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舞台『オーランド』翻案:岩切正一郎、演出:栗山民也、主演:宮沢りえ
ヴァージニア・ウルフの同名小説(Orlando: A Biography)を舞台化。
エリザベス朝イギリスに貴族として生まれ育ち、男性から女性へ突然変化して数百年生きる主人公のオーランド。今回の翻案では現代まで生きる。
シンプルな舞台セットに照明と音楽が冴える。実力派の個性派俳優たち5人の演技も演出も磨き抜かれている。主人公を演じる宮沢りえ以外の4人は男性で、1人数役を演じるという仕立てもよい
『外地の三人姉妹』チェーホフ、ソン・ギウン、多田淳之介(KAAT)
日本による植民地支配下の朝鮮半島を舞台に、軍人の父を亡くした日本人の3人姉妹とその周囲の人々の生き方を描く。1935~1942年の日本、朝鮮、世界の情勢を盛り込んでいる。
2020年初演作品の再演。上演時間は約3時間(15分の休憩含む)。
舞台中央上部にスクリーンがあり、時代背景や物語の設定を文字で伝える。時に、舞台上の様子を撮影した動画も投影されていた。
ロシアのチェーホフの『三人姉妹』を
太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)『金夢島 L'ÎLE D'OR Kanemu-Jima』東京芸術劇場
フランスの高齢女性が幻影の中で憧れの日本にある架空の島へ行って、演劇祭の開催を巡って思惑を巡らす島民たちの政治劇を演出しているといった構造になっている演劇。
島民たちと演劇祭に出演するために海外から訪れたパフォーマーたちが入り乱れ、フランス語、日本語、英語、広東語、アラビア語、イディッシュ語などが飛び交う。
香港や中東での争いや難民・移民問題など、きわどい表現も登場する。深刻な内容を笑いを交え
チェルフィッチュ『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』岡田利規(吉祥寺シアター)
日本語を母語としない人々と日本語を母語とする人々の日本語による演劇。
アフタートークの岡田利規さん(作・演出)の話によると、演劇で「せりふの意味はわかるが、せりふが観客の中に入ってこない」ことへの問題意識も、日本語を母語としない人々と日本語の演劇を作ることへとつながったらしい。また、公演のサイトやパンフレットによると、非母語話者の俳優による演技への評価が言語の流ちょうさに影響され過ぎていることへ
ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)『かもめ』チェーホフ作、ジェイミー・ロイド演出
イギリスのナショナル・シアターの舞台が日本の映画館で見られるシリーズ。ナショナル・シアターは古典的な戯曲や文学作品でも演出が面白いことが多いのだが、今回の舞台も、1人1脚の椅子が置いてあるだけの舞台セットで、その椅子を動かすことで場面転換や心情の変化、関係性を表現したりするという興味深い演出だった。
(多様な人種やいわゆる身体障害のある俳優が出演していることは、ナショナル・シアターなどイギリスで
「浜辺のアインシュタイン」2022年、神奈川県民ホール:1970年代の"前衛オペラ"を新演出で上演
1976年初演の作品を新演出で上演。約4時間(休憩1回25分含む)。一部の繰り返しを省略したらしいので、オリジナルはもっと長いらしい。
歌詞原語(英語)・せりふ日本語上演。歌詞は数字などをずっと言っているので、字幕はなし。せりふが翻訳されているのはいいのだが、原語の英語字幕がなかったのは非常に残念。
一貫したストーリーはなく、場面ごとに意味がありそうななさそうな芝居のようなものが繰り広げられた