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「もんすたあ さぷらいずど ゆう」他動詞 surprise

このフレーズを知っている人は日本に数十万人はいらっしゃると思いますが、
一応説明しますと、
ドラクエで有名な堀井雄二さん原作のアドベンチャーゲーム『ポートピア連続殺人事件』(1983)で、
クライマックスの地下迷路の壁に書いてある落書きです。
本編とは全く関係のない、本当にただの落書きです。

元ネタは地下迷宮探索型RPGの元祖『Wizardry』(1981)で、
モンスターに先制攻撃された時のメッセージ Monster surprised you ! です。

このゲームにはまっていた堀井さんが、
ギャグとして自分のゲームに入れたのでしょうが、
元ネタを知らない当時のファミコン少年たちは、
何か重要なヒントだと思って頭を悩ませたものです。

さて問題は、モンスターに奇襲されて、
プレイヤーが「驚いた」(自動詞)のではなく、
モンスターがプレイヤーを「驚かせた」(他動詞)と表現されている点です。

昔聞いた話では、あちらの人は、
人間は自発的に「驚く」事はできない、
常に何かに「驚かされる」と考えるのだ、というのです。
そのため英語には「驚く」という意味の自動詞は存在せず、
「驚いた」は be surprised という受動態で表現されるのだそうです。
もちろん「興奮する」be excited とか「がっかりする」be disappointed なども、同様です。

理屈としては納得できます。
しかし、ではなぜわたしたち日本人は「驚く」と言えるのでしょうか?

もしかすると、
自動詞・他動詞という分け方は日本語には当てはまらないのかもしれませんし、
「驚く」は自動詞だとしても、
驚いているのは「私たち」ではないのかもしれませんね。

ちなみにドラクエでのサプライズ・アタックは、
〜はいきなりおそいかかってきた!
と表現されています。
ナチュラルで、小学生にも分かります。

こういった健全な言語感覚も、
ドラクエの成功の要因の一つではないでしょうか。









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