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#詩
mild concussion
mild concussion
あなたと私
醜い思い出を思い出すことに
どれほど意味があるだろう
瘡蓋を無理やり剥がすような真似をして
どれだけ意味があるだろう
虚しく実りのない人生を
しっかり書き留めておくことに
もう一つの眠れない夜を過ごす以外、どれだけの意味があるだろう
マイルド
マイルド
穏やかにみんなが敵
マイルド
マイルド
さりげなくスカートを捲られる
手を止めたが最後
あの時か
四月二十日 春の口の五行歌
春の口のことである。
のどけき光の未だ落ち着かぬ頃
花弁のひとひら落ちて
残りの花蕾が崩れてゆれる
そんなにも長いこと
一人きりでいるなど夢にも及ばず
木と汗と
土と油の姦しさ
青空の澄まし顔を恨みつつ
変わらぬことの有り難さよ
首を垂れて、春愛おしむ
ささくれた指先の
焦がれること請うことを
許さぬそれがもう一度鳴く
潮の匂いの
恋しさだけを