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結婚と寿命と。
私は「結婚しないよ」と親戚中に伝えている。
うちの親族は離婚率も未婚率も非常に高いので、今更おおごとになったりはしない。
「結婚したち幸せんなるとは限らんけん」
「好きなように生きないかんわ」
といった感じだ。
むしろ、てめえは赤の他人だろ!という方々のほうが「えいお嫁さんになるねえ」「孫の顔を見せちゃらないかんねえ」など余計なお世話を焼いてくださる。はは!
さて、先日誕生日を迎えた私に、大叔母から電話があった。大叔母は昨年亡くなった私の祖母の妹にあたる人であり、小さい頃から今までしっかりガッツリお世話になっている。
「あんたもう二十四になったか!二十二ばあかと思うたに、びっくりよ」
これは私もびっくりである。自分が二十四歳とは何ごとなのだろう。(そして大叔母よすまない、気持ちはまだ三歳である)
「けんど、まだまだこれからやけんね。無理せんと頑張ったよ。おばちゃんはね、いのるの結婚式まで生きないかん」
大叔母はたまにこういう軽口をたたく。もちろん私が結婚の意思がないことも知っての上で。
私は特に気にせず『何十年先になるかわからんけんどねえ』と答えた。
すると、
「やけん、一生生きれるやいか!」
と返ってきた。
予想外すぎて大爆笑した。
私の結婚願望の無さに寿命をベットして大丈夫なのかはさておき、本当に一生生きてくれる気がした。命は有限のものだと重々承知だが、私が私でいるだけで、すこやかに生きてくれるはずだと思った。
結婚しないとなれば、一生生きてもらって。
何かのご縁で結ばれれば、それはそれで見てもらおう。そしてその場合も一生生きていてほしい。
今年は、大叔母の優しいジョークに包まれながら誕生日を終えた。ついでに夏を迎えた。私はずんずんと生きていきたい。進むべき道を己の足で。