらわれない働きかた。それについては以前からぼん

          息子と冒険するため、会社員をやめてフリーランスになった。

          こどもは余白の時間で、世界を旅する。

          ママ!これ見て! 去年うめジュース作ったの6月13日だってー! 納戸から息子が、まるで大発見のテンションで 大きな保存瓶を抱えて走り出てきた。 うめじゅース つくったひ 6がつ13にち 去年のラベルがそのままになっている。 今年もやりたい!ぼくやる! ぼくが、ぜーんぶやるからね!! わ、そういえば、そんなものが。 今年はすっかり忘れていたなあ。 そして思ったのだ。 こどもというのはどうしてこう、納戸が好きなのだろうか。 窓もないし、昼間だって薄暗いわが家の納戸は

          こどもは余白の時間で、世界を旅する。

          note1年記念日に、思うこと。

          noteをはじめて書いた日から、ちょうど1年が経ったみたい。 そういえば、1年前は宿題をやるのにも毎日ひと苦労だったんだなぁと、これを見て思いだした。 【はじめてのnote】 「やりたくなくても、やらなきゃいけないことをする」ということと、いつのまにか彼は彼なりに折り合いをつけて、受け入れてきたのだなあと、この一年の成長を振り返った。 宿題もときどき文句を言うことはあるけど、当たり前のようにやるし、ノートや連絡帳を書く字もびっくりするくらいに濃くきれいになった。 明日

          note1年記念日に、思うこと。

          そうじ係をエンジョイするわが子が、ただ尊い。

          夕方、帰宅した息子がランドセルをほうり投げるなり言ったのです。 「帰りの会で、あしたゴミを10コひろった人にプレゼントをあげるって言ったから、シュリケンつくるの手伝って!30コはひつようです」 な、なんですか急に? 手裏剣?! って、折り紙? あげるの?誰が?誰に? 寝耳に水すぎて状況把握に3分ほどかかった。 どうやら息子はクラスで教室をきれいにする おそうじ係になってるらしいのだけど、 毎日ごみを拾っても拾っても新しいのが落ちていてきれいにならない。 そこでクラスみ

          そうじ係をエンジョイするわが子が、ただ尊い。

          はじめての4人家族体験。

          我が家は3人家族なのだけど、先日のゴールデンウィークに1日、妹宅の2歳児(男の子)を預からせてもらった。 その前の2日間はみんなで遊んだりしてたから、もうお互いに慣れたもの。 昔あげた息子とお揃いの帽子をかぶってきてくれて、誰がどこから見ても兄弟のふたり。我が家にとってはわくわくの4人家族体験である。 「ちょっと今イヤイヤがすごくてすぐ爆発するから、大丈夫かなぁ」 妹は心配していたが、これがもう、ほんとうに白目を剥くほどややこしかった。 時たま、イヤヨォ〜とかいう2歳

          はじめての4人家族体験。

          7歳の子が習い事で得たもの。

          息子はいま、習いごとをいくつかしているのだけど、最近改めて思う。 習い事って、やっぱり素晴らしい!!と。 習い事って、なんか少し親のエゴみたいなイメージがあって、実際我が家も最初のスタートはそうだった。 みんなやってる公文や英語系のお勉強ではなく、運動系ばかりになったのは、実は運動のほうが苦手そうだからという理由にすぎない。 こどもの得意を伸ばそうという昨今の風潮にあって、この後ろ向きな理由はどうなのかと思ったけれど、赤ちゃんの頃から何もない場所で頭から転び、犬神家の一

          7歳の子が習い事で得たもの。

          こんな日には、「だいじょうぶだよの歌」を歌う。

          大人になったって、わたしはやっぱり新年度が苦手なんだなぁと改めて思う今週。心がざわざわとしていて、なんだか落ち着かない。 息子は2年生に進級して、クラス替えがあった。 保育園から仲良しの子と、一年で仲良くなった子達とは別のクラスになり、息子によれば何より先生がとっても厳しい人になったのだそうで、あまり人としゃべることなく帰宅したという、3日め。 「2年生って、厳しすぎる」と帰るなり言っていた。 昨日からかなりストレスを感じてそうな様子なので、まっすぐ帰宅できるようにしたら

          こんな日には、「だいじょうぶだよの歌」を歌う。

          【結論】偏食っ子には一品弁当でよい。

          明日から小学校の新年度がはじまる。ということで、春休みのお弁当生活は一旦ひと区切り。 我が家の偏食ボーイ、色々と食べるものも量も増えたとはいえ、これが弁当となるとそのハードルは途端に高い。 「あんたには人の心ってもんがないんかね!!」と叫びたくなるくらい、容赦なく残してくる。 喉もと過ぎてすっかり忘れてたけど、去年の夏休みに、そういえば一旦心が折れたんである。 いつも半分くらいは生ゴミいき。 ウインナーだけしか食べてこない日も幾度かあった。 そうなればこっちは当然毎回、

          【結論】偏食っ子には一品弁当でよい。

          一年生の自由帳は、一生の宝物。

          小学校もあと数日で一年生が終わる。 この一年、ほぼ毎日のように息子は家に「おみやげ」を持って帰ってきた。 ドアをあけるとたいてい「今日はすっごいいいものがあるよ!なんでしょう?」と言って、待ちきれないようにランドセルを放り投げ、ガサゴソとなにか出してくる。 最近のブームは肉らしい。 ギャートルズを彷彿とさせるでっかいハリボテの肉。 この肉はある日学童から持ち帰ってきて以来、捨てても捨てても新しいのを何本も量産してくる。 家からランドセルに肉を一本入れて登校することもあ

          一年生の自由帳は、一生の宝物。