記事一覧
2024年 8月 短歌まとめ
連作久しぶりのドライブ
ゴトゴトと海岸線を汽車は行く 車窓が切り取る恐怖の青さ
いくつになっても私は父母の子であるらしいひかる白桃
ばあちゃんの卒塔婆を積んだ白ワゴン 久しぶりにドライブしようか
父に似た老人を見る 夕空に ノアザミ シオン 風の匂いに
紅色の百日紅逝く高架下 夏まで待てないと言ったきみ
週末は雨
憂鬱なこどもになった白い夏 窓の外で揺れるぬいぐるみ
労働に向かぬ身
夜の気付き - 一人称
寝る子がぐんぐん育っている丑三つ時、Creepy Nutsの「ビリケン」をセルフエンドリピートで3時間ほど聴いていた。もちろん明日も仕事だ。
ラジオでRさんが話していたが、この曲はRさんにお子さんが誕生したことがきっかけで完成した楽曲だ。
リリックのここだけで、Rさんがわが子に対してどのくらいの愛を持っているかを感じ、立ちくらみがした。(すな)
し
か
も
Rさん、「お父ちゃん」って言
2024年 3月 短歌まとめ
連作日々溺々(おぼおぼ)
暮らしから逃げたくなって走っては疲れて気づく 暮らしにいると
気がつけば頁をめくる時間すらなくて栞がちいさく眠る
血がにじむ 生きているからまた転ぶ 立ち上がるため今、息を吸う
ヘルジャパン産めと容易くいうけれど わたしのいのちはわたしのいのち
悪魔の実 食べたらただの悪者になるだけの人生な気がして
春らしさ
一年のインクの厚み「完了」と大きく躍るとめ、は