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読書感想文・映画感想文

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本や漫画、ドラマや映画などの感想文を載せています。生きているうちに、たくさんの作品を味わうぞ。
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等身大の物語と確かな主張『ひたすら会社で働く生き方から降りることにした』(さくら舎)感想。

等身大の物語と確かな主張『ひたすら会社で働く生き方から降りることにした』(さくら舎)感想。

今日は読書感想文です。書籍はこちら。

簡単にまとめると、ひとりの男性の等身大の物語です。三度会社を辞めて、一度きりの人生を自分らしく生きる。それに至るまでのお話です。

転職、休職、復職などさまざまな経験を経て、最終的に執筆活動、読書、畑での収穫などをされています。

面白い本だったので、感想を書いてみます。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し、3年間休職しました

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対話がもたらす癒し『夜明けのすべて』(水鈴社)感想

対話がもたらす癒し『夜明けのすべて』(水鈴社)感想

瀬尾まいこさんの『夜明けのすべて』を読みました。今日は読書感想文。

一言で説明すると、困難さを抱えた若者ふたりのお話。

藤沢さん(女性)はPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなってしまう。山添くん(男性)はパニック障害で電車に乗れないなどの悲しみがある。

そんなふたりが同志のようになっていくお話。

僕はメンタルダウンして3年間休職して、その後復職しました。でも、「とりあえず仕事は

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『スラムダンク』を読んだ人に『ハイキュー!!』の魅力を伝えたい

『スラムダンク』を読んだ人に『ハイキュー!!』の魅力を伝えたい

パーソナル編集者のセトショウヘイさんが、おすすめの漫画を紹介して!とのことだったので、『ハイキュー!!』の魅力を語りたいと思います。

特に、『スラムダンク』を読んだことがある方に、『ハイキュー!!』も面白いよ〜と伝えたいので、今日はそんな軸で書きます。

日本を代表するバスケ漫画とバレー漫画を比較しながら、共通点と違いについて語るので、若干のネタバレがあります。ご了承ください。

『ハイキュー!

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わびさん挑戦の2作目『人生から逃げない戦い方』(扶桑社)感想。

わびさん挑戦の2作目『人生から逃げない戦い方』(扶桑社)感想。

今日は読書感想文です。書籍はこちら。

簡単にまとめると、過去にメンタルダウンを経験された方によって書かれた2作目の本。

1作目のテーマが「逃げることも大事なんじゃないか」だったのに対し、2作目のテーマは「でも、ときには逃げないことも大事なんじゃないの?」に対する、著者のアンサーが詰まった本になっています。

自分の幸せが何なのかを明らかにしながら、時には攻めて、時には回復するという姿勢は、継続

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人間にできることはほとんどない。それでも努力する。『スピノザの診察室』感想

人間にできることはほとんどない。それでも努力する。『スピノザの診察室』感想

夏川草介さんの『スピノザの診察室』(水鈴社)がとてもよかったです。

今日は読書感想文とおすすめの書籍の紹介です。

今度映画化されるので、ネタバレなしの範囲で話したいと思います。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し3年間休職しました。その後復職し、「5年後も笑って働く」を目指しています。よろしくお願いします。

どんなお話?

凄腕のお医者さんが、京都の町のお医者

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『チ。』にハマった人は『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』を読んでみてほしい。

『チ。』にハマった人は『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』を読んでみてほしい。

10月から、TVアニメ『チ。ー地球の運動について』が始まりました。
今日は、それについて考えたことを書きます。

結論については、タイトルの通りです。読んで。

著者は哲学者の谷川嘉浩さん。モチベーションという言葉では言い表せない「衝動」について、様々な書籍や作品を紹介しながら言葉にしていく一冊です。

本書の導入では、さっそく『チ。』について触れながら、本書の狙いを提示します。人はときに、合理的

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真摯な一冊『躁うつの波とうまく付き合いながら働く方法』感想

