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町谷東光
2024年11月19日 07:01
「文学」と「作家」への道(52)今朝(11月19日)、寝床でスマホのヤフートピックスを見て、谷川俊太郎の死を知った。「大詩人」の死より、そのことが報じられた時間が気になった。ヤフーの元ネタは、読売。読売オンラインの配信時間は「2024/11/19 03:12」、真夜中である。共同通信は、「2024年11月19日 03時10分」。そして、谷川の詩を長く掲載している朝日は、朝日新聞デジタルの配信
2024年10月3日 00:00
「詩の本」を読んで(34)◇「齋藤恵美子詩集」(思潮社 2017年9月刊)筆者は、1960年東京生まれ。聖心女子大学文学部卒。博報堂を経て書籍編集や高齢者介護の仕事に携わりながら詩作を続けてきたという。中也賞の候補に複数なったほか、いくつかの詩の賞も受けている。この詩集に収録されている「最後の椅子」=写真=(思潮社、2005年)は、まさしく介護施設で働いた体験を下敷きにして書いた作品が中
2024年5月10日 00:30
「詩の本」を読んで(33)ものすごく久しぶりに、詩集のレビューを書く。昨年9月以来だが、その間に詩集を読んでいなかったわけではない。感想を残しておきたい、と思う詩集、詩、詩人に出合わなかったのだ。いや、あったかもしれないが、自分の詩も納得がいくものが書けず、ましてや他人の詩について書く気になれなかった。最近読んだ2冊について、埋め草的に書き残す。◇「感情の配線-森雪之丞自選詩集-」(開
2023年9月26日 14:30
「詩の本」を読んで(32)◇「詩人吉原幸子-愛について」(平凡社コロナブックス 2023年6月刊)僕は現代詩を読み、書くようになってこの11月でようやく3年…という永遠のビギナー詩人である。これまで、現代詩のアンソロジーを何冊か読んでいながら、この詩人・吉原幸子(よしはらさちこ、1932ー2002)については素通りしていた。きっかけは何だったか忘れたが、詩の実作講座で名前を聞いたか、
2023年6月23日 00:30
「詩の本」を読んで(31)◇黒田三郎「詩の作り方 」 明治書院、1993年5月刊)僕は2020年暮れから詩を書き始めた。読み始めたのもその1-2カ月ほど前で、まだ3年に満たない。何度も書いてきたが、「現代詩」に関心を持ったきっかけは、北村太郎の存在をたまたま日経新聞の文芸欄で読んで知り、その半生を描いたドラマ「荒地の恋」(WOWOW制作、アマプラ配信)を見て、詩と詩人たちの生き方に興味を
2023年6月1日 00:30
「詩の本」を読んで(30)どこかの週刊誌か新聞の書評を読んで初めて存在を知った詩人である。2019年に92歳で亡くなった放浪詩人の著作2点。エッセーが中心で、詩は少ないが、いずれもその戦中、戦後の生活体験からにじみ出た内容である。「木賃宿に-」は絶版だが、復刊された「放浪の唄」ともども図書館で借りて読んだ。先に、相田みつをのことを「■平易であることの、どこが悪い?!」と書いたが、この放浪詩
2023年5月22日 00:30
「詩の本」を読んで(29)◇相田みつを「にんげんだもの」(文化出版局、1984年4月刊)現代詩実作講座に2年余り、回数にして28回通っている。ご指導いただいている大先生が、一度だけ相田みつをについてぽつりと漏らしたことがある。どういう言い方をしたのか、はっきり思い出せないが、ネガティブな言い方であった。Wikipediaの相田みつをの項には、賛否両論が書かれており、その批判的な言い方が
2023年5月11日 07:00
「詩の本」を読んで(28) 石垣りん◇「朝のあかり-石垣りんエッセイ集-」(中公文庫、2023年2月刊)詩に比べると、石垣りんのエッセーは強い印象を残さないが、平易に素直な気持ちを書いているという点で、この詩人には好感を持つ。◇伊藤比呂美編「石垣りん詩集」(岩波文庫、2015年11月刊)今年出たエッセー集だけ取り上げるつもりだったが、今週に入って、会社を辞める決断(会社から契約更新しな
2023年2月16日 00:44
「詩の本」を読んで (27)「詩を読まねば、詩集を読まねば」――そう思いながら、違うジャンルの本に手を伸ばすことがほとんど。今、小説「水平線」(滝口悠生著)を読んでいて、詩のほうはおろそかになっている。それでも、ついつい図書館で借りてしまい、部屋の隅に積んでおき、返却期限ギリギリに飛ばし読みしてしまう本がいくつもある。そうして読んだのが下記の2冊。ともに、同じ作者である。◇岸田将幸「亀
2023年1月29日 12:30
「詩の本」を読んで (26)◇リルケ、フランツ・カプス著「若き詩人への手紙」 (未知谷 2022年6月刊)副題に「-若き詩人F.X.カプスからの手紙11通を含む」とある。これまで何度もリルケ側の手紙を中心とした本は出ているのだが、「若き詩人」の手紙は割愛されたものが多かったよう。手紙は、往復書簡の体をもって完成する。この本はその不完全を補う存在。20世紀初頭の手紙のやりとりだが、若き詩人
2023年1月13日 00:30
「詩集」を読んで (25) 不定期刊※Xに投稿済※都内でも屈指の進学校「武蔵中学高校」の中学生時代にいじめ体験があり、そこから脱しきれず、一種落伍した人生を送る中、短歌の世界で見いだされたのに、自死した若き歌人。その処女歌集であり、遺作集となった本である。◇萩原慎一郎 「滑走路 -歌集-」 KADOKAWA 2017年12月刊内容ぼくの感想Wikipediaの作者の項目にかなり詳
2023年1月12日 00:30
「詩集」を読んで (24) 不定期刊公立図書館のほとんどが仕事納めの12月28日で終わる中、都内の某区立図書館だけが大みそかまでやっていた。他に行くところがないためか、大みそかのそこは案外に混んでいた。ぼくもその一人で、地元の図書館に行けないので、電車に乗って都心をかすめ、その図書館に行った。新聞だけ読んで帰ろうと思ったとき、詩の棚を冷やかすように眺めていたときに手にした「詩集」2冊のレビューで
2022年9月22日 11:00
「詩集」を読んで (23) 不定期刊◇和合亮一 「詩の礫」 徳間書店 2011年6月刊◇詩・和合亮一 「十万光年の詩(うた)」 写真・佐々木隆 佼成出版社 2020年3月刊内容ぼくの感想 2冊まとめて11年前の東日本大震災直後の3月16日から5月25日まで、ツイッターでつぶやき続けた行為を「詩の礫(つぶて)」と名付けて、フォロワーに励まされながら書きつづった記録である。「放射
2022年8月28日 13:00
「詩集」を読んで (22) 不定期刊◇詩・池井昌樹 写真・植田正治手から、手へ 集英社 2012年10月刊内容ぼくの感想図書館で偶然手にした、この詩人の下記2点の詩集を読んだ後、この写真付きの「絵本」を読んだ。写真と詩が一体化し、ボリュームは少なくとも、味わい深い1冊になっている。植田正治という写真家は、つい先日、日経新聞の記事「写真家がいた場所(10)植田正治『パパとママとコド