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2024年2月の記事一覧

【ことわざ】跳ぶ前に見よ Look before you leap(Judas Priest / Freewheel Burning)

【ことわざ】跳ぶ前に見よ Look before you leap(Judas Priest / Freewheel Burning)

「見る前に跳べ」とどっちがどっちだか分からなくなることがあるのですが、調べてみてわかりました。
後者は大江健三郎さんの小説のタイトルだったのですね。
読んだことはないですが。

今回の標題の方は、
Judas Priest / Freewheel Burning(1984)から。

簡単に言うとチキンレースみたいな曲で、  

とか歌っています。いいですね。若いです。
ケガしないでね。

そして歌

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未練がましい仮定法過去の could 「お前はおれの女になれたのに」(Guns N' Roses / You could be mine)

未練がましい仮定法過去の could 「お前はおれの女になれたのに」(Guns N' Roses / You could be mine)

仮定法過去のcould といえば、
なにはともあれ Guns N' Roses の You could be mine。
『ターミネーター2』(1991)の主題歌としても有名でしたね。

「お前はおれの女になれたのに」には、
「おれの言う通りにしていれば」という
願望、傲慢さ、責任転嫁、後悔がないまぜになっていて、
いいタイトルだなあ、と思います。

最後は You could be, you s

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許したいけど許せない仮定法過去の could 「できればそうしたいけど…」(Dizzy Mizz Lizzy / I Would If I Could But I Can’t)

許したいけど許せない仮定法過去の could 「できればそうしたいけど…」(Dizzy Mizz Lizzy / I Would If I Could But I Can’t)

このテーマで次に思い出すのは、
デンマークのバンドDizzy Mizz LizzyI Would If I Could But I Can’t(2016)。

許したいけど許せない、でもあきらめきれない別れの歌。

タイトルはオリジナルのフレーズではないようですが、
助動詞を3つ使って、反実仮想「できたらそうしたいけど」と、現実「でもできないんだ」を歌っています。

しかし邦題が「アイ・ウッド・イ

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そいつに手を出すな!動詞 touch

そいつに手を出すな!動詞 touch

久しぶりに『エイリアン』(1979)を観ていたら、
チェストバスターがブシューッと出てきた場面で、
ナイフを構えたパーカーを、
アッシュが Don't touch it! Don't touch it! 
と言って制止します。

そこが字幕では「手を出すな!」
となっているのです。

さすがです。さすがプロです。
わたしなら「そいつにさわるな!」
とでも訳しちゃっていたでしょう。

辞書を見ると

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もはや制御不能【形容詞】automatic(Amaranthe / Automatic)

もはや制御不能【形容詞】automatic(Amaranthe / Automatic)

宇多田ヒカルさんの Automatic を初めて聞いた時、
ラブソングにこのタイトルを持ってきたことに衝撃を受けた覚えがあります。

当時(今も?)オートマチックといえば、
オートマ車とか全自動洗濯機とか、
「便利だけど機械的で融通の効かないもの」
というイメージがあったと思います。

それをラブソングに持ってきて、
しかも特大ヒットさせて、
なおかつまだ15歳とは…

そして、こういう英単語の使

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「もんすたあ さぷらいずど ゆう」他動詞 surprise

「もんすたあ さぷらいずど ゆう」他動詞 surprise

このフレーズを知っている人は日本に数十万人はいらっしゃると思いますが、
一応説明しますと、
ドラクエで有名な堀井雄二さん原作のアドベンチャーゲーム『ポートピア連続殺人事件』(1983)で、
クライマックスの地下迷路の壁に書いてある落書きです。
本編とは全く関係のない、本当にただの落書きです。

元ネタは地下迷宮探索型RPGの元祖『Wizardry』(1981)で、
モンスターに先制攻撃された時のメ

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くびをはねられた! 他動詞 decapitate

くびをはねられた! 他動詞 decapitate

物騒な話ですか、前回の続きです。

RPG の元祖Wizardry ではクリティカルヒット(通常より大きなダメージを与える攻撃)は、
be decapitated と表現されます。

打ち首です。
大ダメージというか、即死です。
昔のゲームはハードでした。

さて問題はドラクエです。
敵にクリティカルヒットを与えたときには「会心の一撃」、
敵にクリティカルヒットを与えられたときには「痛恨の一撃」

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【構文】肯定文で訳す too ... to 構文(Fair Warning / When love fails)