真摯な一冊『躁うつの波とうまく付き合いながら働く方法』感想

いやー、よかった。いい本に出会えた。今日は本の感想と紹介です。

簡単にまとめると、双極性障害の当事者によって書かれた本で、病気とうまく付き合いながら、フルタイムで働いていくコツが詰まった一冊です。

僕も一応、双極性障害の当事者なので、すごく共感しながら読めました。なぜ「一応」なのかは、後で書きますね。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し、3年間休職しました。その

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ストレッチも旅行も「休むこと」にカウントしていい『休養学』感想

ストレッチも旅行も「休むこと」にカウントしていい『休養学』感想

今日は本の感想です。『休養学』を読みました。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し、3年間休職しました。その後復職し、「5年後も再発せず笑って働いている」を目標にやっています。よろしくお願いします。

どういう内容の本?

寝るだけが休養じゃない。疲労は単なる睡眠だけでは回復しないため、もっと積極的に身体を動かすなど、ちょっとした「負荷」をかけることが大事になってくる

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『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』感想

『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』感想

今日は哲学者の谷川嘉浩さんの書籍について、感想を書いていきます。

谷川さんの書籍は『スマホ時代の哲学』が面白いので、過去のnoteも載せておきます。

『レールを外れる』も面白かったのですが、書くのが大変だっただろうなと思いました。モチベーションという言葉では言い表せない「衝動」について扱っているからです。

「衝動とは何か」については、ぜひ本書をご覧ください。ここから先は、僕なりに印象に残った

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休職経験者『ラストマイル』を語る。

休職経験者『ラストマイル』を語る。

映画『ラストマイル』観てきました!とてもよかった!よかったのですが、期待していた分、ちょっと物足りなかった。

いや、モヤモヤが残った?

今日はこの辺りについて書いてみたいと思います。ちなみに、がっつりネタバレありなんでご了承ください。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し、3年間休職しました。その後復職し、「5年後も再発せず、笑って働いている」を目標に生きています

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自分の言葉で書く『「好き」を言語化する技術』感想

自分の言葉で書く『「好き」を言語化する技術』感想

三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』を読みました。今日はその感想などを書いていきます。

三宅さんと言えば、『働いているとなぜ本が読めなくなるのか』が書店でとても売れています。今作は、それに比べてライトな語り口で書かれた新書です。

すごく感動したのに、「おもしろかった」しか言葉が出てこない。推しについてもっと語りたい。推しのよさを伝えたいけど方法がわかんない。そんな人に向けて書かれた一冊で

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『スマホ時代の哲学』感想・レビュー2

『スマホ時代の哲学』感想・レビュー2

前回は読んでいない人向けに『スマホ時代の哲学』を紹介しました。今回はネタバレ前提で考えたことをまとめておきます。長いです。

前回の記事はこちら。ネタバレ嫌な方はここで引き返してね。

すごくざっくり要約すると

・現代では「注意の奪い合い」が行われており、僕たちも参加している。
・マルチタスクで情報を処理する中で、注意を分散させてしまっている。
・失われてしまった「孤独」を取り戻すことが必要。

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『スマホ時代の哲学』感想・レビュー

『スマホ時代の哲学』感想・レビュー

ここ最近の悩み。なかなかTwitterをやめることができない。1日にどのくらいTwitterをしているか調べてみたら、およそ2~3時間費やしていた。膨大な時間。これはまとまった時間ではなく、細切れの時間だ。ごはんを食べた後、トイレに座った後、ベッドに入った後、気づいたらTwitterを開いている。

Twitterはパチンコに似た部分があって、たくさん「反応」がもらえるとドーパミンが放出される。い

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人生を再駆動していく『物語思考』感想

人生を再駆動していく『物語思考』感想

ご無沙汰しております。noteの更新をサボっていたので、久しぶりに書いてみようと思います。

けんすうさんの『物語思考』を読みました。今日はその感想と考えたことを書いていきます。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し3年間休職しました。その後復職し、「5年後も笑って働いている」を目標にやっています。よろしくお願いします。

どんな本だったの?

「未来になりたい像から

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