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子どもと美術

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子どもと一緒に見た美術館やら博物館やら。
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#展覧会レポート

【美術鑑賞と家庭2024】そして【展覧会をやってみた】

【美術鑑賞と家庭2024】そして【展覧会をやってみた】

さて、1年のまとめを先日投稿したが、ふと思うと146展示見たということは365日だと2.5日に1回展覧会を見ていたことになる。
もちろん一日で複数見ている日もあるので、そんな事はない。
大体、週1ぐらいでブラリと出かけてきた。
世の中には週1でジムや運動に通う人が結構いる訳で、それと同じ感覚だと思っている。体育館か美術館か、の違いかも知れない。

長男が中学生になった事でサッカーの引率負担が減り、

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【ワクワクを提示できるか】平田晃久―人間の波打ちぎわ 練馬区美術館

【ワクワクを提示できるか】平田晃久―人間の波打ちぎわ 練馬区美術館

練馬区美術館は2025年からしばらく休館となる。
開館40年を迎え、併設の貫井図書館ともに美術館建物を建て直すのだ。

現在の状態の美術館展示は残すところあと数展示といったところだろう。

新しい計画を読んで、ここは嬉しいな、とおもったのが常設展示設備を確保するところ。コレクションをちゃんと提示する。これこそ、今大事なことだと思っているので、現在の常設展示室の無さを考えると、前向きな気持ちになれる

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【レクイエム】DIC川村記念美術館「西川勝人 静寂の響き」

【レクイエム】DIC川村記念美術館「西川勝人 静寂の響き」

3月末で休館が決定しているDIC川村記念美術館へ行ってきた。

顛末が顛末なのであまり感慨には浸れず。

ただ「なくなってしまうの、残念だわぁ」と無責任に言い放ちたいけどそんな感想も素直に抱けず、言えず。
ああすればよかったのに。こうしたらよかったのではないの?というのも所詮、後出しにすぎず。
この事例を期にこういう顛末の再発を防げるのか?糧にできるんだろうか。
そもそも、美術品なんて流通品、諸行

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【斜めから】「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」展 川崎市市制100周年・開館25周年記念

【斜めから】「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」展 川崎市市制100周年・開館25周年記念

川崎の生田緑地にある川崎市岡本太郎美術館。
青山にあるのは岡本太郎記念館。
夏にヤノベケンジの展覧会があったのは岡本太郎記念館。

どちらか取り違えると大変だ。

というわけで、生田緑地へ。実は2016年の展覧会以来に訪れたのでおよそ8年ぶりだった。8年前に見た展示は「鉄道美術館」展。この時初めてクワクボリョウタさんの作品を見て感激したものだった。

行った理由は息子二人が絶賛鉄オタ期だったから。

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【四方八方トリ囲まれる】鳥展 国立科学博物館

【四方八方トリ囲まれる】鳥展 国立科学博物館

科博初の鳥の特集展覧会だそうだ。
ちょうど日本鳥学会から最新の日本鳥類目録改訂第8版が出版され、その改定具合から様々な話題になっていたところに、追い打ちをかけるように「鳥展」である。

・ハヤブサはタカよりインコに近い
とか
・日本の国鳥キジは亜種だと思われてたが固有種と判明
などなど。


「へー…」とか「あ、そうなの…」となると思いますが、これが我が家の鳥好き次男にとっては大ニュースなわけで

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【窓のない部屋で部屋を見る】アレック・ソス 部屋についての部屋 東京都写真美術館

【窓のない部屋で部屋を見る】アレック・ソス 部屋についての部屋 東京都写真美術館

アレック・ソスの展覧会が写真美術館で始まった。

何か代表的な一枚に惹かれた好きなアーティストだから、というのではなく「室内の写真」という展示テーマに惹かれて見に行った。

この前の期間に行われていた「見ることの重奏」でも室内の良い写真があった。
窓際のカーテンがはためく写真。
実際はミニチュアの室内を撮った作品だったが、あれも面白かった。

写真美術館独自企画というのにも俄然、期待感が高まる。

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【10歳男児と日帰り水戸の旅】茨城県立近代美術館&水戸芸術館現代美術ギャラリー

【10歳男児と日帰り水戸の旅】茨城県立近代美術館&水戸芸術館現代美術ギャラリー

9月下旬、関西から帰ってきた週末は3連休だった。
翌日はひっくり返っていたが連休中日は10歳の次男と茨城県立近代美術館と水戸芸術会館へいってきた。

Naotaさんのレポでお子さんお二人と水戸の旅路を読み「あーこの展示見たい!水戸へ連れていきたいなぁー」と思っていたのだ。

長男次男が共に小学生だった頃は子どもとのおでかけの割合も多く、その中で美術館へ行くことも多かった。
しかし長男が中学生になっ

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【蝉の声vs風鈴】街に写真館があったころ~常盤台写真場と昭和モダン~ 江戸東京たてもの園

【蝉の声vs風鈴】街に写真館があったころ~常盤台写真場と昭和モダン~ 江戸東京たてもの園

江戸東京たてもの園は私の夏季休暇最終日に行って来た。
午前中は皆で家の片付けをしていて午後から今日はどうしようかーとなっていた昼頃。
次男が「社会科見学で行ったところにみんなで行きたい」と言われ、では行ってみようということでドライブがてら出発。

酷暑容赦ない園内

気温35度の武蔵小金井、園内はほぼ人がいない。
蝉が耳鳴りのように鳴く。風鈴が揺れている場所があったが音が思い出せない程度に蝉大合唱

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【道路コア】SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット ワタリウム美術館

【道路コア】SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット ワタリウム美術館

東京都現代美術館で開催中の高橋龍太郎コレクションで見たSIDE COREの作品郡。

主張の強い作品に少しずつ疑問を持ち始めた高橋さんが次に気になったのが路上の作品だった、という。

自分も赤瀬川原平さんの路上観察学会の影響から路上にあるものが昔から気になるし、好きだった。面白かった。共感しかない。
最初は「路上観察学会が好き」なのだと思っていたが、どうもそこから路上的なもの、道端にある物、に惹か

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【魅せること】「竹林之七妍」「特集展示 野村和弘」「Eye to Eye—見ること」MOTコレクション 東京都現代美術館

【魅せること】「竹林之七妍」「特集展示 野村和弘」「Eye to Eye—見ること」MOTコレクション 東京都現代美術館

毎回、多彩な切り口を見せてくれる東京都現代美術館のコレクション展示室。
改めて、東京都現代美術館のコレクション展の成り立ちをご紹介。

こんな背景である。

なので都美館時代のコレクション品なのか、現代美術館になってからのコレクションなのか、ちょっと意識してみてもおもしろい。
作品リストには受入年度が書いてあるので1995年以前/以降を区切りに見ると結構楽しい。

主に戦後の作品を「コンテンポラリ

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【お一人様中学生】展覧会へ行き鈴木康広さんと頼朝に会うの巻

【お一人様中学生】展覧会へ行き鈴木康広さんと頼朝に会うの巻

4月に長男が中学生になった。部活や定期テストやらで忙しい。
もう家族みんなで週末お出かけなんて悠長なことを言っていられなくなった。こうなることは予期していたが、まぁどこの家庭もこんな感じなんだろう。小学校までと違って試合会場や練習場へは親の付き添いもいらないし楽にはなった。

その反動なのか年齢的なものなのか、まぁーダラダラした態度が目についてこの夏休み中もゲリラ豪雨的な雷を「私が」何度も落とした

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