マガジンのカバー画像

本や映画の感想文

41
本や漫画、映画などの感想文です。生きているうちに、たくさんの作品を味わうぞ。
運営しているクリエイター

#読書感想文

宇野さんの『庭の話』を読んで、まだちょっとわかんないところ

宇野さんの『庭の話』を読んで、まだちょっとわかんないところ

いろいろと落ち着いたので、気になっていた『庭の話』が読めました。

今日はいつもの読書感想文の形式をやめて、考えていることやモヤモヤを書いてみます。

きちんと読めていない部分もありますが、あしからず。

「何かをつくる」は足がかりだと思うまず、宇野常寛さんの「制作をしよう」というアプローチは「うんうん、そうだよな」と思いながら読みました。

『スマホ時代の哲学』の谷川嘉浩さんの趣味の話、「何かを

もっとみる
倍速なんてもったいない『いい音がする文章』読書感想文

倍速なんてもったいない『いい音がする文章』読書感想文

面白い本に巡り会えた!今日は本の感想と紹介です。

今回、初めて「半分しか読んでないのに感想文を書く」という試みをしてみます。そうせずにはいられなかった。理由については、後で書きますね。

簡単にまとめると、ロックバンドのドラマー兼作詞担当の方によって書かれた本で、音楽×文章という一冊。文章術の本というより、さまざまな作品の文章や詩に触れつつ、いい音がする文章って何?を語っていく構成です。

どん

もっとみる
『暇と退屈の倫理学』を読んで日常に取り入れている10のこと

『暇と退屈の倫理学』を読んで日常に取り入れている10のこと

電子版を持っているのに、BOOKOFFで20%OFFになっていたので、文庫版も買ってしまいました…。

『暇と退屈の倫理学』は、哲学者の國分功一郎さんが暇と退屈をテーマに、さまざまな哲学者の考えを引用しつつ、論じていく一冊です。

最初に読んだのは、5年前かな。メンタルダウンして、人生どん底にいた頃、地元の図書館で手に取りました。

本が読めない状態、いろいろと解決しないといけないものを抱えている

もっとみる
くるまさんは楽しみたい『漫才過剰考察』(辰巳出版)読書感想文

くるまさんは楽しみたい『漫才過剰考察』(辰巳出版)読書感想文

令和ロマン・髙比良くるまさんの書籍を読みましたので、その感想を書きます。

どんな本?漫才師、髙比良くるまさんによって書かれた、考察・分析本。

先日、M-1グランプリ2連覇を達成した彼が、何を考え、どんな風に他の人たちを見ているか、ちょっと知ることができる本。

今回の感想は、書籍の要約とかではなく、彼の考察を読んだ僕の感想という形を取りたいと思います。

考えたこと事前の情報では、戦略的にM-

もっとみる
等身大の物語と確かな主張『ひたすら会社で働く生き方から降りることにした』(さくら舎)感想。

等身大の物語と確かな主張『ひたすら会社で働く生き方から降りることにした』(さくら舎)感想。

今日は読書感想文です。書籍はこちら。

簡単にまとめると、ひとりの男性の等身大の物語です。三度会社を辞めて、一度きりの人生を自分らしく生きる。それに至るまでのお話です。

転職、休職、復職などさまざまな経験を経て、最終的に執筆活動、読書、畑での収穫などをされています。

面白い本だったので、感想を書いてみます。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し、3年間休職しました

もっとみる
対話がもたらす癒し『夜明けのすべて』(水鈴社)感想

対話がもたらす癒し『夜明けのすべて』(水鈴社)感想

瀬尾まいこさんの『夜明けのすべて』を読みました。今日は読書感想文。

一言で説明すると、困難さを抱えた若者ふたりのお話。

藤沢さん(女性)はPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなってしまう。山添くん(男性)はパニック障害で電車に乗れないなどの悲しみがある。

そんなふたりが同志のようになっていくお話。

僕はメンタルダウンして3年間休職して、その後復職しました。でも、「とりあえず仕事は

もっとみる
わびさん挑戦の2作目『人生から逃げない戦い方』(扶桑社)感想。

わびさん挑戦の2作目『人生から逃げない戦い方』(扶桑社)感想。

今日は読書感想文です。書籍はこちら。

簡単にまとめると、過去にメンタルダウンを経験された方によって書かれた2作目の本。

1作目のテーマが「逃げることも大事なんじゃないか」だったのに対し、2作目のテーマは「でも、ときには逃げないことも大事なんじゃないの?」に対する、著者のアンサーが詰まった本になっています。

