二十の顔を持つ【名詞 】mosquito
この本によると、19世紀初頭に北米大陸を横断した探検家のルイスは、その日誌で mosquito を25回も間違えて musquetoe と綴り、相棒のクラークはさらに独創的で、mesquetors, misqutr, musquetors など、少なくとも20種類の誤った綴り方で記していたそうです。(p.114)
これほど身近な生き物について、なぜこんなにも間違えたのでしょうか?日本人が間違えて「か」を「き」や「ぺ」と書いたり、「蚊」を「虻」や「蛤」と書いたりする、といったことはまずないでしょう。
確かに mosquito は英語にしては異質だと思ってちょっと調べてみました。この記事によると、蚊はもともと英国では gnat と呼ばれていましたが、新大陸でラテン語由来のスペイン語やポルトガル語から mosquito をとりいれたとのこと。
なるほど。しかしではなぜ gnat を捨て、mosquito などという、ややこしい綴りの方を取り入れたのかは、この香港の英字新聞からは分かりませんでした(その部分が有料だったので)。ご存知の方がおられたら教えてください。
というわけで、元手のかからない想像力を駆使してみるに、「なんとなく、かっこよかったから」ではないでしょうか。「ガバナンス」とか「アジェンダ」とか、言ってみたいのといっしょだったんじゃない?