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【蝉の声vs風鈴】街に写真館があったころ~常盤台写真場と昭和モダン~ 江戸東京たてもの園

江戸東京たてもの園は私の夏季休暇最終日に行って来た。
午前中は皆で家の片付けをしていて午後から今日はどうしようかーとなっていた昼頃。
次男が「社会科見学で行ったところにみんなで行きたい」と言われ、では行ってみようということでドライブがてら出発。


酷暑容赦ない園内

気温35度の武蔵小金井、園内はほぼ人がいない。
蝉が耳鳴りのように鳴く。風鈴が揺れている場所があったが音が思い出せない程度に蝉大合唱&暑い。

風情のある風景なのに暑さに邪魔される


建物、一つ一つはずばらしいが暑すぎて朦朧としてくる。
この時期、建物の2階に上がってはいけないな、と思った。
1分も滞在できなかった。
文化財ゆえ、締め切った窓と高温になる室内。
冬になったらもう一度来たい。

高橋是清邸もある。事情のわかる長男はややドン引きしていた。見学もビビりながら見ていた。
ここに移築される前に一度、多摩霊園で休憩所として使用していたらしい。それもなんかすごいな。

こちらはおなじみ前川國男邸
台所が素敵な前川邸



三井邸の鳩(多分)の欄間
日傘の貸し出しをしている。
空の色だけ見ると秋っぽいのに残暑は容赦ない。
この商店の建物エリアが大変楽しかった
鰹節だよ。削り機あるけどもう使ってないな。
犬のイラストは変わらずか
もう、山手線の駅でもあまり看板を見かけなくなった
缶詰めずらり
子宝湯。ここがまだ現役の銭湯だった頃、赤瀬川原平さんら路上観察学会のメンバーが散策後に入浴したという。
私にとっての聖地巡礼ってやつか。
詳しくは赤瀬川さん著書「散歩の学校」をお読みください。


ビジターセンターに資料館があり、そこは涼しく展示が面白い。
今回はときわ台にあった写真館の話。その写真館の建物は園内に移築されているので興味深かった。

企画展示 「街に写真館があったころ~常盤台写真場と昭和モダン~」


概要

本展示では明治から現在にかけて街の写真館が果たした役割をたどります。また、デジタルカメラが一般に普及して30年以上が経っていますが、改めて写真の在り方についても考えます。

江戸東京たてもの園




東京の写真館一覧表なんかもある。うわーこういう資料大好き。これは築地明石町のモデルの江木マセ子さんの江木家の写真館も載っているのでは?祖母が関わったかもしれない写真館も載っているのでは?と思い、一覧表を黙々と読み始めた。
祖母と築地明石町についてはこちら↓



そしたら、載っていた。

もう江木写真館という名前ではなく、お弟子さんに譲ったあとの店名だが、解説には「江木写真館の技術を継承し…」と書いてある。
この江木写真館というのを調べてみると、岸田劉生が一家で写真を撮りに来ていたらしく。
麗子像で有名な麗子さんもここで写真を撮った記録が岸田劉生の日記にあるとのこと。
祖母が江木家のお手伝いをしていた頃は1923年よりも前の話だ。その頃とかぶるだろうか?

祖母は親の決めた縁談が嫌で家を飛び出し、新宿に家出をし、江木家で住み込みで働いていたという。ませ子さんにはお世話になったそうだ。家出娘を面倒見てくれるなんて懐の広い人だったのか、もしくは当時はわりとポピュラーな出来事だったのか。

その辺り、もう母もはっきりしたことを聞いていなかったりなので、叔母に会った時などなるべく話を聞いてメモをとるようにして書き残している。

図書コーナーという沼。以下、考現学雑記


江戸東京たてもの園には図書館はないが、建物関係、土地関連の図書がまとめられたミニコーナーがあった。
柳田國男などの文庫本が並ぶ。

そこに今和次郎の考現学のハードカバー本があった。
「今和次郎集」(全9巻、ドメス出版、初版1971-73年)
「お!これ昨今の文庫本の原版?!」と思って最後のページを見ると第4版であり1997年の表記。おおよそ27年前まではハードカバーであったのか。

またそれがものすごく古臭い本で。97年ってそんなに昔の感覚ではなかったがこんな古臭い本だったのか。リデザインという、概念がなかったのか。
そしてなんだこの出版社は?という。これに関してはこちらのリンクを。