【構文】肯定文で訳す too ... to 構文(Fair Warning / When love fails)

今回紹介するのはドイツのメロハー(メロディアス・ハード)ロックバンド Fair Warning の When love fails (1992)です。

湾岸戦争のニュースを聞いて作られた曲だそうですが、
そのメッセージは普遍的だと思います。

ところでこの too … to 構文が日本人にとって難しいのは、
肯定文なのに否定を意味しているからだと思います。

例えば日本語で「うますぎる」「おもし

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【広東語】モグワイ

【広東語】モグワイ

懐かしの『グレムリン』(1984)の解説動画を観ていたら、
「モグワイは中国語」と聞いて驚きました。

調べてみると確かに、妖怪を意味する広東語「魔怪」(mo1 gwaai3)から来ているとのこと。

うかつでした。
ロックバンドの Mogwai の存在も知っていながら、
まったく気が付いていませんでした。

映画の舞台は明示されていないようですが、
広東省出身者の多いマンハッタン近辺なのでしょう

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ハリネズミにしてくれる!他動詞 feather

ハリネズミにしてくれる!他動詞 feather

コナンの小説(未来少年でも名探偵でもなく、バーバリアンの方です)を読んでいたら、次のような文章がありました。

冒険者コナンが、南海の孤島で財宝をめぐり、四つ巴の戦いを繰り広げている場面です。文中の「あの野郎」こそ、いま絶壁の上にいる風雲児コナンです。

ちなみにご存じない方のために、狂戦士コナンとはこんな感じのナイスガイです。

さて、上の引用文で私が引っかかったのは feather です。

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大河のように広く、夢のようにでっかいスマイル【構文】as … as ...

大河のように広く、夢のようにでっかいスマイル【構文】as … as ...

19世紀初頭のアメリカ、太平洋へと陸路で探検したルイスとクラークの二人が出会った場面なのですが、いや〜熱い!

「固い握手を交わした時、二人の顔に浮かんだ微笑みは、オハイオ川のように広く、彼らの夢と野望のように大きなものであったことを、誰が疑うことができましょう」って講談みたいですね。

アメリカには神話がないって言われますけど、ありますね。

しかし100ベージ以上読んでまだ探検が始まらないとは

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垂涎【自動詞】Water

垂涎【自動詞】Water

宮崎駿監督最新作『君たちはどう生きるか』に影響を与えたと言われる児童小説より。

異世界に迷い込んで冒険中のハラペコ少年が、白雪姫の家でウサギの丸焼きの匂いを嗅いだ場面です。

この water は「〔食べ物によって口に〕よだれがたまる」(英辞郎)という意味の自動詞で、「〔目が〕涙を流す」という用法も紹介されています。

昔から違和感があります。

唾液や涙に「水」と同じ単語を使うとは。アングロ・

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二十の顔を持つ【名詞 】mosquito

二十の顔を持つ【名詞 】mosquito

この本によると、19世紀初頭に北米大陸を横断した探検家のルイスは、その日誌で mosquito を25回も間違えて musquetoe と綴り、相棒のクラークはさらに独創的で、mesquetors, misqutr, musquetors など、少なくとも20種類の誤った綴り方で記していたそうです。(p.114)

これほど身近な生き物について、なぜこんなにも間違えたのでしょうか?日本人が間違えて

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very special は「とても特別」なのか

very special は「とても特別」なのか

special とは only one のようなもので、そもそも並びなきものですから、very をつけて強調するのは過剰では?と思ったのですが、調べてみるとふつうにある表現でした。

では日本語の「とても特別」はどうかと思って調べてみましたが、これもふつうでした。あまつさえ「一番特別」という表現さえあるのでした。じゃあ無印の「特別」って、もはや「特別」とは言えないのでは?そもそも special

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