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#短編小説
モブでいたくなかった人間達
たった今急にデスゲームが始まったなら、私は間違いなくモブその1。
だって意味がわからないから。
絶対わたわたして、そのまま気付かない内に死んでしまいそうだもの。
私は別に勉強ができる訳でもないし、脱出ゲームとかの謎解きや、ロジックとかのパズルも苦手。
要は考えること全般嫌い。
でもよく、ゲームが始まった途端に「俺は1抜けさせてもらうぜ」とか言って出口の方へ向かっていったり、「死にたくないよぉぉ」
とある奇人の指針#2「スマホと傀儡」
あるサラリーマン様は帰宅中にふと思いました。
「あ、そういえばワイシャツ欲しいんだった。
明日の出先付近にユニクロ、あるかな」
ある学生様は電車の中で通学中にふと思いました。
「しまった、今日はあのゲームのイベントの日だ。ログインしないと」
ある主婦様は昼間にテレビを見ながらふと思いました。
「あ、この前やってた通販の圧力鍋買おうと思ってたんだ」
あるお金持ち様は家のジャグジーバスに入
絵描きの私と5人の男 #1
とある昼下がり。人里離れた少し寂れた私の家に、知らない女の子が飛び込んできた。
どうやら売れない絵描きの私の家に住む男、木山と知り合いらしい。
その木山も数カ月前突然家にやってきて、
「家なくなったから一緒に住んでいい?」と言ってきた。
まぁ知らない人では無かったし、いいよと答えたのだ。
まずは人を信じることが大切、と、昔から教わってきたし。
突如来た彼女は、家に入ってきて早々、急に携帯を鳴らし
私のリアルはゲームのように
「あとこれだけ解いたら…!」
私は手元のスマホを瞬きせずに見つめる。
画面には広告で見慣れたパズルゲーム。
「あとこれだけ解いたら、私は宿題に手をつける!」
隣接するパズルを入れ替えて3個以上をマッチすると消えるこのゲーム。
残る生命は2。
頑張ればクリアできそうな、そんな佳境。
「この緑をピンクと交換して消したら、赤が落ちてきて4つ揃ってこれが消える…。
で、それで出来たロケットであのパ
ビジネスライクな氏名の2人
「これラミしといて」
会社の上司に1枚の紙を渡された蘭美は少しムッとした。
「違う違う、わざとじゃないって~」
「わかってます」
「ラミ、しといてよろしく清水蘭美ちゃん」
「……」
清水蘭美は今年23の現役バリバリキャリアウーマン(死語)。
彼氏はいないが、趣味を充実させ、
公私ともに順調な何不自由なく生きてきた女性だ。
ただ、両親から頂いた宝であるこの名前だけは22年間気に入っていない。