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あたりまえの日常を手紙に

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わが子が15歳になったときに渡す手紙です。
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#手紙

#39 いつか思い出させる身体の記憶

#39 いつか思い出させる身体の記憶

(4歳のわが子が15歳になったときに渡す手紙です)

君は最近、ボディボードや浮き輪を楽しむようになりました。ついこの前まで、波を怖がって、水に顔をつけるのも戸惑っていたのが、嘘のようです。

水位の深いところは怖がり、浅瀬でずっと遊んでいるあたりは、しっかり者の君らしいです。大自然を全身で感じつつ、その怖さも知る。そんな経験になっているようです。

今の君は、海や山に行くことはありますか。どんな

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#37 あの人がいるから、頑張れる

#37 あの人がいるから、頑張れる

(4歳のわが子が15歳になったときに渡す手紙です)

君は最近フラフープにハマっています。(発音が難しいようで、フラウーフと言っています)

最初は、一生懸命腰を振っても、すぐにフラフープを落としていました。しかし、練習を重ねると、バランスをとってフラフープを腰で回すことができるようになってきました。

4歳児が、腰をフリフリしている姿はなかなか可愛いものでしたよ。もうフラフープなんて何年もやって

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#36 自分の名前をつけ直す

#36 自分の名前をつけ直す

(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)

最近、君はお手紙を書くようになりました。お手本がないとうまく書けない文字もありますが、自分が言いたいことを書いています。

その中で、君は必ず友達の名前をフルネームで書きます。友達と遊んだことを話すときも、必ず苗字と名前の両方を言います。私は「あいちゃん(仮名)と遊んだの?」と言うと、君は「違う!田中あいちゃんと遊んだの!」と訂正をします。

なか

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#35 「できないことは、やりたくない」

#35 「できないことは、やりたくない」

(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)

君は最近、「できない。いや!」と大きな声で拒否することが増えています。

ひらがなを書き写しているとき、上手くできなくて「イヤ!」
着替えるとき、スパッツが上手くはけなくて「イヤ!」
お箸で、上手くご飯が食べられなくて「イヤ!」

イヤイヤ期なんて、とっくに終わっているのに、やたらと「イヤ」と言っています。私も困って、それならやらなくていい!と怒る

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#34 人の話を聴ければ、人生が豊かになるよ

#34 人の話を聴ければ、人生が豊かになるよ

(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)

君は幼稚園に通って、数ヶ月が経ってだいぶしっかりしてきました。なんたって、帰ってきた明日の予定を詳細に説明できるんですから。

「明日は体育があって、跳び箱と鬼ごっこをやる。体育する服を着ていくんだよ」と、明日何が行われるのか、何が必要なのかを理解しています。しっかりものです。

今でも、人の話をしっかりと聞いて、内容を理解していますか。

幼稚園

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#33 「お前って言ったらいけないんだ」

#33 「お前って言ったらいけないんだ」

(4歳のわが子が15歳になったときに渡す手紙です)

誰に教わったのかわかりませんが、君は両親が「お前」という言葉を使うことをひどく嫌います。「お前何やってんだよ」とポロっと言うと必ず「あ、お前って言った」と指摘が入ります。

私も君にそんなことを教えた記憶がないので、きっと何かの動画や幼稚園で聞いたことなんでしょう。子どもに言葉遣いを注意されるなんて、考えたこともありませんでした。

今でも君は

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#26 自分の心を描く、絵の具を増やそう

#26 自分の心を描く、絵の具を増やそう

(4歳のわが子が、15歳になった時に渡す手紙です)

最近、弟からイタズラを受けて、泣くことが多くなっています。見ているテレビを消されたり、遊んでいるおもちゃを取られたり、理不尽な行為を受けています。見ているこちらも、ちょっと可哀想ってくらいです。

しかし、君は偉い。本当はすぐにでも、やり返したい。おもちゃを取り返したい、そんな気持ちを抑えて、「返して」と言葉でコミュケーションを取ろうとしていま

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#22 心が、かくれんぼしないように

#22 心が、かくれんぼしないように

(4歳のわが子が、15歳になった時に渡す手紙です)

「パパは、なんで家にいるのにお仕事して、お休みじゃないの」
最近、君から受けた質問です。

この文章は、新型肺炎が世界中に広がり、リモートワークで家にいることが多くなり始めた時に書いています。(これを読んでいる時には、どんな風に2020年のことを語っているんでしょうか)

仕事は会社に行くもの。だから、君も父親が家を出て行かなかったら仕事ではな

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#20 涙の理由がわかる人でありたい

#20 涙の理由がわかる人でありたい

(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)

君は、どちらかというと親の言うことを聞く良い子でした。自分の主張することはありますが、結構、相手の顔色を見て行動を変えるところがありました。

そんな君でも、よく夜遅くにキャーキャーはしゃぎすぎて、「うるさい!」と母親に怒られています。

ただ、先日は怒られただけとは考えられないくらい大泣きをしました。しゃくるように泣き、この世の終わりを察したかのよ

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#19 2030年、真剣勝負をしましょう。

#19 2030年、真剣勝負をしましょう。

(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)

「どこか、遊べる楽しいところに連れてって!」

この頃、君は大きな声で、強く主張していました。それもそのはずで、2020年は新型コロナウィルスという病気が流行して、マスクは売り切れ、外出を控えるように政府が打ち出して大変な時期でした。

学校も休校になり、子供達が行くような遊園地やゲームセンターは閉まっていたんですよ。(遊園地やゲームセンターは、まだ

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#18 お姉さんなんだから、に反抗しよう

#18 お姉さんなんだから、に反抗しよう

(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)

君は最近、しっかり者のお姉さんになってきました。外から帰ってきたとき、弟の靴を脱がして、揃え方を教えていたり、母親の買い物の荷物を持ったりしています。

ときには、散らかった部屋を見て掃除機を出し、掃除をしていることもありました。

私自身も、幼い頃から、周りの状況を察する子どもだったので、父親に似たところがあるのだと思っています。

ただ、察する

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#17 その花を咲かせることに一生懸命になればいい

#17 その花を咲かせることに一生懸命になればいい

(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)

「なんで、パパの足にはこれがあるの?」

一緒にお風呂に入ったとき、私のすね毛を指差して、君は私に聞きました。

あまりにも、唐突に、そしてストレートに質問されたので、思わず一緒に考えこんでしまいました。15歳になった君にとって、こんな話を聞かされるのは嫌なのかもしれませんね。まあ、昔の話です。

「これ(すね毛)はね、ホコリとか汚れとかそういった

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#16 お月さまが教えてくれたこと

(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)

「今日、月がいないね!」

夜、一緒に近所のスーパーに買い物に行った帰り、君はこんなことを言いました。

「雲に隠れて、見えないんだね」と私が言う。すると

「雲には顔があるんだ。お月さまのこと見ているのかもね」と君は言いました。

まず、大人の私には、月が見えないなんて全く認識していませんでした。言われて空を見上げればすぐに気づくことなのに、君に言

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#15 自分とのお約束を守る人に

(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)

君は最近、日に日に凶暴性を増している弟に泣かされることが増えてきています。

殴られた、寝ているところに乗られた、おもちゃを取られた。姉である君は、決して自分から手を出すことはなく、やられても我慢しているようです。その姿を見ると、少し大人になった気がします。(もちろん、やり返していることもあります)

君は4歳にして、弟がまだ2歳だから、物事がわかっ

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