自分の幸せが何なのかを明らかにしながら、時には攻めて、時には回復するという姿勢は、継続

もっとみる
人間にできることはほとんどない。それでも努力する。『スピノザの診察室』感想

人間にできることはほとんどない。それでも努力する。『スピノザの診察室』感想

夏川草介さんの『スピノザの診察室』(水鈴社)がとてもよかったです。

今日は読書感想文とおすすめの書籍の紹介です。

今度映画化されるので、ネタバレなしの範囲で話したいと思います。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し3年間休職しました。その後復職し、「5年後も笑って働く」を目指しています。よろしくお願いします。

どんなお話?

凄腕のお医者さんが、京都の町のお医者

もっとみる
人生を立て直す羅針盤『あっという間に人は死ぬから』感想

人生を立て直す羅針盤『あっという間に人は死ぬから』感想

いい本に出会えたので、今日は本の感想と紹介です。

簡単にまとめると、「人生は短いのではなく浪費してしまっている」という論点からスタートし、その原因を明らかにして、どんな風に生きていけばいいのかを指南してくれる一冊です。

単なる時間術の本ではなく、メンタルヘルスにも触れられた一冊なので、自分が考えてきたこととリンクしていて、大変楽しめました。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタル

もっとみる
真摯な一冊『躁うつの波とうまく付き合いながら働く方法』感想

真摯な一冊『躁うつの波とうまく付き合いながら働く方法』感想

いやー、よかった。いい本に出会えた。今日は本の感想と紹介です。

簡単にまとめると、双極性障害の当事者によって書かれた本で、病気とうまく付き合いながら、フルタイムで働いていくコツが詰まった一冊です。

僕も一応、双極性障害の当事者なので、すごく共感しながら読めました。なぜ「一応」なのかは、後で書きますね。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し、3年間休職しました。その

もっとみる
2024年読んでよかった本15選

2024年読んでよかった本15選

ちょっとはやいですが、今年読んでよかった本をまとめました。

普段はメンタルヘルスに関する記事を書いていますが、人生全体を豊かにしていきたいなと思っているので、ビジネス本や哲学書なども読んでいます。今年は小説や漫画も含めて、面白かった本を紹介していきます。

映画『花束みたいな恋をした』を切り口として、労働と読書が両立できない現代について語る一冊。明治、大正、昭和、平成の人々と読書の歴史を振り返る

もっとみる
ストレッチも旅行も「休むこと」にカウントしていい『休養学』感想

ストレッチも旅行も「休むこと」にカウントしていい『休養学』感想

今日は本の感想です。『休養学』を読みました。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し、3年間休職しました。その後復職し、「5年後も再発せず笑って働いている」を目標にやっています。よろしくお願いします。

どういう内容の本?

寝るだけが休養じゃない。疲労は単なる睡眠だけでは回復しないため、もっと積極的に身体を動かすなど、ちょっとした「負荷」をかけることが大事になってくる

もっとみる
自分の言葉で書く『「好き」を言語化する技術』感想

自分の言葉で書く『「好き」を言語化する技術』感想

三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』を読みました。今日はその感想などを書いていきます。

三宅さんと言えば、『働いているとなぜ本が読めなくなるのか』が書店でとても売れています。今作は、それに比べてライトな語り口で書かれた新書です。

すごく感動したのに、「おもしろかった」しか言葉が出てこない。推しについてもっと語りたい。推しのよさを伝えたいけど方法がわかんない。そんな人に向けて書かれた一冊で

もっとみる
『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』感想

『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』感想

今日は哲学者の谷川嘉浩さんの書籍について、感想を書いていきます。

谷川さんの書籍は『スマホ時代の哲学』が面白いので、過去のnoteも載せておきます。

『レールを外れる』も面白かったのですが、書くのが大変だっただろうなと思いました。モチベーションという言葉では言い表せない「衝動」について扱っているからです。

「衝動とは何か」については、ぜひ本書をご覧ください。ここから先は、僕なりに印象に残った

もっとみる