#36 自分の名前をつけ直す
(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)
最近、君はお手紙を書くようになりました。お手本がないとうまく書けない文字もありますが、自分が言いたいことを書いています。
その中で、君は必ず友達の名前をフルネームで書きます。友達と遊んだことを話すときも、必ず苗字と名前の両方を言います。私は「あいちゃん(仮名)と遊んだの?」と言うと、君は「違う!田中あいちゃんと遊んだの!」と訂正をします。
なかなか面倒な性格なのかな、と思ったりもしました。しかし、よくよく考えてみれば、同じ名前の友達がいたら困った状態になりますよね。幼稚園や学校は同じ年代の人がかたまっているので、その時代の流行の名前だと2、3人同じでもおかしくないものです。
大人になったら、他人のことをフルネームで呼ぶことはあまりないような気がします。人前で誰かを紹介するときや初めて人に会うときは、フルネームです。が、会話をするときには、〇〇さん、と呼びます。
さらに考えを進めると、ネット(SNS)でのやりとりは、ニックネームを使うことも多く、フルネームを思い出せない相手がいます。(この文章を読んでいるときは、どんなコミュニケーションが当たり前になっているのでしょうか。想像できません)
きっと、君は今いろんな場面で、いろんな顔や役割を持っていると思います。誰に対しても同じ自分ではないはず。いつでも、どこでも「山田花子(仮名)」としての自分である必要はありません。なんなら、名前を変えて、新しい自分(人格)を作って、新しい人間関係を作っても良いと思います。(むしろ、そんなの当たり前だよ、と言われているかもしれませんね)
結婚したら、名字を変えなければならないみたいな法律はまだ有効ですか?(きっと改正されてますね。そんな時代もあったんですよ)
ちなみに君の名前にどんな意味が込められているか、知っていますか。興味があったら、聞きに来てください。いくらでもお話ししますよ。