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高峰玲人 拾遺集

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よくできました。💮
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#散文詩

夢の国、本日も異常なし(改訂版)

夢の国、本日も異常なし(改訂版)

 この仕事をしていると、一年に一度だけ、こんな日がある。

 娯楽施設の園長、金に汚い彼が気まぐれで始めた慈善事業の日。近所の福祉施設、病院、そんなもので暮らすこどもたちを無料で招く日には、夢をいっぱいに抱えた彼らが、わずかな小遣いを手にしてやってくる。
 親のいないこども、親と別れたこども、捨てられたこども、そして病を抱えるこども。
 彼らは一様に、無表情だがどことなく温かい笑みを浮かべた職員に

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夢の国、本日も異常なし

夢の国、本日も異常なし

 この仕事をしていると、一年に一度だけ、こんな日がある。娯楽施設の園長、金に汚い彼が気まぐれで始めた慈善事業の日。近所の福祉施設、病院、そんなもので暮らすこどもたちを無料で招く日には、夢をいっぱいに抱えた彼らが、わずかな小遣いを手にしてやってくる。親のいないこども、親と別れたこども、捨てられたこども、そして病を抱えるこども。彼らは一様に、無表情だがどことなく温かい笑みを浮かべた職員に連れられてやっ

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薄皮たい焼きのキス、放課後の帰り道にて

薄皮たい焼きのキス、放課後の帰り道にて

 疲れたから、学校の帰りに甘いものを食べて帰ろう。どちらかと言えば甘いものが苦手なはずの、あなたが言い出したことだった。

 何を食べようか、クレープか、シュークリームか、ソフトクリームか、ケーキか、あんみつか。月末のお小遣いと相談した結果として、わたしたちは、あまりきれいな店構えとは言えない、近所のたい焼き屋を選んだのだった。

 昔からあるそのお店は、のれんがいい感じに煤けていて、店の奥は雑然

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文章を書くこと

文章を書くこと

 そういえばこの前、サラダのドレッシングの原材料名の近くのアレルギー欄に、「大型・ちんこ」と書いてあったので驚いたのだけど、「大豆・りんご」の間違いでした。疲れているのかもしれない。

 筋トレと同じで、毎日何かしらのものを何らかのように書く、というのが文章力向上のためにはよろしかろうと思うのですが、なかなか継続しませんなあ。

 面白いものを書こうとするから、いけないのかもしれない。そういう浅ま

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ユリシーズ

ユリシーズ

 夕方、帰宅を急いでバスに飛び乗る。そこにはどこかで見たことのある、毎日すれ違っている人々が乗っている。くたびれたおっちゃんおばちゃんが、半ばうとうとしながら、あるいはスマホを弄りながら乗っている。あ、パズドラですか。俺やったことないけど。この人はツムツム。お兄さんはウマ娘ですね。あ、えっちなサイトを見てはいけませんよ。覗き込んでいるわけではないが、見えてしまうのだから仕方がない。公序良俗を乱す半

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涙味の、トマトのパスタ

涙味の、トマトのパスタ

 腹が減った。何かないか。インスタント食品は食べたくないし、ポテチで腹を膨らませるのなんかもってのほかだ。こういう時はいつもパスタになる。お湯を沸かしている間にだいたい準備できて、すぐに食える。まず鍋に水を汲んで火にかける。まだお湯に塩は入れない。その間に食材だ。フードロスは好きじゃないから、スーパーの見切り品で大丈夫そうなやつを買ってある。どうせすぐに食べるしね。季節はずれのアスパラ、100円で

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本能寺の変440年目の真実〜信長公、惟任ヲ責ムル〜

本能寺の変440年目の真実〜信長公、惟任ヲ責ムル〜

 ちょっとー!かーつーいーえー!今回の未来人って何アレ?文明レベル低くない?まだiPhoneX使ってるし。ダッサwwwネットに繋げないiCloudダッサwww この前の未来人はパリピって感じでさ、教えてくれたナイト水垢離とか超アガるんだけど、今度来たヤツちょっと暗くね?かわいそうだから安土城のWIFIのパスワード教えてやって。SSIDは「応仁のLAN」な、こ奴らの時代じゃ有名なギャグなんでしょww

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セフレのおねえさん

セフレのおねえさん

 カーテンの隙間から差し込む朝の光の中で微睡みから目覚めると、いつもの自分の部屋ではないことを、ぼんやりとした頭で思い出した。ホテルの名前は、RだったかWだったか。ホテルとは全く縁のない学生でも知っている外資系の高級ホテルに、とある年上の「おねえさん」に連れられてやってきたのだった。俺を抱き枕にして眠る彼女は20代の後半のはずだ。とある外資系企業でキャリアとして働いている彼女は、学校で身体を重ねる

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自転車の唄 その2 

自転車の唄 その2 

 こんなウイルスが流行る前から、自転車の後部座席は私の定位置だった。彼が小学生の二年生の時に、初めて自転車の後ろに荷台をつけたのを覚えている。『お前、漕ぐの遅いから、公園行くときは後ろな!』と、日焼けした真っ黒な顔で微笑まれて以来、私は彼の虜だ。今は、あのほっそりした姿はすっかり広い背中になって、私の目の前で相変わらずペダルを漕いでくれている。彼の低い声は、もうあの日の少年のものではなかった。

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自転車の唄

自転車の唄

 7月3日。線香臭い初七日が過ぎて、気持ちも整理がついた朝、学校に行くことにした。朝起きて、ごはんを食べて、家を出て自転車に乗る。何も変わらない日常。交差点を渡って右に曲がると、長い下り坂になる。

 そこで、あの人はいつも私の自転車の後ろに飛び乗ってくる。「免疫にいいから」「下り坂は漕がなくて済むから」と、最初はもっともらしい理由をつけて乗ってきたくせに、近頃ではただ飛び乗ってきて、私の両肩に手

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ボンカレー売りの少女

ボンカレー売りの少女

 それは、寒い、寒い、雪が降る日のことでした。一人の貧しい少女が、かごにいっぱいのボンカレーを詰めて、道端で売っておりました。

「ボンカレーは、ボンカレーはいりませんか。封を開けなくても、このままレンジでチンできるんです。」
「冷たいやつだろう?いらないよ。」

 少女は必死に道行く人に声をかけましたが、誰ひとり足を止める者はいないのでした。時折、『おじょうちゃん、寒いのだろう?イイコトをして暖

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