#22 心が、かくれんぼしないように
(4歳のわが子が、15歳になった時に渡す手紙です)
「パパは、なんで家にいるのにお仕事して、お休みじゃないの」
最近、君から受けた質問です。
この文章は、新型肺炎が世界中に広がり、リモートワークで家にいることが多くなり始めた時に書いています。(これを読んでいる時には、どんな風に2020年のことを語っているんでしょうか)
仕事は会社に行くもの。だから、君も父親が家を出て行かなかったら仕事ではない。そう考えるのも、しょうがないことですね。
そう問われた私は、君にわかるように説明することができなかったんだ。4歳の子どもがわかるように「仕事」とは何かを言葉にすることは難しかったよ。職場に行っているだけで仕事をしていることにはならないからね。
君も学校に行くことと勉強することが同じではないでしょ。それと同じ。
君に「家でお仕事なの?」と問われた時、私は私自身を客観的に捉えて、少し考えてみた。私は、家で一人部屋にこもり、パソコンと向き合っているけど、なんでそこまでして働いているんだろうって。
本当は一緒に遊んで欲しいのに、我慢して、遠回りに質問をしている君の気持ちを察した時、自分自身に問いかけた。「何が一番大切なのか」ってね。
もちろん、仕事は責任持ってやらなければならない。オフィスでなくて、自宅で仕事をすることも、君が働く時には当たり前になっているだろう。むしろ、「なんでオフィスに行かないといけないの?」くらいに思っているかもしれないね。
私が考えたのは、「どこにいるか」ではなく、「何を考えているか」の話。つまり、家で仕事をしても良いけど、仕事が第一。そのことだけを考える。そうなってしまうと、家にいるんだけど、心はそこにはいない、そんな状態になると思います。
君はリアルに会って友達とコミュニケーション取る時間ってどのくらいあるのかな。相手と良い関係が築けるかどうかは、リアルで会っているかは問題じゃないと思います。そこに自分の心がなかったら、本音で悩みも相談できない。
だから、君に聞かれたように、私は私に問いかけようと思ってます。
「私の心はここにいますか?」ってね。
君がこの文章を読んでいる時、心はそこにありますか。