この出版社しかださなかった、出せなかったということだ。

さて、この今和次郎集、パラパラとめくるととんでもない随筆があり思わず手を止めた。

井の頭公園の池の端で見つかった遺体発見場所を詳細に記載している話と図である。恐らく戦前の話だと思うが。池の周りぐるっと。時期と理由や性別など。

現代の「おおし◯てる」みたいなことをしている。
うーん…今だったら土地の値段に引っかかりそうでな、不動産屋が黙っちゃいないだろう。

なんていうか…でもこういう美術作品を作っていた人もいたよな、と思い出した。数回前の国立近代美術館の常設展示で見た気がする。
ああこの人だ。海老原暎「殺人事件現場見取図(モテルから女性の死体)」

今和次郎氏のこの図も作品たり得るのか。
そんなことを考えてしまった。

ハッと我に返り振り返ると男子二人は妖怪にまつわる本、鉄道の本にそれぞれ夢中になっていた。

親子3人沼にハマる速さは血を争えない。
どこかで切り上げないと、閉館まで居座りかねない。

夕方の東八道路も徐々に混んできた表示が出ている。
母さんだって続きが読みたいんだよー!と言いながらたてもの園を出発した。

閑話休題:突然だが我が家の2024年夏休み事情


あーー、やっと夏休みが終わる。申し訳ないが
「夏休み早く終われ!」と全学生さんを敵に回すような思考に陥っている。

共働きだが会社の休みは割と融通がきくため、夫婦で夏休みをズラし子どもと居れる時間を取っている。あとはお互い在宅勤務を組み合わせ。私は週2、夫は週3。子供の昼ごはんは在宅勤務者が作る。

お盆の時期は夫が休み、夫の実家へ行ってキャンプだのスイカ割りだのをしていた。(私は人の減った都内に残り仕事しつつのんびり暴飲暴食をして一人暮らしを堪能して過ごしていた。家の中で砂を踏まない日々が4日も続き快適だった…今は再び砂だらけである。)

お盆が明けて今度は私の休みのターン。中1長男の部活も全体休止期間に入り、意外と一緒に出かけられるな、と。まぁ宿題だのにはハッパをかけつつ。

出かけた先は以下


21_21DESIGN SITE 山中俊治教授のスケッチ教室
(基本イベントの参加費は無料だが1冊2千円のスケッチブックを買う)

ワタリウム美術館 サイドコア展
(私は2度目。子どもの入場は500円。)

東京駅 KITTE インターメディアテク(無料!)

骨!

岡本太郎記念館 ヤノベケンジ展(小学生は300円中学生は大人料金)


江戸東京たてもの園
(大人の私はぐるパスで無料、都内小中学生はデフォルトで無料)

上記値段を簡単に記したが、ご覧の通りコスパを重視したラインナップである。

移動費事情

・今年は長男が中学生になったため電車での移動費が嵩むのが痛手。
・なので活用したのが東京メトロ一日乗車券600円。
・だいたい初乗り180円なので4回ほど改札を通ると得になる。
・都内の徒歩移動は暑いこの時期、一日乗車券をうまく利用してガンガン電車にのって途中下車する。一駅でも乗る。
・あとは車。運転免許を持つことができて本当によかったと実感した24年夏。なにげにコスパが良い。駐車場代を払っても電車より安いときがあるので一家で出かける際は車になりがち。あとは出かけ先の駐車場の広さが大事。まだ1発で駐車できない。

食事事情


こちらの武居さんの記事にもあって深くうなずきながら読んだのだが、外食費がかさむ問題。


自分一人で出かけている分にはぜんぜん気にならないのだが、いかんせん子どもたちが食べ盛りになった途端急に外食費が恐ろしくなった。
コンビニのおにぎり2個とかではもう済まない。満たせない。
小学校低学年ぐらいまでは食べる量もたかが知れていた。
いい感じのカフェとかも入れた。

それが長男が高学年になった頃から「これは…やべぇ!」となってきて、彼がお腹いっぱいになるための量を外食で食べるのは難易度が高い。
パンは綿菓子ぐらいの感覚で吸い込まれてしまう
そして追い打ちをかけるように次男も高学年になり、我が家のコメの消費量増える一方だ。コメの消費を緩やかにするために朝ご飯をパンにしたりしているが、そんなの焼け石に水である。

なので、昼ご飯を食べてから出かけたり、おにぎりやバナナをたべてから出かける。人間空腹になると機嫌が悪くなったりもするので皆でご機嫌に出かけるにはお腹を満たしてから出発となる。

「ご飯おかわり自由」
「ライス無料」
「ナンおかわり無料」

いつしかそんな看板に反応する様になってしまい、ため息が出る。
しかし格好つけてなんていられん。

早く米の販売普通に戻ってくれ!

という悲痛な叫びと共に2024年の夏休みが終わる。

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