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#哲学
パリ逍遥遊 受胎告知(フランス修道院編)
私は一時期カトリック系の大学で禄を食んでいた。学長は「置かれた場所で咲きなさい」の著者、彼女に「あなたはシスターになるとばかり思っていました」と言われたことが忘れられない。予想は外れ、私はシスターになることはなく、修道院に住んだこともない。キリスト教の精神にのっとって集団を生活する場所を修道院と呼ぶ。修道院ではもちろん祈りや聖書の研究に関わることが行われることはもちろん、これから紹介するように葡萄
もっとみるパリ逍遥遊 パスカルを通じて見えてくる人生の意味
見る、聞く、読む、感じると言った五感をフル活動させて、至上の文化・芸術に触れ、真理に魂を震わせる、それこそ最高の贅沢だ。そして、宗教、法律、哲学が長年にわたり浸透してきた地であり、文化・芸術の中心地でもあるパリは、そのための格好の場所である。
ところで、なぜ文化・芸術等々に触れることが最高の贅沢なのかを考えたことはあるだろうか?それは単に美術館やコンサートに行くことと違うのだろうか?ここでは、パ
パリ逍遥遊 ヨーロッパ人を形成する3大要素
「風立ちぬ」(Le vent se lève、同名の宮崎駿作品もこれに由来する)で有名なフランスの詩人・思想家・評論家であるポール・ヴァレリーは、その著書「精神の危機」の中でヨーロッパ人を定義している。
ヴァレリーは、以下の3要素を有している人物はヨーロッパ人という枠組みで捉えても良いと唱えている。3要素とは、キリスト教に基づく宗教観、ローマ法に由来する法的素養、そして、ギリシャ哲学に端を発する
パリ逍遥遊 シャンパーニュ・ゴドメとブドウ栽培
ランスの市街を抜け一路南へ。モンターニュ・ド・ランスの山のふもとで左折、以前紹介したシャンパーニュ街道に入る。Rilly-LaMontagne村を抜けてから、ブドウ畑・村・ブドウ畑・村・ブドウ畑の繰り返し。
しばらく車を進めてゆくと、Moulin deVerzenayなる大きな風車が現れる。この周りは大手シャンパーニュメーカーのマム(Mumm)と契約している数々のブドウ畑が連なる。見えるところは
パリ逍遥遊 ダンテ神曲
ダンテの神曲に出てくる「地獄編」と言えば、ミケランジェロの「最後の審判」。ローマバチカン市国にローマ教皇の公邸バチカン宮殿にあるシスティーナ礼拝堂の主祭壇の背面を飾る「最後の審判」の地獄の箇所は、ミケランジェロがダンテの「地獄篇」からインスピレーションを得て、描いたと言われている。
「最後の審判」見たさに、パリ・オルリー空港から機上の人となった。アメリカの4つの州の境界線が集まった点をフォー・コ
パリ逍遥遊 我が家の雨漏り
ここ数日の悪天候で職場に行くのも帰るのも億劫だ。
東京と比べると雨水が恐ろしく汚い。上を眺めると大きな美術館に迷い込んだような景色のパリだが、下は地獄のパリ。土埃と混ざり茶色になって、タバコの吸い殻や犬のフンをさらって下水溝に落ちてゆく雨水を見ていると、ダンテの神曲に出てくる地獄前域のようだ。ここからが地球の中心に落ちてゆく、漏斗状の地獄の始まりだ。
そんなこんなで仕事から帰ってきて玄関の電気