四月八日 クロウタドリの見る夢は

春になって花が咲いて
それでいてなお
笑わぬ人間というもの

クロウタドリの重さ
100グラム
今夜はクロウタドリグラムの
苺を食べた

クロウタドリの
くちばし、黄色
嘴色のTシャツを着た

クロウタドリの
おはようの挨拶、朝6時
クロウタドリ時に
微睡みが引いてく

青空が熟れて
暗い世界が緩んだ水を祝う
それでもなお笑わぬ人間というもの

クロウタドリの重さ
100グラム
夕方にクロウタドリグラムの胸肉を食べた

クロウタドリの
くちばし、黄色
嘴色に濁った白目

クロウタドリの
おはようの挨拶、朝6時
クロウタドリ時に
こむら返り

南の大河を風が渡って
日は永遠のように長く
それでも笑わぬ人間というもの

クロウタドリの夢の中に
ひっくり返って落っこちて、
それでも泣かぬ人間というもの

バチン。

人間の重さ、63キロ
人間キロの
潰れる音がする

人間の唇の色、紅色
唇色に
視界が染まる

人間のさよならの挨拶、丑三つ時
人間時刻に
揺り籠が目を醒ます

地平線がいつまでも明るい
野火のようだ
オヤスミを知らない、世界のようだ

人間の、サヨナラの時刻は丑三つ時。

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