寒過ぎて空気の音が聞こえた。冷気を含みながら澄み渡る青空は、静かに生を纏った音を奏でた。スー、ツー、ズン。シーン、ピンっ。形容し難いけれど、いい音がする。『いい音がする文章』を読んで、文だけでなく光り、匂い、あらゆる自然に音を見るようになった。聞こえくる音に自分を写しているみたい
自分の声を一番聞くのは誰?ー自分だ。だからその音はいつも優しい音色で。noteは自分が一番見るのだから柔らかな言葉で。 「最近は学校であだ名をつけることが禁止になったと聞く。わからなくもない。呼ぶ人よりも、呼ばれる人のほうがその名を聞き続けるのだから。」〜『いい音がする文章』より
「誰かと会話するとき、笑うとき、泣くとき、あなたは自分の「音」を鳴らしている。楽器を演奏しなくても。」 ー『いい音がする文章』高橋久美子 より。「本心の音」と書いて本音。本音は音だった。「本当は、ね。」と自分の心を鳴らす時、音に変えるんだ。そしてnoteは「〜の音」だ。
「あ、いたい!」と思わず声が出る時、「会いたい」に変換されて人に会いたくなったり。「あ、いた!」と鳥を見つけてつぶやくと、痛みに似た感嘆になったり。語感は五感につながっていて、声は音になり、音は文になり、五感をくすぐる。いい文章には音があり、いい写真にも音があり、自分を写す。
〜あなたの感性が爆発する書き方〜とは『いい音がする文章』の副題。五日ぶりの再読で気づいたのは副題の魅力と次の一節。「その人にしか見えない景色こそがおもしろさの7割で、書くとは何を見て生きるかということだ。その人生こそが唯一無二のリズムだ。」感性を爆発させたかったんだね、私。
音、リズム、声、作詞、歌詞、音楽、ライブ、書き方、日本語、絵本、日記、方言、LINE、絵文字、詩、えとせとら。知りたいことぜんぶ網羅してた。すごい。心臓バクバクビート!今日この本に出会えてよかった。校正はだいすきな牟田芳子さん。
読み終えてしまった。 触感も愉しい本であった。 今、読めないかもというところも読めてしまった。 ふきのとうの天ぷらを思い出すのはなぜだろう。