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ゆめいるか書房
2024年8月19日 12:00
『黒田杏子俳句コレクション2』の「月」を読んだ。装丁金箔押しのタイトルと編著者名、夜空を思わせる濃紺の装丁など、重厚感がある。背のタイトルも箔押しで、帯を外すと編著者明も箔押し。他の同シリーズ同シリーズには黒田杏子俳句コレクション1 螢黒田杏子俳句コレクション3 雛黒田杏子俳句コレクション4 櫻がある。今回は一番興味があった、2の月を読んだ。選月おぼ
2024年8月16日 12:00
かばん会員の堀静香氏の歌集『みじかい曲』を読みました。装丁表紙のかわいらしいドーナツの絵が目を引く一冊。パラフィン紙が巻いてあり、本格的かつ保存しやすいです。選おめでとう、と打って出てくるいくつかの絵文字のなかからいいのを選ぶいつしかそれが呪文になって永遠にまわりつづけるサンカンシオン三寒四温をカタカナにするとたちまち呪文のようになる面白さ。そうだと気づく春は突然
2024年8月13日 12:00
黒岩徳将氏の句集『渦』を読んだ。装丁銀色を基調とした装丁が美しい。銀色で厚みがあるせいか、重厚感や近未来感や機械感がある。本棚に収めた際、背の厚みやフォントがかっこいい一冊。選付箋をたくさん付けながら拝読したため、たくさん引用しようかと思ったが、感想などを書きたい句を厳選して紹介。バンズよりはみ出す肉やサングラスバンズ(ハンバーガーのパン)からはみ出す肉と、サ
2024年2月12日 12:00
句集『にもつは絵馬』(阿部完市氏)を読みました。第三句集の文庫化版にあたるそうです。作者の経歴この作者の異色の経歴はWikipediaをご覧下さい。五句選余談ご紹介した手元の句集は古本です。同出版社の句集文庫の俳人メンバーが豪華です。奥付裏広告より。当時の俳壇の雰囲気が伺えますので、ご覧ください。〔既刊〕後藤比奈夫 第三句集『祇園守』藤田湘子 第四句集『
2024年2月9日 12:00
句集『白熱灯』(東國人氏)を拝読しました。本の装丁白熱灯の写真と黒い背景、ハードカバーであるなど、重厚感があります。昭和から令和にかけての作者の俳句が収録されており、時間的な層の厚みも、デザインだけではない面での重厚感を生んでいるのだと思います。本のスピン(栞紐)がオレンジ色である点が、白熱灯を連想させます。五句選良い句や面白い句が多いので選に迷いました。今回は一言コメン
2024年2月6日 08:00
雪が数センチ積もりました。雪を見ると創作意欲が増す、かと思いきや色々な作品を思い出すのでした。雪が降る度にX(旧Twitter)の短歌のタイムラインは「ゆひら」と言って騒ぎになります。これは穂村弘氏の有名な短歌の一部から「ゆひら」の部分だけを取って言っています。当該の短歌は以下です。さて、それとは別に私が思い出す短歌は以前noteの記事で紹介しました歌集『スーパーアメ
2024年1月19日 12:00
鈴木美紀子氏の第二歌集『金魚を逃がす』を拝読しました。感想と鑑賞-火と水の相聞-歌集の前半の相聞群は、作者(作中主体)が火、相聞の相手は水としての喩が多いように感じました。******************雨量の短歌は、前述の法則からは外れます。自分の気持ちの高まりや積もり具合が雨量で喩えられているように読みました。「相聞の相手が水で喩えられる」という読みを当てはめ
2024年1月22日 12:00
歌集『櫻さくらサクラ』(大湯邦代氏)を読みました。本の紹介2017年刊行の大湯邦代氏の第六歌集です。普遍性のある短歌が多いためか、内容が全く古くなくて、読み返しても面白い歌集です。黒い表紙に櫻の花びらが映えるシックな装丁の一冊です。五首選歌集の前半の櫻の連作から一首と、他に好きな短歌をご紹介します。リンク↑Amazon
2024年1月24日 12:00
歌集『ひかる水』(北神照美氏)を拝読しました。北神照美氏の第四歌集にあたります。装丁ハードカバーの歌集です。表紙のタイトル『ひかる水』が銀箔押しで、銀色に光る点にデザインの美しさを感じます。五首選リンクAmazonで現行で販売・購入出来るものは英語版のため、英語版のリンクを掲載しました。
2024年1月10日 12:00
第二歌集『夜を着こなせたなら』(山階基氏)を読んだ。本について文学フリマでの購入品。文学フリマ限定ペーパーが挟まっていた。「各々の本の作者が、文フリの場を活かして色々と販売などの工夫をしているのだな」という面でも勉強になった、思い出がある一冊。装丁も凝っている。ページ数(ノンブル)についてページ数(ノンブル)の表記が独特。一章分/当該ページとなっていると思われ
2023年12月18日 12:00
歌集『パルティータの宙』(福田淑子氏)を読んだ。歌集について福田淑子氏の第二歌集である。宙と書いてそらと読ませる。この漢字の読み方は歌集の内容に大いに関係がある。例を挙げると、歌集の帯にある一首。※「宙」に「そら」とルビあり。宇宙の宙でそらである。その他にも、多様なテーマの短歌が収録されている。それぞれ別々のテーマに見えるが、根底で「自分が生きること、誰かが生きたこ
2023年12月15日 12:00
『風のアンダースタディ』(鈴木美紀子氏)を読んだ。本について書肆侃侃房による新鋭短歌シリーズ34である。「アンダースタディ」は英語で代役の意。※語義が広いため、詳細をご覧になりたい方はwikipediaのリンクをご覧ください。五首選服を着ると、内側は暗くなる。しかしこの短歌では、「白いワンピース」なので、白い光で体を包むイメージだろうか。「読みかけ」という途中さが
2023年12月6日 12:00
『レダの靴を履いて 塚本邦雄の歌と歩く』(尾崎まゆみ氏)を読んだ。この本との出会い文フリの打ち上げの席で「塚本邦雄の短歌についての良い解説本が最近刊行された」との噂を聞きました。その本がこちらでした。塚本邦雄の短歌については一度網羅的に読んで、「読んだことはある」状態になりたかった時でしたから「渡りに船」の一冊でした。内容と構成文頭に塚本邦雄の短歌が一首掲載されており、
2023年11月27日 12:00
句集『雲ぷかり』(工藤惠氏)を読みました。この句集についての雑談。タイトルに惹かれて購入して読んだところ、見覚えがある俳句がちらほらあり「どこで見たのかな」と考えていました。すると手元にある『天の川銀河発電所』という現代俳句のアンソロジーの本で紹介されていて「ここか!」と納得しました。五句選チョコでもココアでもなく、高級感のある「ショコラ」です。消しゴムを大切に