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アート・美術、美術館・博物館・ミュージアム、展示

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アート・美術、美術館・博物館・ミュージアム、展示に関する情報や鑑賞記録など。
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2021年3月の記事一覧

百瀬文「鍼を打つ」シアターコモンズ'21:はり師に治療されながら音声を聞くセラピーパフォーマンス

百瀬文「鍼を打つ」シアターコモンズ'21:はり師に治療されながら音声を聞くセラピーパフォーマンス

6人の参加者が会場で6ページ分の問診票に答え、それぞれイヤホンを着けて横たわり、1人ずつの元にはり師が来て、問診票に目を通し、参加者にはり治療を施していくパフォーマンス。

イヤホンからは、問診票に書かれていた文や書かれていなかった文も(?)流れてくる。「むくみやすい」「腰痛がある」など、実際のはり治療院でも聞かれそうなことに加え、「国境はなくていいと思う」「「いじめ」はいじめられる側も悪いと思う

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高山明/Port B「光のない。ーエピローグ?」シアターコモンズ'21:新橋の街中でラジオ片手に東日本大震災と福島原発事故の戯曲を聞く

高山明/Port B「光のない。ーエピローグ?」シアターコモンズ'21:新橋の街中でラジオ片手に東日本大震災と福島原発事故の戯曲を聞く

演出家・アーティストの高山明(たかやま・あきら)さんが2002年に結成した創作ユニットPort B(ポルト・ビー)によるツアーパフォーマンス。

2011年3月11日の東日本大震災と福島原発事故。2012年3月、オーストリア出身のノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクがそれらを取り上げた戯曲『光のない。』を発表した。そして半年後に、高山明/Port Bが同戯曲を新橋駅周辺でのツアーパフォーマンスと

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ツァイ・ミンリャン『蘭若寺の住人』シアターコモンズ'21:台湾の巨匠監督による初のVR映画

ツァイ・ミンリャン『蘭若寺の住人』シアターコモンズ'21:台湾の巨匠監督による初のVR映画

マレーシア出身で台湾で活躍する映画監督、ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)による初のVR映画『蘭若寺(らんにゃじ)の住人』。同監督の映画に欠かせない俳優リー・カンションが主演だ。

会場でヘッドセットを装着し、椅子に座って鑑賞する。360度どこを向いても映像に囲まれている。

森の中の廃墟で暮らしているリー・カンションは療養中らしい。たばこを吸い、食事をし、草を刈り、風呂に入り、横たわる。炊事をしてくれ

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小泉明郎「解放されたプロメテウス」シアターコモンズ'21:複数の「夢」を聞くVR作品

小泉明郎「解放されたプロメテウス」シアターコモンズ'21:複数の「夢」を聞くVR作品

リアル参加とリモート参加が可能だが、リアル参加では時間内に体験し尽くせたのかの実感がなく、リモートではアクセス先のサイトで読み込みがうまくいかず(?)視聴できなかった。

技術を使いこなせず、作品をまともに鑑賞できない・・・。

宇宙空間で横たわる人に近づき、その人が語る夢を聞く、という作品だったのかと思うのだが、あまり自信がない。

VRの状況に戸惑って焦ってしまい、話の内容があまり頭に入ってこ

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コモンズ・フォーラム#1「病の時代における『孵化/潜伏するからだ』をめぐって」シアターコモンズ'21の視聴メモ

コモンズ・フォーラム#1「病の時代における『孵化/潜伏するからだ』をめぐって」シアターコモンズ'21の視聴メモ

登壇者|伊藤亜紗(美学者・東京工業大学准教授)、中村佑子(映画監督・作家)、百瀬文(アーティスト)ほか
司会|相馬千秋(シアターコモンズ ディレクター)

3月7日(日)19:00-21:00、オンライン
※チケット購入者はアーカイブ視聴可

中村さん
今のARの技術だと、現実空間はモノクロの解像度の悪い状態で見える。そこに記憶のカラー映像が浮かび上がるのがぴったり。また、現実のモノクロ空間が、う

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中村佑子「サスペンデッド」シアターコモンズ'21:精神疾患を患う親がいる子の視点を体験するAR映画

中村佑子「サスペンデッド」シアターコモンズ'21:精神疾患を患う親がいる子の視点を体験するAR映画

病の時代に身近なこととして捉える生と死映画監督・作家の中村佑子さんが、母親がうつ病だったという自身の体験と、知人2人の親が統合失調症だった体験を基に制作したAR映画「サスペンデッド」。

「シアターコモンズ'21」のプログラムの一つで、会場のゲーテ・インスティトュート東京でヘッドセットを装着して、家の玄関、キッチン、リビング、廊下、寝室などに仕立てた部屋を回りながら、各部屋の空間に現れる映像を鑑賞

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