823,824,825日目 カレーライスを例にしたプロジェクトマネジメントにおける時間管理
プロジェクトマネジメントの一つに時間管理があります。
「いつまでに、何をやるのかを決めることでしょ?」
いきなりこのようにな考えでやると、
時間通りに終わらなかったり、
想定外のタスクが発生し、遅れが生じたりします。
まず、時間を管理する以前の下準備が必須です。
1番初めにやることは
「プロジェクトの完了は何をもって完了するのか?」
を定めることです。
これが曖昧なことはないはずです。
カレーを作るプロジェクトであれば、
カレーが完成したらプロジェクトが終了します。
じゃあ、カレーは何からどのようにできているのか?を分解します。
1番楽なカレー作りプロジェクトはレトルトカレーです。
レトルトカレーを買ってきて、温めるだけです。買い物にどれだけ時間がかかるかわかりませんが、在庫のレトルトカレーを電子レンジで温めるだけなら、2,3分で終わります。
1番一般的なカレー作りプロジェクトは市販のカレーのルー、肉、野菜を買ってきて、鍋で煮て完成というプロジェクトです。材料が揃っていれば、1時間くらいで終わります。
1番めんどくさいカレー作りプロジェクトは、カレーのルーとなるスパイス、野菜を育てて収穫し、使う肉を畜産し食肉加工して調理するプロジェクトです。数年で終わります。
この3つのプロジェクトは分単位、時間単位、年単位となっていますが、何が違うのでしょうか?
材料の分解レベルが異なります。
レトルトカレーの場合様々な材料を調理し、ほぼ完成しているものを用いています。
カレーのルーを使ったプロジェクトでは、スーパーマーケットで手に入る材料で作っています。
めんどくさいカレー作りプロジェクトは植物・動物を育てるところから始める必要があります。
分解したレベルでプロジェクト全体の時間は大きく変化します。
時間を管理するには、
「何を持って完了するのかを定め、それを分解する」という下準備が必須となります。
この目標を分解したものをプロジェクトマネジメント用語でWBS(Work breakdown structure)と言います。
カレーのルーを使うプロジェクトでは、ルーと具を買ってきて、調理すれば完成です。
ルーのプランドはこくまろカレーを選択。
ルーの辛さは中辛を選択。
具を分解し、野菜と肉を入れる事にします。
野菜を分解し、じゃがいも、にんじん、玉ねぎを入れる事にします。
肉は牛肉を選択します。
煮るための水は、水道水を選択します。
材料があってもカレーはできませんね。
調理器具は何を使うのか分解します。
野菜、肉を切るために、まな板、包丁が必要です。
炒めて煮るために、鍋、へら、コンロが必要です。
炒めるために油が必要です。
油はサラダ油を選択します。
このように分解したら、大まかな工程を考えます。
材料を買ってきて、材料を切って、炒めて、煮る。
そうすると、材料を買うまでにカレーのルーのブランドと辛さ、入れる材料をを決めなくてはいけないことがわかります。
材料を切る順番を決めないといけません。
一般的には野菜を切った後、肉を切ります。
そうすると、切った野菜を仮置きする皿が必要ですね。
炒める場合は、先に肉を見れて野菜を入れる必要があります。
甘色玉ねぎにするのであれば、事前に玉ねぎを炒めて置く必要があります。
工程には順番があります。
野菜を買ってこないと、野菜を切ることができません。
野菜を切らないと、炒める事ができません。
材料の分解と工程(特に順番)が決まったら、これでスケジュールの下準備が完了です。
あとは、それぞれの活動の開始時刻と終了時刻を入れれば、スケジュールが完了します。
この下準備をせずに、
「いつまでに、何をやるのかを決める」
ところからスタートすると危険であることがわかったと思います。
肉を切ってから、野菜を切ってしまうとまな板を洗うという想定外にタスクが発生します。
サラダ油を買い忘れて、焦げついてしまい失敗してしまうかもしれません。
まな板と包丁がを2組用意して、2人で作業すれば、材料を切る時間は半分になります。
時間管理とは、いつまでに何をやるのかを決めるのではなく、材料を細かく分解し、工程を定めて、最後にそれぞれの活動の開始時刻と終了時刻を決めて、それが決められた時間通りに進んでいるのか確認することです。